星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
「ただいま、カノン」
「おかえり兄さ…ってどうしたんだ、おい」
外出から帰って来たサガの顔には見事な青痣があり、秀麗な顔立ちゆえに悲惨さが際立っていた。良く見ると左腕上腕には真新しい包帯が巻かれている。止血はされているようだが、戦士であるカノンは一目で怪我の程度を見抜き、顔をしかめた。
サガは防御にも秀でている。相手の攻撃を無効化したり、逸らしたり、跳ね返したり、そもそも攻撃を当てることが難しい。傷をおうことなど滅多にないのだ。
「お前に傷を負わせるとは、大した奴だな。当然、仕留めたのだろうな?」
それでも、サガが負けたとは微塵も想定していないカノンである。
「いや…稽古ゆえ、仕留めるとかそういう事はしない」
「はあ!?」
そういえば今日は内勤の日程であったことを、今更ながらカノンは思い出した。相手が敵ではないのなら、何故そこまでの怪我になっているのだろうか。
ふと、カノンはある可能性に思い至り、眉間にしわを寄せる。
「おまえに恨みを持つ人間に、わざとやられたのか」
それならば、サガがわざと受けることはありえそうだ。そして私闘禁止の咎が相手に及ばぬよう、稽古を主張することも。
しかしサガは不思議そうな顔をしたあと、少し考えて微妙な返事をした。
「いや…わざとではないのだが…わざとになるのだろうか…恨まれても当然と思うが、そうでもないような…」
「ハッキリしないな!相手は誰だ」
「アイオロス」
「はああああ!?」
思わず声を荒げたカノンであった。
「休憩時間に彼と聖衣をまとって稽古をしたのだが、お互い結構のめりこんでしまって、アイオロスなど神聖衣化してしまったのだ」
「……それで?」
「途中、彼の矢がわたしの左上腕の、聖衣のない場所を狙ってきてな…それで、本当にアイオロスが矢をわたしに向けているのだと思ったら、嬉しくなってしまって、射手座の神聖衣はきれいだし、見惚れてつい避けそこねた…失敗した」
「バカか!?」
矢の狙いどころが判ったということは、サガの予測能力もあるが、アイオロスがわざとそうしたのだ。サガならば避けられると思って。
己の放った矢がサガを貫いたときの、アイオロスの顔が想像出来るようだ。
「アイオロスにも心配をかけてしまった…彼が駆け寄ってきたとき、そういえば彼の誕生日だったことを思い出して『おめでとう、アイオロス』と言ったら、何故か殴られて…戦闘で手を抜いたと思われたのだろうか」
「……オレでも殴る」
それで顔にまで痣があるのか。カノンは頭を抱えた。
アイオロスのことは好きではないが、今一つ嫌いになれないのは、どう考えても兄の被害に遭っているのが毎回アイオロスの側だからであった。
「今からでもちゃんと謝って、もう1度祝い直して来い!もう二度とわざと負けたりはしないと!」
「いや、矢を受けたごときで負ける気はなかったが」
「おまえな…まて、それもちゃんと伝えてこい。あいつ絶対誤解している」
射手座への贖罪として、サガが己の誕生日にわざと射られ、勝ちを譲ったのだと。
滔々と弟に説明を受けたサガは、神妙な顔つきになりながらも、フッと笑顔を見せた。
「だがな、アイオロスが怒るところは滅多に見れないのだぞ。怒った彼も恰好良かった」
付き合ってもいないのに、下手をしたら惚気にしか聞こえない。
これは全然反省してないと判断して、弟は盛大に溜息をついた。
=================================
なんかゲームのゾディアックブレイブの新キャラに、神聖衣のアイオロスが登場したんですけど、サガに対してだけ威力の増す特攻持ってるんですね。
サガに対して攻撃力が増すのか(要因アイオロス側)、サガがダメージを深く受けるのか(要因サガ側)、どちらでも美味しすぎる!と思ってSS妄想してみましたが、サガが駄目タイプになってしまいました(>M<;)
いやでもアイオロスは本当に恰好いいので、サガが見惚れても仕方がない。
仕方がないんです!(二度目)
今日もぱちぱち有難うございます。毎日のエネルギー源です(>w<)
「おかえり兄さ…ってどうしたんだ、おい」
外出から帰って来たサガの顔には見事な青痣があり、秀麗な顔立ちゆえに悲惨さが際立っていた。良く見ると左腕上腕には真新しい包帯が巻かれている。止血はされているようだが、戦士であるカノンは一目で怪我の程度を見抜き、顔をしかめた。
サガは防御にも秀でている。相手の攻撃を無効化したり、逸らしたり、跳ね返したり、そもそも攻撃を当てることが難しい。傷をおうことなど滅多にないのだ。
「お前に傷を負わせるとは、大した奴だな。当然、仕留めたのだろうな?」
それでも、サガが負けたとは微塵も想定していないカノンである。
「いや…稽古ゆえ、仕留めるとかそういう事はしない」
「はあ!?」
そういえば今日は内勤の日程であったことを、今更ながらカノンは思い出した。相手が敵ではないのなら、何故そこまでの怪我になっているのだろうか。
ふと、カノンはある可能性に思い至り、眉間にしわを寄せる。
「おまえに恨みを持つ人間に、わざとやられたのか」
それならば、サガがわざと受けることはありえそうだ。そして私闘禁止の咎が相手に及ばぬよう、稽古を主張することも。
しかしサガは不思議そうな顔をしたあと、少し考えて微妙な返事をした。
「いや…わざとではないのだが…わざとになるのだろうか…恨まれても当然と思うが、そうでもないような…」
「ハッキリしないな!相手は誰だ」
「アイオロス」
「はああああ!?」
思わず声を荒げたカノンであった。
「休憩時間に彼と聖衣をまとって稽古をしたのだが、お互い結構のめりこんでしまって、アイオロスなど神聖衣化してしまったのだ」
「……それで?」
「途中、彼の矢がわたしの左上腕の、聖衣のない場所を狙ってきてな…それで、本当にアイオロスが矢をわたしに向けているのだと思ったら、嬉しくなってしまって、射手座の神聖衣はきれいだし、見惚れてつい避けそこねた…失敗した」
「バカか!?」
矢の狙いどころが判ったということは、サガの予測能力もあるが、アイオロスがわざとそうしたのだ。サガならば避けられると思って。
己の放った矢がサガを貫いたときの、アイオロスの顔が想像出来るようだ。
「アイオロスにも心配をかけてしまった…彼が駆け寄ってきたとき、そういえば彼の誕生日だったことを思い出して『おめでとう、アイオロス』と言ったら、何故か殴られて…戦闘で手を抜いたと思われたのだろうか」
「……オレでも殴る」
それで顔にまで痣があるのか。カノンは頭を抱えた。
アイオロスのことは好きではないが、今一つ嫌いになれないのは、どう考えても兄の被害に遭っているのが毎回アイオロスの側だからであった。
「今からでもちゃんと謝って、もう1度祝い直して来い!もう二度とわざと負けたりはしないと!」
「いや、矢を受けたごときで負ける気はなかったが」
「おまえな…まて、それもちゃんと伝えてこい。あいつ絶対誤解している」
射手座への贖罪として、サガが己の誕生日にわざと射られ、勝ちを譲ったのだと。
滔々と弟に説明を受けたサガは、神妙な顔つきになりながらも、フッと笑顔を見せた。
「だがな、アイオロスが怒るところは滅多に見れないのだぞ。怒った彼も恰好良かった」
付き合ってもいないのに、下手をしたら惚気にしか聞こえない。
これは全然反省してないと判断して、弟は盛大に溜息をついた。
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なんかゲームのゾディアックブレイブの新キャラに、神聖衣のアイオロスが登場したんですけど、サガに対してだけ威力の増す特攻持ってるんですね。
サガに対して攻撃力が増すのか(要因アイオロス側)、サガがダメージを深く受けるのか(要因サガ側)、どちらでも美味しすぎる!と思ってSS妄想してみましたが、サガが駄目タイプになってしまいました(>M<;)
いやでもアイオロスは本当に恰好いいので、サガが見惚れても仕方がない。
仕方がないんです!(二度目)
今日もぱちぱち有難うございます。毎日のエネルギー源です(>w<)
「サガよ、おまえの目標はアイオロスを越える事かもしれないが、オレの目標はおまえを超えることなのだからな」
とカノンが突然言い出した。ソファーにどっかりと座り、視線は手にした雑誌に向けたままである。
サガは二人分のホットワインを手に台所から出て来たところであったが、まじまじとカノンを見て、とりあえずそのワインをソファー前のテーブルへ置いた。
「確かにかつてのわたしの目標はそうだった。教皇となるために、それは必要なことであったから」
カノンのとなりへ、並ぶようにしてサガも腰を下ろす。
「今は違う。わたしの目標は、わたしの中にある。わたしは、わたし自身に打ち勝ちたい」
女神の盾をもってして、ようやく切り離されたサガの中の悪。本来は自分自身で乗り越えるべきことだったとサガは思っている。抵抗はしつづけた。けれども勝てなかったことが、自害に相当する己の罪なのだという認識は変わっていない。
「だから、わたしなどよりも大きな目標を持ってほしい」
苦笑しながらワイングラスを手にした兄の言葉をどう聞いたのか、カノンは雑誌を両手でぱしんと閉じた。
「人間は善と悪の両方を持っている。どちらかがどちらかに完全に勝つなんてのは、結局無理だ。オレはそのことを良く実感している」
「そうだろうか」
「なのに、おまえが善悪のバランスを崩したのは、オレが悪を囁き続けたせいもある。そうでなきゃ、石頭のおまえが偏るわけない」
「石頭は余計だ」
小さな抗議を無視して、カノンも目の前のワイングラスを指先で掴む。
「だからな、今度はオレが善を囁けば、わりとおまえの目標は簡単に叶うのではないか?善に偏ればいいんだろう?」
どこか得意そうに主張しだしたカノンを、サガはぽかんとした顔で見つめ返した。
「目標を叶えたおまえを、オレが越える。小さな目標だとは思わんな」
「…おまえは」
「善の側に、アテナの側に、つまりオレの側にずっといろよ」
ワイングラスのふちをサガの持つグラスに軽く当て、さっそくカノンは言動を一致させた。
とカノンが突然言い出した。ソファーにどっかりと座り、視線は手にした雑誌に向けたままである。
サガは二人分のホットワインを手に台所から出て来たところであったが、まじまじとカノンを見て、とりあえずそのワインをソファー前のテーブルへ置いた。
「確かにかつてのわたしの目標はそうだった。教皇となるために、それは必要なことであったから」
カノンのとなりへ、並ぶようにしてサガも腰を下ろす。
「今は違う。わたしの目標は、わたしの中にある。わたしは、わたし自身に打ち勝ちたい」
女神の盾をもってして、ようやく切り離されたサガの中の悪。本来は自分自身で乗り越えるべきことだったとサガは思っている。抵抗はしつづけた。けれども勝てなかったことが、自害に相当する己の罪なのだという認識は変わっていない。
「だから、わたしなどよりも大きな目標を持ってほしい」
苦笑しながらワイングラスを手にした兄の言葉をどう聞いたのか、カノンは雑誌を両手でぱしんと閉じた。
「人間は善と悪の両方を持っている。どちらかがどちらかに完全に勝つなんてのは、結局無理だ。オレはそのことを良く実感している」
「そうだろうか」
「なのに、おまえが善悪のバランスを崩したのは、オレが悪を囁き続けたせいもある。そうでなきゃ、石頭のおまえが偏るわけない」
「石頭は余計だ」
小さな抗議を無視して、カノンも目の前のワイングラスを指先で掴む。
「だからな、今度はオレが善を囁けば、わりとおまえの目標は簡単に叶うのではないか?善に偏ればいいんだろう?」
どこか得意そうに主張しだしたカノンを、サガはぽかんとした顔で見つめ返した。
「目標を叶えたおまえを、オレが越える。小さな目標だとは思わんな」
「…おまえは」
「善の側に、アテナの側に、つまりオレの側にずっといろよ」
ワイングラスのふちをサガの持つグラスに軽く当て、さっそくカノンは言動を一致させた。
「今回は泊まり仕事になる。海界からの戻りは一週間後だな」
カノンが出かけがてら告げた。もう半分、海将軍としての顔になっている。
海将軍筆頭である彼が、無理を言って聖域から通っていることを知っているサガは、そのことについて文句を言うつもりはない。むしろ、一緒に暮らせる幸せに感謝しているくらいだ。
「わかった。丁度その頃に灯油が切れる。仕事帰りに申し訳ないが、町へ寄って買ってきて貰えまいか」
「ああ、代わりに留守の間の掃除や宮のことは頼んだぞ」
双児宮には、従者を置いていない。そのため、生活周りの事はできるだけ二人で片付けていた。元反逆者としての、ささやかな遠慮だった。
そのまま出かけようとしたカノンの服を、サガが掴む。
「なんだ?」
振り返ったカノンの前へ差し出されたのは、ちいさな水色の花だ。
「…その、単にわたしにとっての、気休めだが」
「忘れな草…?」
何気なく受け取ってから、カノンは花の名に気づいて笑った。海界へ行っても、聖域を、黄金聖闘士であることを、そして兄を忘れてくれるなという直積的な謎かけか。
「心配性だな、お前は」
言葉はそっけなかったものの、ひらりと手を振って十二宮を降りて行くカノンの顔には笑みが浮かんでいる。いつもこれくらい可愛げがあればいいのに、と胸元のポケットへ突っ込んだ花を見る。
仕事は長丁場となるだろうが、気分は晴れていた。
カノンを見送ったサガの横へ、いつの間に来ていたのか隣宮の主デスマスクが並んでいた。
「アンタにしちゃ、随分直球なことをしたもんですね」
勿論、カノンへ贈った花の事である。
「直接的過ぎたろうか…その、カノンを信頼していないわけではないのだが」
サガが顔をあからめる。朴念仁なサガのその反応も、珍しいもんだとデスマスクは思った。
(こんな男でも、弟の留守は寂しいものなんだろうか)
しかしサガが続けて
「カノンが、わたしの頼んだ買い物を忘れると困るなと思って」
と続けたので、漫才よろしくその場でずっこけたデスマスクであった。
同時に、罪作りな兄を持つカノンに深く同情を寄せたのであった。
カノンが出かけがてら告げた。もう半分、海将軍としての顔になっている。
海将軍筆頭である彼が、無理を言って聖域から通っていることを知っているサガは、そのことについて文句を言うつもりはない。むしろ、一緒に暮らせる幸せに感謝しているくらいだ。
「わかった。丁度その頃に灯油が切れる。仕事帰りに申し訳ないが、町へ寄って買ってきて貰えまいか」
「ああ、代わりに留守の間の掃除や宮のことは頼んだぞ」
双児宮には、従者を置いていない。そのため、生活周りの事はできるだけ二人で片付けていた。元反逆者としての、ささやかな遠慮だった。
そのまま出かけようとしたカノンの服を、サガが掴む。
「なんだ?」
振り返ったカノンの前へ差し出されたのは、ちいさな水色の花だ。
「…その、単にわたしにとっての、気休めだが」
「忘れな草…?」
何気なく受け取ってから、カノンは花の名に気づいて笑った。海界へ行っても、聖域を、黄金聖闘士であることを、そして兄を忘れてくれるなという直積的な謎かけか。
「心配性だな、お前は」
言葉はそっけなかったものの、ひらりと手を振って十二宮を降りて行くカノンの顔には笑みが浮かんでいる。いつもこれくらい可愛げがあればいいのに、と胸元のポケットへ突っ込んだ花を見る。
仕事は長丁場となるだろうが、気分は晴れていた。
カノンを見送ったサガの横へ、いつの間に来ていたのか隣宮の主デスマスクが並んでいた。
「アンタにしちゃ、随分直球なことをしたもんですね」
勿論、カノンへ贈った花の事である。
「直接的過ぎたろうか…その、カノンを信頼していないわけではないのだが」
サガが顔をあからめる。朴念仁なサガのその反応も、珍しいもんだとデスマスクは思った。
(こんな男でも、弟の留守は寂しいものなんだろうか)
しかしサガが続けて
「カノンが、わたしの頼んだ買い物を忘れると困るなと思って」
と続けたので、漫才よろしくその場でずっこけたデスマスクであった。
同時に、罪作りな兄を持つカノンに深く同情を寄せたのであった。
サガ「星矢にきいたのだが、今日はポッキーという菓子の日らしい」
カノン「知ってる。あと『チンアナゴ』の日な」
サガ「チンアナゴとは何だ?」
カノン「海底の砂穴に住むアナゴ科の魚だ」
サガ「ふむ…すると二つの題目を公平にこなすためには、チンアナゴを二人で頭尾両方から食せばよいのだろうか」
カノン「お前の公平感覚がたまに判らない」
=================================
サガ「公平といえば、そもそも本日はポッキーだけでなくプリッツの日でもあるのだ。にもかかわらず、大抵の場合ポッキーの日として略される。プリッツの立場を考えるとわたしは居たたまれない」
カノン「すごくどうでもいい。というか単に対象菓子の範囲を広げて購入させたい菓子企業の戦略なのではないか…?」
サガ「ではお前は『ジェミニの黄金聖闘士はサガ』とだけ認識されたらどう思うのだ。ジェミニはわたしとお前の二人であるにも関わらずだ。お前が可哀想だろう」
カノン「突然オレをディスるのはやめろ」
=================================
カノン「ちなみに中国では『光棍節(独身の日)』だ」
サガ「よく知っているな」
カノン「独身者同士がパートナーを探したり、プレゼントを贈ったりするそうだ」
サガ「ブラックデーと異なり、意外と前向きな日なのか」
カノン「オレも独身だ。そんなわけで、何かプレゼントをくれ」
サガ「突然言われても用意が…いや少し待て」
カノン「ん?何を取り出したかと思えば、ポッキーではないか」
サガ「お前と食すよう、星矢に貰ったのだ」
カノン「おまえ、プリッツ派じゃなかったのか?」
サガ「不満があるのならば、やらぬ」
カノン「いや、不満はないが…ポッキーを口に加えてこちらを向かれても、オレはどうしたらいいのだ」
カノン「知ってる。あと『チンアナゴ』の日な」
サガ「チンアナゴとは何だ?」
カノン「海底の砂穴に住むアナゴ科の魚だ」
サガ「ふむ…すると二つの題目を公平にこなすためには、チンアナゴを二人で頭尾両方から食せばよいのだろうか」
カノン「お前の公平感覚がたまに判らない」
=================================
サガ「公平といえば、そもそも本日はポッキーだけでなくプリッツの日でもあるのだ。にもかかわらず、大抵の場合ポッキーの日として略される。プリッツの立場を考えるとわたしは居たたまれない」
カノン「すごくどうでもいい。というか単に対象菓子の範囲を広げて購入させたい菓子企業の戦略なのではないか…?」
サガ「ではお前は『ジェミニの黄金聖闘士はサガ』とだけ認識されたらどう思うのだ。ジェミニはわたしとお前の二人であるにも関わらずだ。お前が可哀想だろう」
カノン「突然オレをディスるのはやめろ」
=================================
カノン「ちなみに中国では『光棍節(独身の日)』だ」
サガ「よく知っているな」
カノン「独身者同士がパートナーを探したり、プレゼントを贈ったりするそうだ」
サガ「ブラックデーと異なり、意外と前向きな日なのか」
カノン「オレも独身だ。そんなわけで、何かプレゼントをくれ」
サガ「突然言われても用意が…いや少し待て」
カノン「ん?何を取り出したかと思えば、ポッキーではないか」
サガ「お前と食すよう、星矢に貰ったのだ」
カノン「おまえ、プリッツ派じゃなかったのか?」
サガ「不満があるのならば、やらぬ」
カノン「いや、不満はないが…ポッキーを口に加えてこちらを向かれても、オレはどうしたらいいのだ」
あっ、ギャラクシースピリッツがβテストオープンしている!帰宅したら早速プレイせねばなるまい!
それはさておき、以下エピGネタバレありのSSなんですが、99%妄想なのをコクトーがいるだけでネタバレありって主張するのは気が引けるといいますか…そんな感じで、いつものごとく背景も設定も適当です(>ω<)
=================================
双子の兄が生き返ったと聞いてからの、この湧きあがる感情をどう説明したらいいだろうか。
サガが控えているという女神神殿へ向かう足は知らず早まる。
兄は今まで何度も蘇生しているらしいが(太陽神と戦ったり、北欧神と戦ったり、だそうだ)オレが出会えたのはハーデスとの聖戦のときのみだ。
その時のサガは敵側に身を置いていたものだから、ほとんど言葉は交わせていないし、交わせた言葉も互いに乱暴なものだった。
最終的には和解のようなものはあった(と思う)けれども、それは戦時におけるジェミニとしての信頼感というようなもので、いきなり平穏に向き合うとなったら、いったいどんな顔を向ければいいのだ。
やはり無難に『おかえり』か?いや、もっと叩きつけたい言葉が沢山あったはずだ。そう思うのに、いざ想いを形にしようとすると言葉が浮かばない。神であるポセイドン相手のときですら、咄嗟にあれだけぺらぺらと嘘偽りの言葉が出たと言うのに。
いっそ、出会いがしらに殴ってやるか?素直に殴られるサガとは思えないが、むしろ殴り返されそうな気はするが、それくらいしても良いような気がする。
ほとんど駆け足になりながら、門番への声掛けもそこそこに神殿へ飛び込むと、そこに居たのはアテナとフクロウであった。
「よく来ましたね、カノン。サガも待ちわびていたようですよ」
アテナが優美に微笑みながら言えば、隣でフクロウが
「わたしどもの為にアテナにお気遣いを頂き、恐縮にございます」
などと答えている。
………ちょっと待て。
いちおう、感無量に抱きしめるという選択肢だって用意していないこともなかったんだが、鳥類になった兄とどう対面するかなんて、事前に想定できる奴がいたら教えてもらいたい。
いや、落ち着いて考えれば、これが兄だと判るオレも凄いのではないか。ふつう人はフクロウにならない(ふつう人は生き返らないという部分は横へ置いておく)
呆然と口を開いているオレの肩に、兄が羽ばたいて飛んできた。
『カノン、この度わたしは事情あってアテナの神鳥となっている』
どこか自慢げ聞こえるのは、おそらく気のせいではないだろう。
よく見るとただのフクロウではなく、頭に何か三つ首の生き物が乗っている。まさかケルベロスか。まともな鳥類ですらなかった。
「どうして、お前はいつも、そう非常識なのだ、サガ!!!」
アテナの御前にもかかわらず叫んでしまったことも、折角の兄弟再会の第一声がこんなセリフになってしまったことも、オレが悪いのではないと思う。
なのに『神使たるこの身が羨ましいか?』などとすっとぼけた返事がかえってきたものだから、オレはフクロウの頭をぐりぐり指先で押さえつけてやった(そのあと頭上の生き物に指を噛まれた)。
それはさておき、以下エピGネタバレありのSSなんですが、99%妄想なのをコクトーがいるだけでネタバレありって主張するのは気が引けるといいますか…そんな感じで、いつものごとく背景も設定も適当です(>ω<)
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双子の兄が生き返ったと聞いてからの、この湧きあがる感情をどう説明したらいいだろうか。
サガが控えているという女神神殿へ向かう足は知らず早まる。
兄は今まで何度も蘇生しているらしいが(太陽神と戦ったり、北欧神と戦ったり、だそうだ)オレが出会えたのはハーデスとの聖戦のときのみだ。
その時のサガは敵側に身を置いていたものだから、ほとんど言葉は交わせていないし、交わせた言葉も互いに乱暴なものだった。
最終的には和解のようなものはあった(と思う)けれども、それは戦時におけるジェミニとしての信頼感というようなもので、いきなり平穏に向き合うとなったら、いったいどんな顔を向ければいいのだ。
やはり無難に『おかえり』か?いや、もっと叩きつけたい言葉が沢山あったはずだ。そう思うのに、いざ想いを形にしようとすると言葉が浮かばない。神であるポセイドン相手のときですら、咄嗟にあれだけぺらぺらと嘘偽りの言葉が出たと言うのに。
いっそ、出会いがしらに殴ってやるか?素直に殴られるサガとは思えないが、むしろ殴り返されそうな気はするが、それくらいしても良いような気がする。
ほとんど駆け足になりながら、門番への声掛けもそこそこに神殿へ飛び込むと、そこに居たのはアテナとフクロウであった。
「よく来ましたね、カノン。サガも待ちわびていたようですよ」
アテナが優美に微笑みながら言えば、隣でフクロウが
「わたしどもの為にアテナにお気遣いを頂き、恐縮にございます」
などと答えている。
………ちょっと待て。
いちおう、感無量に抱きしめるという選択肢だって用意していないこともなかったんだが、鳥類になった兄とどう対面するかなんて、事前に想定できる奴がいたら教えてもらいたい。
いや、落ち着いて考えれば、これが兄だと判るオレも凄いのではないか。ふつう人はフクロウにならない(ふつう人は生き返らないという部分は横へ置いておく)
呆然と口を開いているオレの肩に、兄が羽ばたいて飛んできた。
『カノン、この度わたしは事情あってアテナの神鳥となっている』
どこか自慢げ聞こえるのは、おそらく気のせいではないだろう。
よく見るとただのフクロウではなく、頭に何か三つ首の生き物が乗っている。まさかケルベロスか。まともな鳥類ですらなかった。
「どうして、お前はいつも、そう非常識なのだ、サガ!!!」
アテナの御前にもかかわらず叫んでしまったことも、折角の兄弟再会の第一声がこんなセリフになってしまったことも、オレが悪いのではないと思う。
なのに『神使たるこの身が羨ましいか?』などとすっとぼけた返事がかえってきたものだから、オレはフクロウの頭をぐりぐり指先で押さえつけてやった(そのあと頭上の生き物に指を噛まれた)。