星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
[1203]  [1202]  [1201]  [1200]  [1199]  [1198]  [1197]  [1196]  [1195]  [1194]  [1193
終わりの終わり。
============================

とつぜん俺は表の世界に立つこととなった。
アスプロスのものだった黄金聖衣を与えられ、自由まで手に入れた。誇りある聖闘士として存分に高みを目指す事だって出来る。かつて影から羨望した全てがいま、この手にあるのだ。
反逆者となった兄の死と引き換えに。
願い叶って考える。俺が望んだのはこんな世界だったのだろうか。

『君たち二人には初めから光も影もない』
アスミタは幻朧魔皇拳を受けていた俺にそう言った。
それは影の立場にあった俺には光明のような言葉に聞こえた。
だが、影であることを止めた今になって、己のなかで囁く声がある。
本当にそうだろうか?と。
アスプロスは遠からず邪悪として蘇るだろう。俺は無意識下の望みを叶えるために、アスプロスを殺して闇を押し付けただけではないのか?
「アスプロス…」
呟いても振り向く者はいない。
そうして気づく。
俺の世界は兄が死んだときに終わっていたのだと。

死んだ兄と再び合間見えるその時を待ちわびながら、俺は自我を磨き続ける。終わってしまったこの世界を、再び終わらせるために。
そうして兄と二人の世界を再生するために。

============================
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
ブログ内検索
フリーエリア

photo byAnghel. 
◎ Template by hanamaru.