タナトスは美しいものが好きそうなので、きっとアフロディーテも好みに違いない!とまた勝手な妄想を広げております。
サガは勿論アフロディーテに毒牙が及ばないように庇いますが、アフロディーテ自身の能力による拒絶のほうが効果的に死の神を払えるかも…とかなんとか、例によって捏造の翼を広げ中。
闘士の戦いにおいては、その属性や能力によって、相性の良い相手と苦手な相手が出てきますが、自殺したサガが死の神には弱い(という拙宅捏造妄想)のと逆で、小宇宙という命で咲かせるアフロディーテの薔薇は、魔や死を払う力があるといいなあと。毒薔薇ですけど。
先代山羊座も魔切りと呼ばれていることですし、防御系の技を持つ魚座の花陣に魔を払う力があったら素敵じゃないですか(>▽<)ノ
…管理人が魚座なので、魚座びいきです。
「サガ VSアフロディーテならサガが勝つけれども、サガが負けてしまうような敵でもアフロディーテならば圧倒的に勝てる場合がある」というように、ジャンケン関係のごとく、黄金聖闘士はそれぞれが最強であって欲しいなあとも思います。
そんなわけで、タナvサガ+アフロディーテ
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目の前に立ちふさがったアフロディーテを、タナトスは最初、足下に踏みしだく雑草程度にも見ていなかった。ただ、美の女神の名を持つほどの美貌と、それに見合う絢爛な小宇宙が、彼の気を惹いた。
黄金聖衣を身にまとい、周囲に深紅の薔薇を従わせるその姿は、人間であれタナトスの審美眼に充分適うものであったのだ。
女性にも見まごう花のかんばせをタナトスへ向け、魚座の主は畏れることなく毅然と言い放つ。
「いま双子座は体調を崩している。死の神である貴方の来訪は、ただの風邪をも重篤なものとするだろう。申し訳ないが、引き返しては頂けまいか」
丁寧ながらも、神への言上としては腰の低くないその態度を、常であればタナトスは不遜と切り捨てたろう。
だが、今日の彼は怒ることもなく、面白そうにアフロディーテを見下ろした。
「なれば、お前がアレの代わりを務めるか」
毛色の違う玩具を見つけた時の子供のような、無邪気で残酷な視線。
タナトスが死の小宇宙を強めると、周囲に咲き誇っていた薔薇は黒ずみ、急速に萎びて花弁を散らした。
アフロディーテは眉を潜め、我慢できぬというように、表情を一変させて言い放った。
「あの人がお前を受け入れているだけでも業腹だというのに、この私まで望むだと?寝言は貴様の兄弟神の前だけにしてもらおうか!」
怒りで黄金の小宇宙がチリチリと弾けている。
アフロディーテの小宇宙はさらに光り輝き、それだけでなく聖域のアテナの小宇宙を取り込んで膨れ上がった。そしてその小宇宙は茨の蔓を伝い、見る間に薔薇の花を咲かせていく。
それはアテナとピスケスの小宇宙の混じりあった、黄金の薔薇だった。
小宇宙とは命の真髄。
その輝きで咲く花の結界は、死の神タナトスの顔を顰めさせた。
アフロディーテの小宇宙だけであれば吹き飛ばせたかもしれぬ花陣も、ここ聖域で、アテナの小宇宙付きでは分が悪い。タナトスであればこそ踏みとどまっているものの、凡百の魔物程度であれば消し飛ぶだろう。
「成る程、それが十二宮最後の防御を任された者の実力という訳か」
タナトスは肩をすくめ、自らの小宇宙を納める。
それに合わせ、アフロディーテのほうも薔薇の香気を沈めた。
だが、タナトスは一矢返す事も忘れない。
「サガに伝えるが良い。治り次第エリシオンへ足を運べと」
黄金の薔薇も、人の心に根付いた魔を払う事までは出来ない。
アフロディーテは無言で毒薔薇を投げつけ、それへの返答とした。
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今生の黄金聖闘士自慢ということで、星矢がテンマへ説明を始めたのは双子座についてだった。
「サガがどういう人かっていうと…二重人格でキラキラしてる」
「何だそれ。派手に裏表のある奴ってことか?」
「いや、ホントに二つの人格を持ってんの。清らかな人格の時は、いるだけでその場がキラキラしてくるんだ。んと、天使の後ろに点描が飛ぶ感じ」
「…点描?」
星矢はそれほど説明上手ではないので、表現も漫画的なのだが、テンマの時代には漫画などない。頭に浮かべたのは、アローンに聞いたことのある絵画的点描手法である。
それでも言いたい事は大まかに把握し、それに対して射手座で対抗した。
「天使といえば、オレの時代の射手座シジフォスも凄いんだぞ。居るだけで舞い散る羽の幻覚が見えてくる」
「幻覚攻撃か?」
「いや、技じゃなくて素なんだ。しかもな、レグルスが…あ、レグルスってオレの時代のしし座なんだけど、初めてシジフォスに逢ったとき、その目の前で服の上から射手座聖衣を着たらしいんだよ」
今度は星矢が首を傾げる。
「服の上に聖衣を着用するのは普通だろ」
「服といっても外套なんだぞ!しかも、羽だけ着用、服の背中に破れなしでだ。どうやって着用したのか、射手座聖衣の構造を知った後では余計わからないんだ」
「へえ…サガが全裸で聖衣を着用するのとは真逆なのかあ」
「げっ、聖衣を全裸で!?」
互いに散々説明しあった後、二人は暫し黙った後、ぼそりと呟いた。
「なあテンマ、その二人を並べたら凄くないか?」
「オレも思った…辺り一面舞い散る羽とキラキラで別世界に…」
そんなわけで、噂の張本人たちの与り知らぬところで、お見合い計画が実行されることになるのだった。
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ロスサガSS書く前に出社時間に(><)ぱちぱち今日も有難う御座います!日々の潤いです。そして、帰宅したら双子を祝う会様をリンクさせていただくのだー
そう言ってやったら、サガは眼をパチリと瞬かせ、それから
「そんなことはない」
と、何時ものようにおっとりとも聞こえる声で答えた。
ああ、こいつには1日両手分も人類を心の中で滅亡させているオレの内面なんて、理解できやしないのだと思う。心の中で殺した人間の数に比べたら、実際に手をかけた奴の数なんてささいなものだ。
オレの怒りには理由なんてない。だから和らげる方法も判らない。八つ当たりをする以外に、この憎しみを宥める手段を持たない。人は死ねばいい。世界は滅べばいい。オレは世界を呪っている。
するとサガは眼を伏せた。
「私もお前と変わらない。私は…代わりに心で神を殺している」
声にならない後半の呟きは、オレの耳に届く事はなかった。
以下、昨晩書くはずだったラダカノでタナサガ前提な冥界会議
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冥府の片隅で三巨頭が珍しくも真剣な顔で顔をつき合わせている。
互いにそれ程仲が良いとはいえない三人であったが、聖戦後はほぼ壊滅した自軍の建て直しと界の復興の為に、協力せざるをえない場面が増えたのだ。
「今までは敗北を喫しつつも、拮抗していた冥界軍と女神軍の戦力バランスが、随分と崩れているように思う」
アイアコスが吐き出し、残りの顔ぶれもそれに頷く。
「特に神聖衣とやらの存在は脅威ですね。神をも倒すほどの闘衣というのは反則的ですよ」
「冥衣も強化を望めないだろうか。その、神の血で」
ミーノスとアイアコスが言うも、隣でラダマンティスが首を振った。
「無理だろうな。ハーデス様は己の肉体を愛しておられる。かつてペガサスに付けられた傷ひとつを理由に、エリシオンへ閉じ篭ったお方だぞ。そんなお方が我らの為に身体を傷つけ血を与えてくださると思うか」
「そうなんだよなあ…」
アイアコスが溜息を付く。ミーノスも表情は変えぬものの、方法が判っていながら得られぬ戦力を前にして、内心穏やかにはいられないに違いなかった。ミーノスは、神の道でその差異を見せ付けられている。戦う前から闘衣の差で決着がついてしまうのではたまらない。
すると、隣から穏やかな提案がなされた。
「ハーデスの血は無理でも、従属神の体液あたりならば如何か」
「なるほど、ハーデス様の血では恐れ多いが、あの連中ならば…っうお!?何故貴様がここに居るのだサガ!」
真横にいたラダマンティスが、重鎮らしからぬ驚きを見せ、それを隠すように聖域の将へと突っ込む。ここは冥府の最深部である。ハデな黄金聖衣を着用した聖闘士が、簡単に侵入できて良い場所ではないのだ。
一方サガは、翼竜がイライラするほどの長閑な口調で答えた。
「エリシオンへ向かう途中なのだが、通り道である冥界の現場責任者…お前たちにも、挨拶をしておくべきかと思ってな」
聖域の黄金聖闘士の主格である彼は、何故か冥界の神であるタナトスと交流が深い。同盟が結ばれたとはいえ、勝手に冥府を行き来する者たちの存在はラダマンティスの頭痛の種だ。
頭を抱える翼竜の横で、ガルーダとグリフォンが何だという顔をした。
「サガの方だったのか」
「てっきりカノンかと思ったので黙っていましたよ」
ラダマンティスは思わず同僚二人にも突っ込む。
「気づいていたのなら言え!カノンであろうが良いわけなかろう!」
しかし、同僚二人は冷ややかな視線を返した。
「そいつ、当たり前のようにお前の隣に行ったからさ」
「カノンは貴方の城にも足繁く通っているのでしょう?今更咎めるのもヤボかと思いまして」
名目は真面目な三巨頭会議であったにもかかわらず、話題のせいで口調が次第に日常用へと戻ってきてしまっている。
もう一つの頭痛の種に話題が移行しそうになり、ラダマンティスは咳払いをすると無理やり話を元へ戻した。
「た、確かに体液でも神のものであれば効果はありそうだ。しかし、あのようなもので代用などと、貴様は冥闘士を愚弄するつもりか」
サガとタナトスの関係を知っているだけに、サガの提案はラダマンティスにとっては破廉恥な言い分にしか聞こえない。
アイアコスとミーノスも渋い顔をした。
「戦で手段は選ぶなと思うが…オレも嫌だ」
「まあ、殆どの兵士は嫌がるのではないですか?小宇宙とはいわば『やる気』のようなもの。冥衣のパワーがアップしても士気が下がっては、使いこなせず無用の長物になりかねません」
ラダマンティスは、珍しく意見の一致をみた同僚に同意する。
「全くだ。せめてハーデス様のものなら考えるが」
「「えええっ!?」」
しかし同僚の方はラダマンティスの意見に賛同しなかった。
「お前、カノンに言いつけてやろうか」
「貴方にそういう趣味があったとは」
「か、カノンは関係ないだろう!それに趣味などではない!選択を迫られればの話だ!」
すっかり会議ではなくなっている。
喧々囂々とやりあっている三巨頭を前にして、サガは黄金聖衣をキラキラさせながら首を傾げて見せた。
「タナトスの涙が、何故それほどまでに嫌われるのだ?」
三巨頭の会話がぴたりと止まる。
確かにサガは体液としか言っていなかったが。
サガは立ち上がると、にこりと言い放った。
「まあ、タナトスがお前たちの為に涙を流す事など、血を流す以上にありえなさそうだがな」
立ち去っていくサガの背中に、ラダマンティスの怒声が響く。
「お、お前…統合サガだな!」
振り向いたサガは、それこそ神のごとく悠然と微笑んだ。
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ぐだぐだ会議。
こんなだったら本当にサガとカノンは「聖域の迷惑双子」と冥界で呼ばれていそうです。でも下級冥闘士たちには人気に違いない(またご都合ドリームが)
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「イシュケンベ(臓物のスープ)の美味しい店を見つけたんだ!」
今日も屈託の無い星矢が、双児宮の居住区エリアへ飛び込んでくると、ソファに座っていたサガの隣へすぐさま腰を下ろし、そんな事を言い出した。
もちろん、一緒に行こうという誘いだ。星矢はいつも、サガが断る事など念頭に無いように誘う。そして事実、サガは星矢の誘いを断った事などない。
しかし、今日は先客がいた。アイオロスだ。
サガの向かいのソファへ座り、珈琲を飲んでいたアイオロスが「コホン」と咳払いをする。
勢いだけで飛び込んできた星矢も直ぐにそれに気づき、慌てて身体の向きを変え、アイオロスへも元気良く挨拶をした。
「なあ、アイオロスも一緒に行かないか?…ええと、忙しくなければだけど」
一応都合を尋ねたのは、教皇候補であるアイオロスの忙しさを知っているからであった。13年間のブランクを埋めて教皇となるために、彼は日頃かなりの修養時間で繁殺されている。
「大丈夫、そのくらいの時間は捻出できる。午後はサガの処で過ごす予定だったしね」
後半に若干微妙なニュアンスが含まれていたが、子供の星矢と鈍感なサガでは、それを気づく由もない。
むしろ二人とも、単純にアイオロスの参加を喜んだ。
星矢もサガも、互いへの好意とは別に、アイオロスに対しても尊敬と好意の感情を持っているのだった。
「じゃあ決まりな!」
と喜ぶ星矢を横に、サガが珍しく躊躇する顔をしている。
「しかし…カノンがいない」
どこか戸惑うように紡がれたサガの言葉に、残りの二名は首をかしげた。
「カノンは今日、海界勤務の日だったじゃん?居ないのは俺も残念だけど、今度また一緒に行こうよ」
「彼がいないと、何か不都合が?」
不思議そうに返す星矢とアイオロスへ、サガは逆に問いかけた。
「カノンが居なかったら、熱いスープを誰が冷ましてくれるのだ」
「………」
「………一体、君は教皇時代スープをどうやって飲んでいたの?」
星矢は黙り、アイオロスは呆れた声をあげる。
「あの頃はシオン様に化けていたゆえ、老人食しか出てこなかった。熱いものは身体に良くないと、冷ました物が供されたしな」
「それでは、君は皆がどのように熱いものを食っていると思っているのだ」
「兄弟がさましてやるに決まっているではないか。お前とて小さいアイオリアの面倒を見ていたとき、そうしていた」
「では、兄弟が居ないものは」
「それは自然に冷めるのを待つしかないだろう」
「………」
「折角、星矢が誘ってくれたところへ行くのだ。どうせならば、出来立てのものを食したい」
「…ちなみに、俺達のスープはどうやって冷ますのだと思う?」
「お前たちは別に、猫舌ではなかろう」
意思の疎通があるような無いような会話の横で、黙っていた星矢が解決策のつもりの提案を持ち出した。
「じゃあ、俺がカノンの代わりに冷ましてやるよ」
「本当か?」
「ああ!」
星矢に悪気はなかったが、アイオロスは立ち上がると、無言の笑顔で後輩の髪をわしゃわしゃかき回し始めた。そしてそれは三人で街へ出かけるまで続けられたのだった。
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というわけで、ここから以下本日二回目夜の部のたわごとです。
朝は本当に慌しかった!ブログの投稿ボタンを押すと同時に、確認もせず駅へダッシュ。ホームへ辿り着いたときには、電車がもう扉を開く寸前だったという綱渡り通勤。出勤20分前にSSなんぞ書き始めるからそうなるのですよね。
朝のブログタイムは、頭を目覚めさせる脳運動として丁度いい感じなんですが、ともすると出勤前の時間を奪う諸刃の剣です。
それはさておき、カノンとサガの間では「当たり前のこと」である行為が、世間から見ると全然当たり前ではない…そんな行き過ぎた兄弟間のお約束が、幾つもあるといいなと思います。服や下着の共有とかは普通にありそうな(ちゃんと洗濯を間に挟んだ上で)。
他の皆様のサイトにおける、双子間だけで通じるマイナー常識を調査してみたいココロ!(>ω<)