星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
年の差ロスサガ
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聖闘士を目指してひたすら修行に励んでいたあの頃、アイオロスとわたしは良く二人で星を見た。星の見えるような時間にならなければ、訓練生は自由な時間をとれなかったということもある。
同期の者たちは、たいてい日中の修行が終わると同時に疲れ果てて泥のように眠りに付いたが、幸いわたしたちには多少の余力があった。
旧態依然とした聖域では、夜ともなれば守衛地以外の灯りは落ち、静かな闇が訪れる。そのぶん天蓋には煌々と星が輝いていた。
「綺麗だな」
「ああ」
そんな凡庸な会話を交わしたと思う。
「あの満天の星々の全てよりも、きっとこの星は美しいに違いない」
空を見上げてアイオロスがそう言うと、まるでそれが唯一つの真実であるかのように思えた。
「サガよ、俺たちは星を護るものとなろう」
そう笑いかけてくれた瞳のなかに、わたしは星を見ていた。
それも今は昔のはなし。
聖戦が終わり、新たなる生を受けたわたしたちは、新たなる日常をも手に入れた。
少年のまま蘇ったアイオロスは、昔と同じように「星を見よう」わたしを誘った。
28歳になったわたしにも、彼は変わらず輝いて見える。
わたしは少しだけ迷い、それから首を横に振った。
「アイオロス、私は星を砕くものとなったのだ」
そう言うと、アイオロスはただ寂しそうに微笑んで「そうか」とだけ答えた。
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聖闘士を目指してひたすら修行に励んでいたあの頃、アイオロスとわたしは良く二人で星を見た。星の見えるような時間にならなければ、訓練生は自由な時間をとれなかったということもある。
同期の者たちは、たいてい日中の修行が終わると同時に疲れ果てて泥のように眠りに付いたが、幸いわたしたちには多少の余力があった。
旧態依然とした聖域では、夜ともなれば守衛地以外の灯りは落ち、静かな闇が訪れる。そのぶん天蓋には煌々と星が輝いていた。
「綺麗だな」
「ああ」
そんな凡庸な会話を交わしたと思う。
「あの満天の星々の全てよりも、きっとこの星は美しいに違いない」
空を見上げてアイオロスがそう言うと、まるでそれが唯一つの真実であるかのように思えた。
「サガよ、俺たちは星を護るものとなろう」
そう笑いかけてくれた瞳のなかに、わたしは星を見ていた。
それも今は昔のはなし。
聖戦が終わり、新たなる生を受けたわたしたちは、新たなる日常をも手に入れた。
少年のまま蘇ったアイオロスは、昔と同じように「星を見よう」わたしを誘った。
28歳になったわたしにも、彼は変わらず輝いて見える。
わたしは少しだけ迷い、それから首を横に振った。
「アイオロス、私は星を砕くものとなったのだ」
そう言うと、アイオロスはただ寂しそうに微笑んで「そうか」とだけ答えた。
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