星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
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オリジンネタでツイッターの名刺メーカーより
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「なあ、これ見てみろよ」
 と、カノンが読んでいた本をサガへと差し出した。子供向けの異教の本だ。ここはアテナの聖域だが、知見を深めるためにと、シオンは特に他教の文化を禁じていない。大きな挿絵には神の子の生誕が描かれている。
 おごそかなる厩のなかで、聖なる赤子を天使が見守り、人は跪き、空には明るい星が流れていた。
「特別な子供が生まれる時、星がそれを知らせたんだってさ。オレたちのときと一緒だな」
『特別な子供』という部分に力を込めて、誇らしげにカノンは言う。
「この子は神の子だ。わたしたちのはただ、先触れだ」
 苦笑しつつ、サガは答える。
「じゃあ、アテナの時も、星が流れるのかな」
「そうかもしれない」
「だけど、アテナが地上へ来る前に、オレたちが地上を救えば、オレたちが救世主だろ」
 サガは目をぱちりとさせて、カノンの顔をみる。未来の双子座も、今はまだ互いに幼い。
「アテナの代わりに、救世主に?」
「うん」

 器の弟をみつめながら、なるほど、それはいいかもしれないと、サガの中の影は考えた。

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ツイッターはどんどん流れて行ってしまう事に気が付いた(>M<)
エピ0ネタ含むサガとアイオロス
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人の気配を感じて、サガは目を開けた。
ここは双児宮の入り口ちかくの通路で、日当たりも良く、サガのお気にいりの場所だ。空いた時間などには、柱の根元に腰を下ろして思索にふけったり、漫然と景色を眺めて過ごすことも多い。
時にうたた寝を楽しむこともあるが、通行人がやってくるとなれば、敷地に入る前から察知して眼を覚ます。そうでなければ、宮の守護は務まらない。
だが、動くこともなく侵入者を迎えたのは、感じ取った相手の小宇宙が、旧知の友のものだからであった。射手座のアイオロス。かつて汚名を被せて殺した相手は、近づくにつれ、公道の真ん中を外れてサガの方へと行先を変えた。
「やあサガ、今日の目覚めはいいようだな」
アイオロスは親しげに話しかけてくる。サガは柱を背にしたまま見上げて苦笑した。
「寝ていないぞ」
「そうだな。寝起きのお前を見ることが出来たのは、1度くらいしかない」
確かにサガが人前で寝姿をさらすことはまれである。十数年前、己の中の悪心に悩まされ憔悴していたころに、ここで少し休むつもりが意識を落としてしまった事があった。結局悪夢で眼を覚まし、その時にアイオロスが心配をしてくれたのだ。
おまえは教皇となる大事な身体であるからと。
サガの笑みはさらに苦いものを含んだ。そのときの話であることは明白であった。
「あのときは、すまない」
「いいのだ。もうおまえは逃げないのだから」
アイオロスは、自然なしぐさで隣へ腰を落とす。
言葉でも、行動でも、逃がすつもりがないではないかとサガは思ったが、「顔に出ているぞ」と言われたので「顔に出したのだ」と言い返した。
そこでようやく二人は昔のように表情を緩めた。
しばらくの無言のあと、先に語りかけたのはサガであった。
「…あの頃のわたしは、本当の自分を、お前に見せることができなかった」
アイオロスは黙って友の言葉に耳を傾けている。
「おまえに、失望されたくなかった」
「……」
「おまえの尊敬に相応しい人間になりたかった」
「……」
「そんなつまらない私情のために、邪心の暴走をゆるし、お前やシオン様を死なせてしまった」
「……」
「すまない。わたしは、おまえの友として、相応しい人間ではない」
ゆっくりと、しかし淀みなく言い切り、サガは前を向いた。宮の門構えの向こうに、十二宮の岩肌と、まばらに緑なす低木が見える。
横で今度はアイオロスが苦笑した。
「サガ、私は…いや、俺は、今でもおまえの性根の美しさを、友として誇りに思っている」
「……」
「俺は、人を見る目には自信があるぞ」
「……」
「それに、俺たちの苦難は、きっと意味のあることなのだ」
アイオロスは少しだけ隣へにじり寄ると、サガの顔を覗き込む。
「また、やりなおそう」
「……おまえは」
一拍おいて、サガが深呼吸ののちに応える。
「…わたしに甘すぎる」
自然と触れ合った互いの手は、小指を絡ませて約束の形をとった。

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…という甘酸っぱい友情のやりとりが、双子宮の入り口近辺でなされていたために、外出できなくてイライラしていたカノンが、同じく通行を遠慮していた蟹に八つ当たりして飲み会が始まる話の方がメインだったんです本当は(>M<)

今日もぱちぱち有難うございます!毎日の元気の素です!
明けましておめでとうございます!
宿泊業は年末年始も激務ですが、人手も足りてませんが、がんばるぞー
その前にいつもの新年聖域妄想エピGA設定(>ω<)
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新年はアテナへの挨拶のため、聖闘士や神官たちが世界中から聖域につどう。
アテナの降臨は聖戦にあわせて二百数十年に1度だ。そのため、貴重な現界期間は式典も大がかりとなるのは仕方ない。戦う者たちも、それを補佐する者たちも、皆がアテナの威光と地上の平和を祝うのだ。
そんなわけで、元旦からアテナは忙しいのだが、本格的な儀式が始まる前の朝ごろ、アテナと親しい青銅聖闘士たちは先駆けて12宮を登る。
厳しい階級制度の聖域で、聖闘士のなかでは最下位の青銅が真っ先に目通りをするというのは、慣例では無い。
これはアテナとしての仕事のまえに、沙織としての時間を持たせてあげようという、周囲のささやかな配慮であった。
そして、青銅聖闘士たちは各宮を通る時に、当然ながら守護者へも挨拶をする。
双児宮の主は、それを楽しみにしているひとりだ。

昨年は酉年ということで、鶏の被り物をしたコクトー姿で出迎えたサガであった。
星矢から日本の干支の存在を教えてもらって以来、それに合わせた出迎えをしている彼は、日本びいきというより星矢びいきである。
もうひとりの双児宮の住人カノンは、それに呆れつつも、星矢が持ってくる干支あわせの土産はわりと楽しみにしている。普段は厳格な兄の浮かれっぷりも、最近は流石に慣れてきたところだ。

今年はどのように迎えるつもりだろうか…とリビングで待っていたカノンの前に、現れたサガは今年もコクトーの姿をしていた。
「…サガ、今年は酉年ではないぞ」
毎年この交流に付き合っているカノンも、いつの間にか干支を覚えていた。
門前の小僧習わぬ経を読む。
しかし、弟のツッコミに対して、サガは得意げに主張したのであった。
「フッ、カノンよ。お前は大事な事を忘れてはいまいか」
「なんだそのパンドラ口調」
「このコクトーの額に乗るのはケルベロス…つまり犬。今年もわたしの年と言って過言ではないのである」
「いや過言だろ…それに地獄の番犬は新年向きの犬だろうか…」
「ケルベロスは三つ首。古来3というのは縁起の良い数だ。ギリシア的に言えば真・善・美、キリスト教圏では父と子と聖霊の三位一体が…」
星矢の来訪に浮かれているという理由だけでなく、どうもコクトー形態のサガは、畜生状態なだけあって、頭のネジが1本ゆるくなっている気がするとカノンは思った。
そんな胸の内を読み取ったのか、単に気まぐれでか、コクトー姿のサガは羽ばたいてカノンの肩へと飛来した。ちいさな顔を耳元へよせて、そっと鳴くように告げる。
「カノン、わたしはな。ハーデスの走狗であった時には、このような屈辱は二度とごめんだと思っていた。しかし、神鳥としてお前とアテナの走狗をするのは、悪くない気分でいる。たとえ18歳のもっとも輝かしい肉体でなくとも、鳥でも、狗でも」
「…そうか、良かったな」
カノンが指先でコクトー頭上のケルベロスを撫でると、三つの頭たちは次々に「あけましておめでとうー」「おめでとうー」と鳴きだした。

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へっぽこな拙宅ですが、今年も宜しくお願い致します(>ω<)
夜も更けて日付が更新されるころの双児宮
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いつもと変わらぬ夕食を平らげたあと、サガが小さなケーキを皿にのせて持ってきた。テーブルに置かれたそれを覗きこめば、表面に粉砂糖で西暦の数字が描かれている。
素朴に焼かれただけの丸型ケーキは、ヴァシロピタであった。
ケーキの中にコインを入れ、切り分けられた中からそれを引き当てた者は、その年は幸運であるといわれている。ギリシアの新年の風習の1つだ。
しかし、そんなものを兄弟二人で食うのは、いったい何年越しであろうか。
「コイン2枚じゃないだろうな?」
思わず確認したのは、過去にサガがそうしたことがあるからだ。
まだ幼かったサガは、1つしかない聖衣になぞらえて、二人ともにコインが来るようにと願ったのだろう。本来1つだけ入れるコインを2つ詰めたのだ。
今ならそこに籠められた優しさも汲める。
しかし、当時のオレは、スペアの身を憐れまれたような気がした。
それで、無言でコインを床に叩きつけたのだ。サガは悲しそうな顔をしたものの、何も言わなかった。互いの擦れ違いを象徴するような記憶の1つだ。

サガはテーブルの上で、まず女神の分をお供え用に切り分け、それから残りを2つに分ける。
「あのときは失敗したからな。聖闘士たるもの、同じ間違いはしない」
ふふと笑って、どちらかを選ぶよう勧めてくる。
超常の力を使えば、どちらにコインが入っているかなど簡単に判るのだが、当然そんなものは封印だ。ちょっとばかり大き目に見える方を選ぶと、サガがそれを小皿に取分けて、オレの前に置いた。
「おまえとわたしに、アテナの加護がありますように」
そんなことを言いながら、サガは己の分も取分けて椅子に座る。
心ばかりオレもアテナに祈り、ケーキへフォークを差し入れると、さっそく先端に当たるものがある。
「アテナはオレに微笑んだようだぞ」
勝ち誇ってコインを取り出して卓上に置くと、サガはもぐもぐとケーキを食しながら、己のケーキからもコインを取り出してみせた。
「おま、2枚ではないと言ったではないか!」
子供の頃のような怒りはないが、先ほどの言葉との齟齬に、思わずつっこむ。
サガは口の中のケーキを上品に飲みこんだあと、心外だと言う顔をした。
「そんなことは言っていないが、2枚では無い」
「は?」
目の前でケーキの端を切り崩し、サガは更にコインを1枚掘り当てて見せる。
「ヴァシロピタは、大勢で楽しむ分にはよいが、二人で行うとどうしても…片方だけが選ばれるような気がしてならない。それゆえ、コインを増やしたのだ」
「……それ、有りなのか?」
そういえばサガはこういう奴だった。
頑固で、勝手で、まっすぐで、自分を曲げる位なら現状を変える。
兄はにこにこと笑顔でオレをみた。
邪気のない、それでいて悪戯っぽい笑顔だ。
「掘り当てたコインの多い方が、より女神に愛されているということで良いか」
「おいまて、何だその突然のマイルールは」
「あと、掘り出した分が互いのお年玉だ」
「それは少なすぎないか」
文句を言いながら、オレも笑っていた。
たとえケーキのなかにコインがなくても、オレたちはもう大丈夫なのだ。

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今年は本当に公式からの供給的な意味で良い年でした…
来年も供給が約束されている幸せ(>▽<)ノ
そして、拙宅のような隅っこサイトに足をお運び下さった皆様にも心より御礼申し上げます。来年もよろしくお願いいたします(ぺこ)

いいただいたケーキにくっついていた装飾用のアイシングが、双子神(五芒星と六芒星)だったので思わず写真を撮りました(>▽<)

毎年言ってますけど、拙宅では双子神やハーデスをクリスマスパーティーに参加させようとすると「なぜ我々が知り合いでもない神の生誕祭を祝わねばならぬ…しかも常緑樹など冥界の意義と真逆のシンボルで…」などと言い出すので、冥闘士は「忘年会です」「慰労会です」と誤魔化し、ポセイドン様は「これは私に由来のある行事(冬至に恵みをもたらす神として)ゆえ気にするな」と主張し、アテナは…アテナは双子神を呼ばないかな。聖域のみんなが寛いで楽しめるお祝いを目指しますよね。ハーデスや双子神いたらおっかないですもんね(>M<。)

あ、エピGAのなかの聖域&冥界で同盟結んだ世界だけは別です。でもあの世界はアテナが死んでアイオロスがアイオリアを殺してるので、ゼウスを退けてもお祝いなんてやってる場合じゃなかった。
別世界アテナのヨシノちゃんは神社育ちなのでクリスマス経験してないかな?でもアルデバランパパもシャイナさんママも娘には甘そうだから、何か誤魔化して別のスタイルでやってあげてそうだなあ…
氷河と瞬はナターシャちゃんの枕元にサンタクロースを装ってプレゼント置いてそうな気が。というかそうしてあげて欲しい(>▽<)
コクトーも頭にサンタの帽子被せられてコスプレ状態になってて欲しい!
でも考えてみるとそれ、全裸のサガがサンタ帽子だけ被ってるのと一緒…

で、突然ですが、御大が聖闘士聖衣大全のインタビューにおいて『もしアイオロスまで生き返らせたら、絶対にサガと対立しそうな気がするんだよ。「両雄並び立たず」だね(笑)』と、おっしゃっておられましたよね。
御大のいう対立というのは、別に喧嘩するとかそういうのではなくて、両方とも頂点に立つ男だから、存在がぶつかって物語の中でどうしても対立軸の位置にくるとか、そういう意味だと思うんです(>ω<)

たとえばリンかけの剣崎順と高嶺竜児、男坂の仁義と武島は、別に仲が悪いわけじゃないですよね。でも頂点をかけてぶつかる関係にある。サガとアイオロスもそういう二人だったんじゃないかなって…
しかし、サガとアイオロスは、両雄でありながら、お互い信頼し合う友であったというのがまた、美味しいなと思う部分です(>▽<)/
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「アイオロス、覚えているか?おまえは昔、わたしに対して、教皇となる大事な体と言ってくれた」
「覚えている。あの時はオレの迂闊な言動で君を傷つけた」
「おまえは悪くない。あれは全てわたしの内面に原因のあること。そして今度はわたしに言わせてほしい。おまえは大事な体なのだと」
「サガ…」
「だから、上着を着て欲しいのだが」
「半裸(これ)はオレの戦闘服だよ?君は全裸が礼装だろう?」
「もう一人の≪わたし≫と一緒にするなー!」

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聖戦後の復活妄想で、両雄であるという部分を更に乗り越えて、聖域の双璧となれたら、ほんとアテナの聖域は盤石になるはず!青銅5人も頼もしく成長するでしょうし、後継者みつかった黄金聖闘士も安心です。
…という未来のために、黄金聖闘士の復活は横へ置いても、まず星矢の胸からハーデスの剣を早く消さないと。来年の年越しは車椅子から脱却した星矢を拝めるといいなあ。
…再来年かな(>▽<;)

あと、黄金復活なしだと教皇不在問題が発生するので、現状でどこかの神などから攻められたとき大変だと思うんです。アテナも青銅4人も過去へ足を運んでいて不在ですし。
青銅5人は黄金の後継者なので、このなかから選ぶということにもしなると、紫龍になるのかな?アイオロスもサガも14~5歳で選抜され、教皇職をこなしてるので、年齢的には問題ないと思いますが、まだまだ紫龍は青銅らしい未熟さがあるので、急には無理かなとも思うんですよね。
また、青銅の子たちはみな同じラインで戦闘の前線に立って、お互い支え合いつつ活躍してほしいので、教皇はまた別のキャラになればいいのになあという読者目線もあります。
ND早く続きを読みたいな~(>ω<)

今日もぱちぱち有難うございます!毎日の癒しです。
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