星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
アテナ誕でアテナとサガ
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オリーブはアテナの聖樹ということもあり、聖域では最もポピュラーな植物の1つだ。
この季節、青々と茂る葉のあいだには、楕円形のちいさな実がたわわにぶら下がっている。
収穫はまだ先だが、現段階でも豊作であることは一目瞭然であった。
「今年もよく採れそうです。村の者たちが喜ぶでしょう」
十二宮の通路を歩くサガが隣のアテナへ話しかけた。
「嬉しいことです。デメテルのお陰ですね」
祭典用の衣装を着た彼女は、軽やかに白のドレスの裾をさばいている。黄金で統一された腕輪や首飾りとニケの杖が、太陽を反射させてきらきらと輝く。派手なほどだが、アテナの美しさの前では、それすら霞むとサガは思う。
「貴女が人間にオリーブを与えてくださったお陰です」
「ふふ、昔の話だわ」
明るい栗色の髪をなびかせ、アテナがサガを見る。
彼はアテナへ微笑んだ。
「この樹は聖域中に恵みをもたらしてくれますが、1箇所だけ生えていないところがあるのですよ。ご存知ですか?」
「あら、そうなの?どこかしら」
「教皇宮です。昔、赤子であった貴女がこの地を去られたあと、教皇宮まわりの樹が実ることはなくなりました。それを見たあれが…もう一人のわたしが、すべて引っこ抜いてしまったのです」
「まあ」
「愚かですよね」
自嘲まじりの穏やかな笑みは、数多の苦しみと悲しみを乗り越えてきた者特有の静謐さがあった。
アテナと呼ばれる少女は、何も言わず、そっとサガの手を取る。手を繋ぎながら歩くことになったサガは、どうしていいのか戸惑いながらも、その手を離すことは無かった。
「今度、一緒に植えましょう、サガ」
「アテナ」
「オリーブたちにも言っておかなければ。私は誰かを苦しめるために、あなた達を創り、人に与えたわけではないのだと」
「……貴女というひとは」
手を引かれるように歩くサガの顔が、くしゃりと泣きそうにゆがむ。
けれども涙がこぼれることはなかった。代わりにサガは低くゆっくりとアテナへ伝える。
「貴女の生誕と御世を祝います。貴女のために、わたしは戦う」
13年前とは違い、心の底からの言葉であった。
「ありがとうサガ」
にっこりと笑ったアテナの笑顔は、戦女神のようでもあり、人間の少女のようにも見える。この笑顔を二度と曇らせたくないと、サガは心の中で呟いた。
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もう出勤時間ですが、黒サガとアテナの話も書きたかった…!
今では黒サガにも認められているアテナです。でも黒サガなので普段は「小娘」とか呼んじゃう。それでもアテナがさらに美しく成長して16歳くらいになったら、そうは呼ばなくなると思うんですが…(>ω<)
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オリーブはアテナの聖樹ということもあり、聖域では最もポピュラーな植物の1つだ。
この季節、青々と茂る葉のあいだには、楕円形のちいさな実がたわわにぶら下がっている。
収穫はまだ先だが、現段階でも豊作であることは一目瞭然であった。
「今年もよく採れそうです。村の者たちが喜ぶでしょう」
十二宮の通路を歩くサガが隣のアテナへ話しかけた。
「嬉しいことです。デメテルのお陰ですね」
祭典用の衣装を着た彼女は、軽やかに白のドレスの裾をさばいている。黄金で統一された腕輪や首飾りとニケの杖が、太陽を反射させてきらきらと輝く。派手なほどだが、アテナの美しさの前では、それすら霞むとサガは思う。
「貴女が人間にオリーブを与えてくださったお陰です」
「ふふ、昔の話だわ」
明るい栗色の髪をなびかせ、アテナがサガを見る。
彼はアテナへ微笑んだ。
「この樹は聖域中に恵みをもたらしてくれますが、1箇所だけ生えていないところがあるのですよ。ご存知ですか?」
「あら、そうなの?どこかしら」
「教皇宮です。昔、赤子であった貴女がこの地を去られたあと、教皇宮まわりの樹が実ることはなくなりました。それを見たあれが…もう一人のわたしが、すべて引っこ抜いてしまったのです」
「まあ」
「愚かですよね」
自嘲まじりの穏やかな笑みは、数多の苦しみと悲しみを乗り越えてきた者特有の静謐さがあった。
アテナと呼ばれる少女は、何も言わず、そっとサガの手を取る。手を繋ぎながら歩くことになったサガは、どうしていいのか戸惑いながらも、その手を離すことは無かった。
「今度、一緒に植えましょう、サガ」
「アテナ」
「オリーブたちにも言っておかなければ。私は誰かを苦しめるために、あなた達を創り、人に与えたわけではないのだと」
「……貴女というひとは」
手を引かれるように歩くサガの顔が、くしゃりと泣きそうにゆがむ。
けれども涙がこぼれることはなかった。代わりにサガは低くゆっくりとアテナへ伝える。
「貴女の生誕と御世を祝います。貴女のために、わたしは戦う」
13年前とは違い、心の底からの言葉であった。
「ありがとうサガ」
にっこりと笑ったアテナの笑顔は、戦女神のようでもあり、人間の少女のようにも見える。この笑顔を二度と曇らせたくないと、サガは心の中で呟いた。
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もう出勤時間ですが、黒サガとアテナの話も書きたかった…!
今では黒サガにも認められているアテナです。でも黒サガなので普段は「小娘」とか呼んじゃう。それでもアテナがさらに美しく成長して16歳くらいになったら、そうは呼ばなくなると思うんですが…(>ω<)