星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
[1620]  [1619]  [1618]  [1617]  [1616]  [1615]  [1614]  [1613]  [1612]  [1611]  [1610
やた!弟に頼んでいたミュージカル星矢のチケットがとれました!
…あとはその日に仕事を休めるかが難問です(>ω<)

アスぷとレグルス交流SS
============================

「なるほど、たいしたものだ」
アスプロスは素直に感嘆した。
まだ少年のレグルスが、自分の動きを視線で追っていたかと思うと、すぐさまトレースしてみせたからだ。
ふるって見せたのは、光速拳を使った衝撃波で地面を削るという一種の陽動技だが、いくら黄金聖闘士であるとはいえ、簡単に出来るものではない。
(血筋か?)
レグルスは前獅子座イリアスの遺児だという。射手座のシジフォスは、そのイリアスの弟である。これだけ揃うと、努力を超えた才能というものがあると言うほかない。
「目を凝らすと、相手の動きが掴めるんだ」
褒められたレグルスが、嬉しそうに笑う。
「でも、シジフォスは目に頼るなって。アスミタみたいになれってことかな」
無邪気に首を傾げている様子は、何も知らぬ者が見れば、ただの子供にしか見えないだろう。
アスプロスは微笑んだ。判りやすい相手は好きだ。レグルスの視線は一挙足動を全て仔細に捉えるが、捉えるのは動作だけのこと。こちらの内面を読まれることはないし、逆にレグルスの心情は隠されていない。
「レグルス。闘士を相手にするのならば、物理的な動きだけではなく、小宇宙も読まなければ」
珍しく示唆したのは、レグルスを気に入ったからである。
「小宇宙だって見える」
「そうか?では、これはどうだ」
アスプロスがレグルスに向かって腕を一閃すると、レグルスの周囲の空間がゆがんだ。見える景色は捻じ曲がり、平衡感覚は失われる。
「お前の周囲の光を曲げた。目に入ってくる情報が正しくないとなったら、どうする?」
突然の異変に驚いているレグルスは、それでも目を凝らした。
「ゆがみなら追える。どう歪んでいるかわかれば、歪ませている力の元を辿れば…こうして!」
ねじれた空間の隙間から、空間に干渉しているアスプロスの小宇宙を正確に読み取り、驚いたことにその小宇宙を遡って、直接アスプロスに攻撃をしかけてきた。
むろん、まだそれは先輩のアスプロスに届くものではなく、易々と左拳で押さえ込むことが出来る。だが、レグルスが肉眼を超えた力をも解析できることは明白であった。
「…やるな」
アスプロスが他人を褒めることなど滅多にない。それだけ、アスプロスの基準は高いのだ。
けれども、レグルスはむーと頬を膨らませている。
「そんなこといって、余裕で受け止めたくせに」
空間のゆがみが消え、周囲にいつもどおりの景色が浮かぶと、アスプロスは子獅子へと近づいてその頭をくしゃくしゃと片手でかき回した。
「ふふ、まだお前は成長過程にある。技の威力に身体が追いつけば、俺といい勝負になろう」
「絶対追い越すからな!」
元気一杯の獅子座の守護者は、アスプロスからみれば、まだまだ幼い。
(目で見たものを、全て捉える、か)
ふいに、デフテロスの強烈な視線を思い出して、アスプロスは無意識に身を震わせる。あの視線は、レグルスとは違う。だが、何が違うのだろう?

目を凝らしても読めぬ心があることを、その時のレグルスとアスプロスはまだ気づくことはなかった。

============================
レグルスは凝視によって力の流れを読み取りましたが、心や魂や世界のかたちは、ラダとの対戦を通し、死んで初めて読み取れるようになったのかなあ。デフはアスぷをじっくり見てる割に全然中身を理解してなかったのが哀しいココロ。

今日もぱちぱちありがとうございます!
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
ブログ内検索
フリーエリア

photo byAnghel. 
◎ Template by hanamaru.