星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
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また勝手設定てんこ盛りなタナ×サガアイオロスなワンシーン。
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突如、巨蟹宮の方角から立ちのぼった不吉の気配を、獅子宮にいたアイオロスは瞬時に感じ取った。
隠す気もないのか、容易に捉えることの出来る禍々しい神気。特にこの神気は女神の慈愛溢れたそれとは正反対に近い代物だ。
「これは…タナトスか!」
アイオロスは直ぐに聖衣を呼び、隣にいる弟のアイオリアにも戦闘態勢に入ることを促す。
しかし、何故かアイオリアの反応は鈍かった。
「兄さん、落ち着いてくれ」
「何を呑気な。同盟を結んでいるとはいえ、かつての敵神が聖域に足を踏み入れているのだぞ!?」
鋭い視線でアイオロスは弟を睨む。
アイオリアは気まずそうに視線を逸らした。
「兄さんが知らないだけで、もう何度もタナトスは来ている」
「…何」
鋭さに加えて怒りまで追加されたアイオロスの視線は凄みを増し、さすがの若獅子も縮こまる。それでも兄の爆発を止めるために、必殺の一言を付け加えた。
「女神もシオン様もご存知だ。黙認という形で放置している」
「どういうことだ」
アイオロスは愕然とした。いくら時期教皇としての修練で教皇宮に篭りきりの日々が続いているとはいえ、アイオリアですら知っているような聖域の内情を、教皇候補の自分が知らないで良いわけが無い。
そうしているうちにも、タナトスの気配は双児宮へと向かっている。
巨蟹宮にはデスマスクがいるというのに、争った様子さえないという事は、彼もタナトスを素通りさせたのだ。
そこまで考えてアイオロスはハっとした。タナトスは十二宮を下へ進んだ。つまり目的は女神ではないのだ。
「女神は、他界の者との交流も害意がなければ否定なさらない。むしろこの事が良い方向へ流れればいいと思っておられる。シオン様は猫に鈴をつけるという意味でなら政治的に歓迎している」
「何を言っているのか判らない、アイオリア」
まっすぐに見つめるアイオロスの瞳は、完全に狩人のそれと化している。
アイオリアはため息をついてから、諦めたように口を開いた。
「サガが、タナトスと懇意だということだ」
アイオロスは目を見開いた。
「何故」
「知らん。それはサガに聞いてくれ」
アイオリアが言い終わるや否や、アイオロスは止めるまもなく双児宮へ向けて走り出していた。


「そこをどけ」
「いいや。今のアンタは通せねえな」
光速で駆け下りてきたアイオロスの前に、デスマスクが立ちふさがった。
巨蟹宮を一気に抜けようとしていたアイオロスは、思わぬ足止めに苛つく声を隠さない。
「お前も知っていたのか、タナトスとサガのことを」
先輩格であるアイオロスの問いを、デスマスクは流した。
それどころか、逆にアイオロスを哀れむような目で見る。
「行ってどうすんだ?制裁でもすんのか?冥界と聖域の同盟関係から考えても、私生活での個人的な交流という意味でも、教皇候補サマがアイツの行動に口出す権利はないぞ」
建前上はデスマスクの言うとおりだった。
「違う、私はただ、サガに問いたいだけだ」
「何を?」
そう言われて初めて、アイオロスは自分が何を問いたいのか良く判らないことに気付いた。
黙ってしまったアイオロスを前に、デスマスクも溜息をついた。そのため息は獅子宮でアイオリアが零した溜息ととても似ていた。
「まあ、悪いのはアンタじゃなくサガの方だろうさ。だが、それでもあの死の神がサガの安定に役立ってるのは間違いねえ。そうでなきゃ、俺だって」
「安定?」
「サガはかつて自ら死を選んだ。蘇生後もしっかりしているように見えて、魂はボロボロなんだよ。こればっかりは心の強さとは関係ない」
「その事とタナトスとどういう関係があるのだ」
幾分落ち着きを取り戻したかのようにみえるアイオロスだが、その瞳は獰猛なままで、むしろ隠した猛禽の爪が研ぎ澄まされていくかのようだ。
「自ら死を選んだサガの魂の所有権は、世界のきまりに従えば死の神タナトスに帰属する。タナトスは気に入った玩具が地上で壊れないように、定期的にメンテナンスをしにくるってわけだ」
「…サガは女神の聖闘士だ」
ギリ、と歯をかみ締めてアイオロスは呻る。その体からは金の小宇宙が抑えられずに強く濃くゆらりと湧き出している。
デスマスクはぽつりと呟いた。
「タナトスとアンタなら、迷わずサガはアンタを選ぶだろう。だが、それではサガは壊れる。だから今はアンタを通せないんだよ」
アイオロスの苛立ちは頂点に達した。そして、

>ルート1「それがどうした」サガ壊れエンドでロスサガ
>ルート2「サガを癒すのは俺だ」→ロスサガ愛の再生劇場
>ルート3「勝手にしろ!」と引き返す→タナサガエンド


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しかもSS締めずにセレクト逃げ。デスサガデスエンドも付け加えたい。
妄想分岐ルートがありすぎると、どれを選んでいいのか悩みます。

バレンタイン直後に身内の不幸があったためばたばたしておりました。昨日隣県でお葬式だったのですが、今日の朝外を見たら雪が降り出してなんだかしんみりしています。昨日まであんなに暖かかったのに。

バレンタイン話はもう時期関係なく後日書きます(>M<)
昨日通販した御本が沢山届いていてそれが心の癒しでした!かおるさんお手紙夜にでもお返事させてくださいねー!

心の中の善と悪を統合したサガは、普通に考えれば清濁併せ持った完成度の高い人間にバージョンアップしそうですが、そこで敢えてたまに統合に失敗して、トンでもない人格になればいいのにとか、駄目人間的な妄想をしてしまいます。主にギャグでですが。

白黒分かれているときは、行き過ぎた黒サガの暴走は白サガが止め、白サガの現実味のない善性は黒サガが指摘するのですが、統合してしまうと歯止めがない。
統合失敗した時には、白黒それぞれの価値観を互換性なく無理やり一緒にしているので、人格破綻者に仕上がったりすると美味しいな!価値観おかしいと801にも持ち込みやすいですし(それが目的か)

例えば慈愛と博愛が行き過ぎて、男女問わず誰の求愛にも応える統合サガとかね!それでいて黒サガの冷徹さも混じっているものだから、事後優しく切り捨てるのも容赦ない。「いつでもお相手しよう。しかしお前だけのものになるわけにはいかない。私は女神のものだから」みたいな。でもカリスマ性が高いので誰にも恨まれない。うわ最悪ハーレム野郎になりそう。

そんなサガの歯止め役になるのは、やっぱりアイオロスやカノンだと嬉しい。
「別にお前と寝ても構わないぞ?」と言うようなサガに対しては、逆に手を出さないのがアイオロスとカノンですよ。すいませんどうも本格的に風邪を引いたのでちょっと脳内にウイルスが。

以下行き過ぎた兄弟仲双子妄想。
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喉が痛い。
そう言って首筋に手を当てていたら、通りすがった童虎が飴をくれた。
「カノンよ、今年の風邪は喉を痛めるそうじゃ。体調管理を万全にせよ」
喉の炎症に効果がある漢方の飴だという。
肉体をいつでも最高の状態に保つのは戦士の義務であり、休めるときには休んでおくのも勤めのうちだ。
大人しく双児宮で休むことにしたオレは、ソファーでぼんやり寝転がりながら飴を舐めていた。寝台で休むほどには悪化しておらず、さりとて起きているほど健康でもないといった中途半端な時間が過ぎていく。
3つ目の飴を口に放り込んだときに、サガが帰ってきた。
「どうしたのだ?」
双子の兄であるサガは、すぐにオレの体調の不全を感じ取ったらしく、傍へ近寄ってくる。飴が口内にあるオレは、黙ったままひらりと手を振って、何でもないと主張した。
なのにサガはオレの意思を無視して顔を寄せ、口元でなにやらフンフンと匂いを嗅いでいる。
「変わった薬香のする飴だな…私にも味見をさせてくれないか」
それで童虎にもらった飴の袋を取ろうとしたら、サガは何を考えたのか強引にオレが今舐めている飴を取ろうとした。それも口移しに。
「!!!!!!」
びっくりして飴を飲み込んでしまったオレは悪くないと思う。
なのにサガは恨めしそうな目でオレを見た。
「ケチだな…飴の1個くらい味見させてくれても良かろう。何も返さぬわけではないのだから」
すると何か。味見したら返すつもりでいたのか。また口移しで。
オレはクッションでサガを殴り、黙ったまま横に置いてあった飴の袋をサガに突きつけた。

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節分でラダカノ
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久しぶりの地上デートの後、ラダマンティスを伴って双児宮へ戻ろうとしたカノンは十二宮入り口で足を止めた。
自宮へ続く一本しかない通路の真ん中を、ムウが塞いでいたからだ。
(しまった、ムウが守護当番の日だったか)
カノンは内心でどうしたものか考えた。いつもはラダマンティスを双児宮に連れ込む場合、巨蟹宮の黄泉比良坂に通ずる隠し通路をとおり、直接冥界から案内する。しかし今日は外界へ下りたため、白羊宮からの通常ルートを通る方が近かったのだ。
ムウはジャミールに居を構えていて、聖域常駐ではない。
聖戦後も彼だけは大戦中に破損した聖衣修復で忙しく、守護当番を大幅に免除されており、白羊宮に姿を見ることはまれだ。
それゆえ、双児宮までに出会うのは金牛宮の主くらいであろうと見当をつけ、人のよいアルデバランであれば適宜に話をつけて、冥界三巨頭の一人であるワイバーンの通行を許してもらおうと思っていたのだ。
冥界とは平和条約が結ばれているため、表向きラダマンティスの通行に問題はない。
だが、ムウは素直に通してくれるような性格ではないのだ。
ムウを良く見ると、手に小さな枡を持っている。そしてその枡の中には、何か押し潰された銀玉のようなものが沢山詰まっているのが見て取れた。
「今日は何の日がご存知ですか」
唐突にムウが話しかけてきた。
「そりゃ、ギリシア王国独立の…」
「節分です」
この強引な話の流れに既視感を覚えながら、カノンは胡散臭げな目を向けた。
「それで?」
「節分とは魔を払うために豆を撒く日です」
「ギリシアとは関係ないだろ…」
「古代ギリシアやローマほか世界各地において、魔を豆で払う文化はありました。ギリシア人のくせにご存知ないのですか」
言いながらムウは枡の中に手を入れている。非常に嫌な予感のしたカノンは、一応ムウに尋ねた。
「薀蓄は判った。ところで手に掴んでいるそれは何だ」
「豆ですよ。聖衣と同じ素材で作った代用豆ですけれどね。今日侵入者があったら使おうと思っていたのです」
「…投擲武器にしか見えないが…」
「イミテーションビーンズです」
にっこり言い放つムウのほうが鬼のようだとカノンは思った。
しかし負けてはいられない。
「ラダマンティスに害意はない。通しては貰えまいか」
「どうでしょう。魔星をいだく冥闘士は魔そのものと大差ありません。しかも三巨頭となればどれだけ強大な鬼を心に秘めていることか」
後ろでは状況に付いてこれていないラダマンティスが、とくに否定するでもなくその言葉を聞いている。というよりも、何を当然のことを言っているのだという顔つきだった。
カノンは思案した。ムウも本気で通さぬつもりではないのだろう。ただ堂々と正面から三巨頭を聖域へ連れ込むことへ、こういった形で釘をさしているに過ぎない。
それは守護宮を預かる者としては当然のことだと思う。判るだけに、どのようにムウをとりなしたものか上手い方便が思い浮かばない。
(素直に頭を下げておくのが1番だろうか)
そのような事を考えたカノンであったが、緊張は思わぬ第三者によって破られた。
「ムウさま、鬼は通してもらえないの?鬼の名前のオイラも豆をぶつけられるの?」
「「貴鬼!」」
びっくりしたような子供の声が後ろから響き、カノンとムウは思わずその子供の名を呼んだ。
それと同時に、ムウから攻撃的な気が一瞬にして消え去る。
ムウはうって変わって穏やかな微笑みを弟子に向けた。
「命じたお遣いはちゃんと出来ましたか?」
「うん!言われたとおり修復の済んだ聖衣を届けてきたよ!」
「よろしい。では先に宮に戻りなさい。女神から頂いた甘納豆があるので、一緒に頂きましょう」
そうして先に貴鬼を行かせておいて、ムウは残された二人へと向き直った。
わざとらしく息をつき、肩をすくめる。
「身内の鬼だけ通すような不公平はいただけませんね。仕方がない、貴方がたもお通りなさい」
「悪いな、ムウ」
カノンはラダマンティスの手を引いた。
客分としての分を守り、ずっと黙って様子を見ていたラダマンティスは、苦笑しながらその手を握り返した。

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ぱちぱち有難うございます!拍手返信は次回にさせて下さいね(^▽^)
職場の方やそのご家族のインフルエンザ率が高いです。今年は本当に流行っているのだなあという感じです。
インフルエンザは予防注射済みですが、風邪ぎみなので悪化させないよう頑張らねば!

朝の妄想タイムが私の気力充実法!
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「13年前は、恥ずかしながら君が短剣を振り下ろすのを邪魔したあと、仮面が落ちるまでシオン様ではないと気づかなかったんだよね」
双児宮へ帰ってみると、アイオロスがサガへそんな事を話していた。
サガは困ったような微笑んでいるような、あの微妙な表情で振り向き「カノン、おかえり」と言った。
アイオロスも来たばかりらしい。
何故なら、椅子に腰掛ける彼の前には茶の一杯もない。
アイオロスも「お邪魔しているよ」とだけオレに告げて、サガへと向き直る。
「カノンは君に化けるのが上手いけど、君も実は誰かの振りをすることが、とても上手いんだよね」
「それで?」
サガが曖昧な笑みを浮かべたまま答える。
「オレはもう間違わない。あの時の感覚を絶対に忘れない…だから、ねえサガ。意地悪しないでもう一人の君に会わせてくれない?」
オレは驚いてサガを見た。
サガは視線を僅かに伏せ、それから顔を上げてそれは綺麗に笑んだ。
「断る。私たちを見分けた事は褒めてやるが、アレはいま眠っている。貴様のために起こすつもりはない」
口調をのぞけば、どうみてもいつものサガにしか見えない。驚いているオレへ、サガが苦笑をしながら言い訳めいたことをいった。
「お前の前では化けるつもりなどなかったのだが…すまん。サジタリアスが来たので、つい」
横からアイオロスも口を挟む。
「カノンはなまじ両方ともサガだと感じるから、判別しにくいんじゃないか?」
「貴様は私とカノンを時折間違うくせに、偉そうに。カノンの前ではつくろう必要がないゆえ、アレも私も互いに化けた事がないのだ。だから知らずとも仕方が無い」
どうやら目の前にいるサガは、白サガの外見ではあるものの、中身は黒い方であるらしい。聞けば13年間の長きにわたり、主に黒サガ側の都合で見た目を変えぬまま入れ替わらねばならない事態が多く、元々シオンに化けた上での二重擬態ゆえに、他者のフリはすっかり馴れたものなのだという。
「幻魔拳と併用すれば、大概の者のフリをすることが出来る」
とサガは言い、アイオロスは
「でも君は誰に化けても、オレ様オーラが滲み出る気がするよ」
などと言ってサガに睨まれている。
言われてから観察すれば、確かに目の前のサガは黒いほうで、双子のオレが本気になればサガが化けようが見分けは容易そうだった。
けれどもオレは、黒かろうが白かろうが、サガを区別する必要もないんじゃないかと思うのだった。
目の前でサガとアイオロスがまだ仲良く(としか見えない)言い合いをしているので、オレはサガに変わって二人にお茶を出してやった。

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