今使っている忍者ブログの管理画面に出てくる広告に、「38歳に見えない彼女愛用」という化粧品広告があるのですが、38歳部分だけ色違いで文字が小さくなっているので、「見えない彼女愛用」という表記に見えて、何だか脳内彼女用のようです。
どうでもいいですが、28歳に見えない彼氏(サガ)と23歳に見えない彼氏(ラダマンティス)だと用法が逆ですよね。TVアニメの一輝兄さんは絶対年齢詐称だと思うココロ。
それはさておき、今日も脳内カノサガ妄想。
=============================
蘇生されて文字通り生まれ変わったあとは、夢のような生活だった。
同じように生き返った兄のサガとともに聖域を出て家を探し、そこで二人暮しを始める。質素ながらも地に足のついた生活。サガは優しかった。オレが頼めば何でも言う事を聞いてくれた。兄弟としては許されない禁忌の領域の秘め事まで。失われた13年間を取り戻すかのように、オレはサガを貪った。
「お前が望むのなら」
サガはいつも微笑んでいた。
しかし、ほどなくしてオレは気づいた。サガは「お前が望むのなら」と言いはしても、「わたしが望むから」とは言わないのだ。絶対に。
その事に気づいた時、オレは少しだけ傷ついた。
「お前の望みは何だ?」と尋ねた事もある。サガの返事は決まって「これ以上望む事など何もない」だった。
ある日、アイオロスが家を訪ねてきた。新居の住所は誰にも話していなかったというのに、どこから情報を得たのだろう。
「ね、サガ。たまには俺とも遊びに行こうよ」
出された珈琲を飲みながら、そんな事を言っている。
「お前が望むのなら」
サガがアイオロスへもそう返したのを聞いたとき、オレはサガが壊れていることに気が付いた。
外出から戻ったサガをつれて、オレは家を出た。次の住まいは海界にしよう。誰も尋ねてこれないような、深い深い海の底で、ひっそりと二人だけで暮らそう。オレの提案にもサガは微笑んで頷いた。
それからは、静かな生活が始まった。毎日が穏やかに過ぎていく。サガは珊瑚の野原がいたくお気に入りで、毎朝の散策コースになっている。食事の担当はオレで、掃除や洗濯の担当はサガだ。サガの狂気は一向に治る様相はなかったけれども、医師に見せるつもりもなかった。誇り高いサガが、内面を他人にさらけ出すような治療など、望むはずもあるまいと思ったからだ。
サガを抱き寄せて、ついばむように口付けると、ゆっくりとだがサガは応えてくれる。一方通行の愛情でも構わない。少なくともサガはオレだけのものだ。
「愛している」
ある朝そう言うと、サガは突然微笑むのをやめた。そしてじっとオレを見た。
「初めて聞いた」
「そうだったか?」
オレはサガの変化に少し驚きながらも、言われて見るとそうかもしれないと考えた。言葉などなくとも通じているだろうと思っていたし、狂ったサガに伝えても通じないだろうとも思っていたような気がする。
「では、今までの生活は、わたしへの罰ではなかったのか」
「サガ」
熱い塊が腹の奥からせりあがり、喉を焦がし言葉を失わせる。
それが怒りだと気づいたのは、少したってからだ。
「カノン、わたしはお前がずっと憎んでいるのだと思っていた」
サガはそう言って窓の外の空を見上げた。
それなら、本当に憎んで、お前を壊してやる。
その決意は、いつの間にか零れ落ちた涙とともに、家の床へと染みこんだ。
=============================
しょんぼり双子パターン。今日もぱちぱち有難う御座います(>ω<)