星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
前々回ブログのオマケ。白サガとカーサ
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南氷洋の宮で執務をこなしていたカーサは、サガが会いに来ているとの従者の連絡を受け、書類を綴る手を止めた。
さっそく通すように伝えると、間もなく恐縮した様子のサガが扉から顔を覗かせる。
「その、仕事の邪魔をするつもりではなかった。待つと伝えたのだが」
「雑務だから問題ないっすよ。それより何の用で?」
「それこそ雑事なのだが…先だってはもう一人のわたしが迷惑をかけた」
「なんだ、あれですか。あれはお互い様ってやつです」
黒サガに対してカーサが術を使おうとしたところ、先読みをした黒サガが脳内を改竄して対抗したというだけの話で、そもそもはカーサが先に仕掛けたのだ。カーサからしてみると謝られるのも申し訳ない。
「しかし…見苦しいものをみせてしまい」
「アンタの場合、見苦しくはないんじゃないスか?神の芸術品だそうですし」
フォローのつもりでそう言うと、サガは真っ赤になって俯いた。逆効果だったようだ。
「い、いつもは履いているのだ…教皇の法衣や一部昔からのキトン着用のときは、下着不要の習慣であるだけで…誤解しないでほしい」
下着をつけぬのが正式な伝統衣装の場合のみだと主張したいのだろう。確かに特殊な趣味なのかとの誤解はしかけたので、そこは脳内訂正を行っておく。しかし、別に興味があるわけでもなんでもないのに、うっかり疑問が口からこぼれてしまう。
「じゃあ今は履いてるんですか?」
「カーサ、セクハラだ!」
サガが顔を赤くしたまま、最近覚えたらしい単語で訴えてきた。
(執務中に下着だの全裸だのの話を持ち込まれている自分のほうがセクハラされているんじゃなかろうか)
カーサは冷静に視線でそう訴え返した。
=============================
自分の内面を覗いて知ってるカーサにはこんなですが、他の面々にはもうすこし神のような年上の振る舞いです…という妄想(>ω<)
そういえば他所様で「パンドラとテティス」の単語が文中にあったんですが、ぱっと最初に画面を見たときパンティにみえてしまい、すぐ全然違うと気づいたんですが、自分の首を絞めたくなりました。
そんななか今日もパチパチ有難うございます!毎日の潤いです(^▽^)
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南氷洋の宮で執務をこなしていたカーサは、サガが会いに来ているとの従者の連絡を受け、書類を綴る手を止めた。
さっそく通すように伝えると、間もなく恐縮した様子のサガが扉から顔を覗かせる。
「その、仕事の邪魔をするつもりではなかった。待つと伝えたのだが」
「雑務だから問題ないっすよ。それより何の用で?」
「それこそ雑事なのだが…先だってはもう一人のわたしが迷惑をかけた」
「なんだ、あれですか。あれはお互い様ってやつです」
黒サガに対してカーサが術を使おうとしたところ、先読みをした黒サガが脳内を改竄して対抗したというだけの話で、そもそもはカーサが先に仕掛けたのだ。カーサからしてみると謝られるのも申し訳ない。
「しかし…見苦しいものをみせてしまい」
「アンタの場合、見苦しくはないんじゃないスか?神の芸術品だそうですし」
フォローのつもりでそう言うと、サガは真っ赤になって俯いた。逆効果だったようだ。
「い、いつもは履いているのだ…教皇の法衣や一部昔からのキトン着用のときは、下着不要の習慣であるだけで…誤解しないでほしい」
下着をつけぬのが正式な伝統衣装の場合のみだと主張したいのだろう。確かに特殊な趣味なのかとの誤解はしかけたので、そこは脳内訂正を行っておく。しかし、別に興味があるわけでもなんでもないのに、うっかり疑問が口からこぼれてしまう。
「じゃあ今は履いてるんですか?」
「カーサ、セクハラだ!」
サガが顔を赤くしたまま、最近覚えたらしい単語で訴えてきた。
(執務中に下着だの全裸だのの話を持ち込まれている自分のほうがセクハラされているんじゃなかろうか)
カーサは冷静に視線でそう訴え返した。
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自分の内面を覗いて知ってるカーサにはこんなですが、他の面々にはもうすこし神のような年上の振る舞いです…という妄想(>ω<)
そういえば他所様で「パンドラとテティス」の単語が文中にあったんですが、ぱっと最初に画面を見たときパンティにみえてしまい、すぐ全然違うと気づいたんですが、自分の首を絞めたくなりました。
そんななか今日もパチパチ有難うございます!毎日の潤いです(^▽^)
前回のおまけ的カーサとソレント
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「そういえばカーサ、貴方はわたしにリュムナデスの技を使わないな」
執務の休憩時間、テティスの用意したお茶を飲みながらソレントが呟いた。
テーブルの向かいで、呆れたようにカーサが答える。
「何を言ってるんだか。お前だって味方に必殺の笛を聴かせないだろう」
「まあ、そうですが…ほら、聖域のジェミニにはよく練習がどうのといって、化けてるではありませんか」
「あいつは特別複雑な奴なんだよ。だから練習になる。しかし、お前の大事な相手は、別に心を読まなくても判るって言うか」
カーサの言い分に、少しソレントがむくれた。
「まるでわたしが単細胞みたいな言い方だ」
「いや、そういうのでもなく…そうだ、例えばお前、テティスの1番大事な相手は誰か当ててみろと言われたらどうだ」
「…それはまあ、ポセイドン様であり、ジュリアン様でしょう」
「だろ。ま、海将軍の大半はそうなるはずだ。聖域出身者以外はな。俺たちは海王へ絶対の忠誠心と愛情を持っている。逆に言えば、海王以上に大切な人間はいなかった。大洪水で地上を滅ぼすことを躊躇わない程度には」
「……」
「その善し悪しは俺にはワカラン。しかし、お前の大切な相手は読むまでもなく判るし、海将軍として今後もその相手が1番でありつづけるだろうと信じている。だから技を使わない、それだけのことだ」
悪人面で飄々とそんなことを言うカーサの言葉は、本音なのか口先だけなのか微妙なところである。しかし、ソレントは紅茶を飲み干すと、カップをかちゃりとソーサーへ戻して苦笑した。
「確かに技など使う必要はないな。カーサはそんなものに頼らずとも、わたしを丸め込む方法に長けている」
カーサもまた笑みを零したが、それはニヤリと表現するのがぴったりの笑い方であった。
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海将軍たちはホント純粋ですよね皆。
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「そういえばカーサ、貴方はわたしにリュムナデスの技を使わないな」
執務の休憩時間、テティスの用意したお茶を飲みながらソレントが呟いた。
テーブルの向かいで、呆れたようにカーサが答える。
「何を言ってるんだか。お前だって味方に必殺の笛を聴かせないだろう」
「まあ、そうですが…ほら、聖域のジェミニにはよく練習がどうのといって、化けてるではありませんか」
「あいつは特別複雑な奴なんだよ。だから練習になる。しかし、お前の大事な相手は、別に心を読まなくても判るって言うか」
カーサの言い分に、少しソレントがむくれた。
「まるでわたしが単細胞みたいな言い方だ」
「いや、そういうのでもなく…そうだ、例えばお前、テティスの1番大事な相手は誰か当ててみろと言われたらどうだ」
「…それはまあ、ポセイドン様であり、ジュリアン様でしょう」
「だろ。ま、海将軍の大半はそうなるはずだ。聖域出身者以外はな。俺たちは海王へ絶対の忠誠心と愛情を持っている。逆に言えば、海王以上に大切な人間はいなかった。大洪水で地上を滅ぼすことを躊躇わない程度には」
「……」
「その善し悪しは俺にはワカラン。しかし、お前の大切な相手は読むまでもなく判るし、海将軍として今後もその相手が1番でありつづけるだろうと信じている。だから技を使わない、それだけのことだ」
悪人面で飄々とそんなことを言うカーサの言葉は、本音なのか口先だけなのか微妙なところである。しかし、ソレントは紅茶を飲み干すと、カップをかちゃりとソーサーへ戻して苦笑した。
「確かに技など使う必要はないな。カーサはそんなものに頼らずとも、わたしを丸め込む方法に長けている」
カーサもまた笑みを零したが、それはニヤリと表現するのがぴったりの笑い方であった。
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海将軍たちはホント純粋ですよね皆。
シードラゴン用に用意されている海底神殿の貴賓室で、サガは寛いでいた。珍しく黒髪である。ソファーにゆったりと背を預け、海界の書物に目を通している様子は、神殿の主であるかのような遠慮のなさに見えるが、双児宮であれば寝そべっているところだ。彼なりに一応TPOをわきまえてはいるのだ。
そのサガが顔を上げて部屋の入り口を見た。
「入っても構わんぞ」
「流石だな、気配は隠していたのだが…」
扉を開けて姿を見せたのは、サガと同じ顔をした男だった。ただし色違いの。
カノンではない。写し身のごとく同じ見た目であっても、醸し出される空気が明らかに異なっている。
『きらきら』という効果表現がぴったりのオーラを身に纏い、微笑みかけてくるその姿は、白サガと呼ばれているもう一人のサガそのものだった。
「わたしに驚かないのか?」
「フン、近しい人間の姿で近づくバケモノの話ならば、カノンやアレを通じて知識を得ている」
アレというのは、もちろんもう一人の本物の白サガのことだ。
「それに、随分扉の向こうで時間をかけていたようではないか。あれだけ時間があれば、あほうとて気づくわ」
「…時間がかかったのは、お前のせいだとわかっているくせに」
白サガの姿をとったカーサは、擬態のまま拗ねたように黒サガへ反駁する。
「ああ、時間がかかったわりに期待通りの姿ではなかった」
「当たり前だ!何故1番大切な相手の姿を全裸で思い浮かべるのだ!もう一人とはいえ自分の裸であろう!うっかり読み取ったまま全裸で室内へ突入するところだったわ!化けた身体に服を纏わせるのに時間がかかったのだ!」
「ふむ、怒り方はなかなか似ている」
どこかサガは機嫌が良さそうだった。本を置いて立ち上がると、カーサの化けた白サガの傍による。そのまま何の予備動作もなく白サガの法衣をスカートめくりのように手で摘まんで持ち上げたので、思わず白サガは黒サガの頭をはたいた。
「何をする、痴れ者が!」
「下着を履いているのか」
「当たり前だ。そこは実物と違えど無視させてもらった」
「精度の低い擬態だな」
「…お前、わたしの訪れに気づいていて、わざとからかうために心を改竄していただろう」
「改竄とは人聞きの悪い。見せる領域をこちらで設定しただけだ。だが、さすがに海将軍、こちらの小細工には気づいていたか」
「二番目に大切な領域として設定されていたところに、シードラゴンの裸エプロン姿があった時点で普通は気づく!同僚の裸エプロンなど、どんな精神トラップだ!」
「アレはカノンのことをシードラゴンとは呼ばぬぞ」
駄目だしを押しつつも、黒サガは白サガの頬に手を伸ばし、そっと触れる。
「今からその姿のお前に幻朧魔皇拳をかけても良いか?」
さも謙虚な姿勢をみせているかのような発言をしだした黒サガへ、カーサはキッパリ「超断る」と素の言葉で返した。
=============================
拙宅では海将軍と仲の良いサガですが、なかでもカーサとは軽口叩く仲です。何度か練習用に心を覗かせているうちに仲良くなりました。黒サガとは初めてですが、黒サガも白サガと同じ距離感でカーサに接してました意外です。
うあもう出勤時間なので頂いた拍手へのご返信は夜にでも(>ω<)
ぱちぱち有難うございます!超元気を頂いております!
そのサガが顔を上げて部屋の入り口を見た。
「入っても構わんぞ」
「流石だな、気配は隠していたのだが…」
扉を開けて姿を見せたのは、サガと同じ顔をした男だった。ただし色違いの。
カノンではない。写し身のごとく同じ見た目であっても、醸し出される空気が明らかに異なっている。
『きらきら』という効果表現がぴったりのオーラを身に纏い、微笑みかけてくるその姿は、白サガと呼ばれているもう一人のサガそのものだった。
「わたしに驚かないのか?」
「フン、近しい人間の姿で近づくバケモノの話ならば、カノンやアレを通じて知識を得ている」
アレというのは、もちろんもう一人の本物の白サガのことだ。
「それに、随分扉の向こうで時間をかけていたようではないか。あれだけ時間があれば、あほうとて気づくわ」
「…時間がかかったのは、お前のせいだとわかっているくせに」
白サガの姿をとったカーサは、擬態のまま拗ねたように黒サガへ反駁する。
「ああ、時間がかかったわりに期待通りの姿ではなかった」
「当たり前だ!何故1番大切な相手の姿を全裸で思い浮かべるのだ!もう一人とはいえ自分の裸であろう!うっかり読み取ったまま全裸で室内へ突入するところだったわ!化けた身体に服を纏わせるのに時間がかかったのだ!」
「ふむ、怒り方はなかなか似ている」
どこかサガは機嫌が良さそうだった。本を置いて立ち上がると、カーサの化けた白サガの傍による。そのまま何の予備動作もなく白サガの法衣をスカートめくりのように手で摘まんで持ち上げたので、思わず白サガは黒サガの頭をはたいた。
「何をする、痴れ者が!」
「下着を履いているのか」
「当たり前だ。そこは実物と違えど無視させてもらった」
「精度の低い擬態だな」
「…お前、わたしの訪れに気づいていて、わざとからかうために心を改竄していただろう」
「改竄とは人聞きの悪い。見せる領域をこちらで設定しただけだ。だが、さすがに海将軍、こちらの小細工には気づいていたか」
「二番目に大切な領域として設定されていたところに、シードラゴンの裸エプロン姿があった時点で普通は気づく!同僚の裸エプロンなど、どんな精神トラップだ!」
「アレはカノンのことをシードラゴンとは呼ばぬぞ」
駄目だしを押しつつも、黒サガは白サガの頬に手を伸ばし、そっと触れる。
「今からその姿のお前に幻朧魔皇拳をかけても良いか?」
さも謙虚な姿勢をみせているかのような発言をしだした黒サガへ、カーサはキッパリ「超断る」と素の言葉で返した。
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拙宅では海将軍と仲の良いサガですが、なかでもカーサとは軽口叩く仲です。何度か練習用に心を覗かせているうちに仲良くなりました。黒サガとは初めてですが、黒サガも白サガと同じ距離感でカーサに接してました意外です。
うあもう出勤時間なので頂いた拍手へのご返信は夜にでも(>ω<)
ぱちぱち有難うございます!超元気を頂いております!
日本語勉強中のサガの場合。
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女神「宜しければ、一緒に甘酒をのみませんか?」
サガ「甘鮭を…呑むというのは頭からでしょうか」
女神「言い換えた方が良いようですね。白酒はいかがです?厳密には別物ですが」
サガ「塩鮭と甘鮭の違いならば存じております」
女神「サガ」
サガ「何でしょう」
女神「鮭から少し離れて下さい」
アテナはサガへ桃の一枝を渡すと、むくれたように踵を返した。
=============================
桃の節句かつ土曜日ですので、宿泊業の職場ではこんな下らない脳内妄想が流れるくらい忙しかったです。これでお天気がよければもっと当日予約がイケたのになあ!(>ω<)
あと脳内ではアイオロスが「ひなまつり」の語感だけで祭り内容を予測して、どっからかダンボール一箱分の鶏のひなを集めてきました。ひな壇代わりのサガに、ひよこを沢山乗せればいいよ!星矢は日本人だからどんなお祭りか知ってるけど、ひよこまみれのサガが可愛いから黙ってにこにこ見守ってます。
そんなわけで今夜はバタンキューなのです。U様、嬉しくて爆発しそうなメールをありがとうございました!荒らぶりまくりですが、お返事もう少しお待ちくださいませ(ぺこり)
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女神「宜しければ、一緒に甘酒をのみませんか?」
サガ「甘鮭を…呑むというのは頭からでしょうか」
女神「言い換えた方が良いようですね。白酒はいかがです?厳密には別物ですが」
サガ「塩鮭と甘鮭の違いならば存じております」
女神「サガ」
サガ「何でしょう」
女神「鮭から少し離れて下さい」
アテナはサガへ桃の一枝を渡すと、むくれたように踵を返した。
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桃の節句かつ土曜日ですので、宿泊業の職場ではこんな下らない脳内妄想が流れるくらい忙しかったです。これでお天気がよければもっと当日予約がイケたのになあ!(>ω<)
あと脳内ではアイオロスが「ひなまつり」の語感だけで祭り内容を予測して、どっからかダンボール一箱分の鶏のひなを集めてきました。ひな壇代わりのサガに、ひよこを沢山乗せればいいよ!星矢は日本人だからどんなお祭りか知ってるけど、ひよこまみれのサガが可愛いから黙ってにこにこ見守ってます。
そんなわけで今夜はバタンキューなのです。U様、嬉しくて爆発しそうなメールをありがとうございました!荒らぶりまくりですが、お返事もう少しお待ちくださいませ(ぺこり)
23日のSSの続き
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「思うに、あれは育った環境が悪いと思うんだよね」
目の前のアイオロスが、ため息をついてグラスを呷った。中身はオレンジジュース。貴様なんぞにまともな飲み物を用意する気はない…という意思表示だったのだが、美味しそうに飲まれている。お子様なのか大物なのかワカラン。
「次期教皇が聖域を批判していいのか。というか、海界までお前は愚痴を言いに来たのか」
「カノンなら、私の言っていることを判ってくれると思ったからさ」
突然アイオロスから来訪の予告があり、緊急の案件かとシードラゴンの鱗衣フル着用で出迎えてみれば、個人的な用件だという。
それでもそんなことは建前で、外では話せぬほど内密の案件かもしれないと、北大西洋の宮殿に部屋を用意して話を聞いてみれば、思った以上に個人的すぎる内容なのだった。
「サガってさ、双子座としては君を影としていたわけだろう?」
「サガがそうしたかったわけじゃない。双子座は代々そういうシステムなんだ」
「どっちにしろ、影の君はサガの振りしなきゃならなかったんだろ?」
「まあな」
「そしてサガは己の中にも闇を持っていた。二つの人格はせめぎ合い、負けたほうは身体の主導権を譲らねばならなかった」
「ああ」
「だから、サガは勘違いしてるんだよ」
「何をだ」
「相手に負けて自分が優位に立てなかったときや、自分が影の役目を担う時には、その相手に全てを譲らなきゃならないと思ってる。アイデンティティーまで含めて。それ以外を知らないんだ」
ぎり…と握る拳に力が篭ってしまう。
こいつはサガのことを本当に良く見ている。
「次期教皇サマとしては、最大のライバルとなるであろう未来の補佐が従順なのは嬉しいんじゃねえの?」
もちろん厭味だ。
サガがまたおかしくなりはじめている事は知っていた。いや、聖域の他の連中はそんな風には考えず「過去を反省しておとなしくなった」「アイオロスとも仲良くやっている」と思っているだろう。
オレからすれば、覇気のないサガなんて気持ち悪くてしょうがない。他人に何と言われようが、こいつを押しのける勢いで、また頂点を目指せばいいのに。
「私が補佐に欲しいのは、意見を切磋琢磨できる相手であって、私の言葉を繰り返すオウムじゃないんだよ」
このやろう、サガを鳥扱いしたな。
自分の聖衣に羽があるからってサガを同類にするな。
「それは直接あの馬鹿に言え」
そう言ってやると、アイオロスは初めて困ったような顔をした。
「その、こんなこと言ってサガに嫌われたくないし。君ならいい案を出してくれそうかなと」
ここで殴らなかった自分を褒めたい。
出かかった拳を、海将軍筆頭である自分の立場と次期教皇たる射手座の立場を考えて、なんとか押さえた。これが双児宮だったら殴ってた。
「知るか、お前とサガの問題だろう。勝手にしろ」
しかし、アイオロスはグラスを手にしたまま、きょとんとした。
「私とサガの問題にしてしまっていいのか?」
何か自分が取り返しのつかない失言をしたような、嫌な予感がする。
「君はサガの半身みたいだから、君の意向も聞いておこうと思ったけれど、好きにしていいのなら勝手にしてしまうよ?何せ未来の補佐殿は私に従順だからね」
さきほどのオレの台詞は、厭味として通じていたらしい。
部屋の空気が一変する。
「私は贅沢なのかもしれない。どうせならサガが自分の意志で跪いてくれないと、気に食わないんだよ」
「…貴様にサガを渡すものか」
「そう?」
アイオロスの笑顔の後ろに、昔サガに感じたのと同じ闇が見えた。
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それにしても今日は寒かったですね(>x<)
寒い時には温泉!温泉とくればサガ!アイオロスとサガにも温泉旅行に行かせたいココロ!
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「思うに、あれは育った環境が悪いと思うんだよね」
目の前のアイオロスが、ため息をついてグラスを呷った。中身はオレンジジュース。貴様なんぞにまともな飲み物を用意する気はない…という意思表示だったのだが、美味しそうに飲まれている。お子様なのか大物なのかワカラン。
「次期教皇が聖域を批判していいのか。というか、海界までお前は愚痴を言いに来たのか」
「カノンなら、私の言っていることを判ってくれると思ったからさ」
突然アイオロスから来訪の予告があり、緊急の案件かとシードラゴンの鱗衣フル着用で出迎えてみれば、個人的な用件だという。
それでもそんなことは建前で、外では話せぬほど内密の案件かもしれないと、北大西洋の宮殿に部屋を用意して話を聞いてみれば、思った以上に個人的すぎる内容なのだった。
「サガってさ、双子座としては君を影としていたわけだろう?」
「サガがそうしたかったわけじゃない。双子座は代々そういうシステムなんだ」
「どっちにしろ、影の君はサガの振りしなきゃならなかったんだろ?」
「まあな」
「そしてサガは己の中にも闇を持っていた。二つの人格はせめぎ合い、負けたほうは身体の主導権を譲らねばならなかった」
「ああ」
「だから、サガは勘違いしてるんだよ」
「何をだ」
「相手に負けて自分が優位に立てなかったときや、自分が影の役目を担う時には、その相手に全てを譲らなきゃならないと思ってる。アイデンティティーまで含めて。それ以外を知らないんだ」
ぎり…と握る拳に力が篭ってしまう。
こいつはサガのことを本当に良く見ている。
「次期教皇サマとしては、最大のライバルとなるであろう未来の補佐が従順なのは嬉しいんじゃねえの?」
もちろん厭味だ。
サガがまたおかしくなりはじめている事は知っていた。いや、聖域の他の連中はそんな風には考えず「過去を反省しておとなしくなった」「アイオロスとも仲良くやっている」と思っているだろう。
オレからすれば、覇気のないサガなんて気持ち悪くてしょうがない。他人に何と言われようが、こいつを押しのける勢いで、また頂点を目指せばいいのに。
「私が補佐に欲しいのは、意見を切磋琢磨できる相手であって、私の言葉を繰り返すオウムじゃないんだよ」
このやろう、サガを鳥扱いしたな。
自分の聖衣に羽があるからってサガを同類にするな。
「それは直接あの馬鹿に言え」
そう言ってやると、アイオロスは初めて困ったような顔をした。
「その、こんなこと言ってサガに嫌われたくないし。君ならいい案を出してくれそうかなと」
ここで殴らなかった自分を褒めたい。
出かかった拳を、海将軍筆頭である自分の立場と次期教皇たる射手座の立場を考えて、なんとか押さえた。これが双児宮だったら殴ってた。
「知るか、お前とサガの問題だろう。勝手にしろ」
しかし、アイオロスはグラスを手にしたまま、きょとんとした。
「私とサガの問題にしてしまっていいのか?」
何か自分が取り返しのつかない失言をしたような、嫌な予感がする。
「君はサガの半身みたいだから、君の意向も聞いておこうと思ったけれど、好きにしていいのなら勝手にしてしまうよ?何せ未来の補佐殿は私に従順だからね」
さきほどのオレの台詞は、厭味として通じていたらしい。
部屋の空気が一変する。
「私は贅沢なのかもしれない。どうせならサガが自分の意志で跪いてくれないと、気に食わないんだよ」
「…貴様にサガを渡すものか」
「そう?」
アイオロスの笑顔の後ろに、昔サガに感じたのと同じ闇が見えた。
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それにしても今日は寒かったですね(>x<)
寒い時には温泉!温泉とくればサガ!アイオロスとサガにも温泉旅行に行かせたいココロ!