飲む加減を間違えて、飲み会のあとトイレで明け方まで大変な事になると毎回「もう絶対飲むものか」と思うんですよね…大変な間は花粉どころではないのか、鼻水も止まりますよ。
トイレに転がっていたら猫に心配されました。人間の尊厳が。
そんな寝不足グダグダ状態に負けないぐだぐだロス猫設定SSS
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「ただいまサガ、今日は土産を買ってきてやったぜ」
出迎えたサガに、カノンは可愛く包装された品物を渡しました。
「これは何だろう…?」
別に旅行へ出ていたわけでもない弟からの土産にサガは首を捻ります。受け取ってみると、それは見た目の大きさに比して随分と軽いものでした。
「開けてみるといい」
カノンがそういうので、その場でガサガサ包装紙をひらいてみると、中から現れたのはペットショップでよくみかける基本アイテムの猫じゃらし(リボンつき)。
サガの顔がぱぁっと明るくなりました。
「これは…アイオロス用か!?」
「まあな」
「ありがとうカノン!お前は猫を飼うのに反対だとばかり思っていたのに…」
ぎゅうっと抱きついてきたサガを、カノンは満足そうに抱き返します。思った以上に高ポイントを稼げたようです。
「早速使ってみる」
ウキウキと猫じゃらしを持ってアイオロスの方へ向かうサガの後を、カノンは人の悪い笑みを浮かべて付いていきました。
「さ、アイオロス、オモチャだぞ」
目の前で揺れる猫じゃらしと、ドキドキわくわく期待した目で自分を見つめるサガの顔を交互に見比べて、アイオロスは途方にくれました。
そんなサガの後ろで、カノンがニヤニヤ腕を組んで見ています。
(元凶は貴様か!)
アイオロスは直ぐにこれがカノンの嫌がらせだと気づきました。
しかし、ここで猫じゃらしを無視をしてしまっては、純真そのものの瞳で期待しているサガがガッカリするのは目に見えています。それに、正体を隠し続けるには猫の振りをしたほうが良いのは判りきっています。
「にゃ…にゃー…」
棒読みな声でアイオロスが猫じゃらしをぺしぺしおざなりに叩くと、サガは本当に嬉しそうに猫じゃらしを振り回すのでした。
サガの笑顔で心のダメージを相殺しつつ、アイオロスは後ろで笑い転げているカノンを横目で睨み
(絶対にこのお返しはしてやるからな)
と心に誓ったのでした。
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猫ロス設定SSS続き
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半人半獣族のアイオロスは、普段は大型獣の格好をしています。馬ではなく一応猫科です。
それがサガの勘違いによって攫われてきて以来、双子の家に飼われているわけですが、サガがあまりにもアイオロスに構うので、カノンは時々面白くありません。ましてカノンはアイオロスが本当は青年の姿になれることも知っているのです。サガが同じ布団へアイオロスを引っ張り込むたびに「オイオイ…」と思っています。
一方アイオロスも、あんまり双子の仲が良いので最初は驚きました。
「獣族も舐めて毛づくろいをしあったり、甘噛みして気持ちを伝えたりするけど、人間もそうなんだね」
それは多分違います。
そして、サガとの寝心地があまりに良かったので、その双子の弟であるカノンとの同衾も試してみたのですが、夜中にこっそり布団へもぐりこんだところ、カノンの自由奔放な寝相で酷い目にあった上、カノンの側も寝苦しさで目を覚ましたため見つかってしまい、その時点で布団から蹴り出されてしまったのでした。
どうも双子の弟のほうの寝心地は良くないなと、遅ればせながら学習したアイオロスです。
それでいてサガと寝ているときのカノンの寝相は良いようなのです(サガはカノンともしばしば一緒に寝ています)。ちょっぴり納得がいきません。
そんなこんなですが、適当な共同生活に三人が慣れはじめた頃、カノンは兄にふと尋ねてみました。
「なあ、お前すごくアイオロスを可愛がっているよな」
「猫かわいがりという言葉があるように、猫は可愛がるものだろう」
「まだ猫と言うか…その猫が、もし人間になったらどうする?」
部屋の隅で横たわっていた獣形態のアイオロスが顔をあげ、ぎろりとカノンを睨みます。
アイオロスは何故かサガの前では単なる獣の振りをしています。カノンは別に口止めをされたわけでも、黙っていてやる義理もないのですが、何となくそれに付き合ってやっています。
アイオロスはカノンがバラすのかと危惧したのですが、カノンはあくまで「仮に」という前提で進めました。
動物が人間になるなどとは想像もしていないサガは、勿論弟の冗談だと思っています。
「それは擬人化というやつか?」
「ちょ、ちょっと違うような…」
「アイオロスが人間だったら、きっとこの見かけのとおり、可愛いのだろうな。頭に耳がついていて」
ほわ…とトリップしているサガへ、カノンは『…それオスだぞ』と突っ込んでいます。
「いや、そういうのではなく、ほら、狼男とかあるだろ、そういう風にだな」
「ああ、猫も化けると言うからな」
サガはまた考え込みました。
「狼男ではなく猫男というのだろうか?それとてきっと可愛らしいに違いないぞ。猫だしな」
「……」
目をキラキラさせて想像しているサガを見て、カノンは兄の夢を壊すような真実を話すのは止めようと考えましたし、猫男と呼ばれたアイオロスは遠い目でますます正体をバラすのは止めようと決意したのでした。
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拙宅サガはネーミングセンスもないです。
拍手くださった皆様、ありがとうございました!
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海界から戻ったオレは、宮にいるべき兄の姿がないことに首を傾げた。
「サガ?」
声を掛けたものの返事が無い。
(出かけているのだろうか)
そう思い、小宇宙を高めてサガの気配を辿ると、探すまでもなく寝室の方から反応があった。
いつもであれば、直ぐに「おかえり」と出迎えるサガにしては珍しい。
『兄弟であっても、日常における挨拶を交わすのは大事なけじめだ』と、しつこいくらい押し付けてくるのが鬱陶しいと思っているのに、迎えが無いとそれはそれで寂しいと感じるあたり、相当サガに毒されてきたのだろうかと思いつつ、様子を見に部屋へ足を運ぶ。
閉じられた扉の前で一応ノックをしてみた(これも、サガの躾によるものだ)が、返される応えは無い。
オレは仕方なく、そのまま扉を押し開けた。
中に見えたのは、寝台の上へ身体を丸めるように沈め、荒い息を零して苦しむサガの姿。
「おい、どうしたんだよ!」
流石に慌てて駆け込み、まずは手のひらによる触診でもって体温を計る。熱は無い。
しかし、その額にはじっとりと汗が滲み、触れた手を湿らせる。
意識があるのかと頬を軽く叩くと、その衝撃に気づいたのか、うっすらとサガがまぶたを開いた。
「カノン…おかえり」
こんな時でも挨拶優先なところがサガらしい。
「おかえりじゃねえよ、どうしたんだ一体!何で人を呼ばないんだ!」
病気であれば聖闘士の自然治癒だけでは追いつかないだろうし、自分の手にも負えない。
緊急の通信を飛ばそうと小宇宙を高め始めると、汗ばんだサガの手がそっとそれを抑えた。
「違うのだカノン…」
「何が違うのだ、医者を呼ぶぞ!」
「これは…統合の調子が悪いだけで…医療では治らん…」
途切れ途切れ苦しそうに吐き出すサガは、これは他人には治せないものだと言った。
あまりに白と黒の波長が遠い時に、無理に一つになろうとすると、拒否反応が出るのだという。
「そのうちに、治まる…」
「しかし!」
苦しそうなサガの波動はこちらまで伝わるほどだ。
合うべきものが合わないような、もどかしく気持ちの悪い、それでいて切裂かれるようなこの感覚。
これを本人であるサガは何百倍も強く直に感じているのだろう。
「統合が苦しいってのなら、解けばいいだろ!」
思わず叫ぶと、サガは乱れた髪の合間から微笑んだ。
「私は、一つになることから、逃げてはならない…慣れなければ」
その瞳の色は紅く点滅しているようでもあり、青く澄んでいるようでもあり、なかなか定まらない。
カノンは兄の身体ごと抱き起こすと、睨むように顔を覗き込んだ。
「無理に型に嵌める必要はない。どんなお前だって、お前だろうに」
サガは目を見開き、それから小さく笑った。
「…お前も…どんなお前であっても、私のカノンだ」
白くなめらかなサガの指が伸びてきて、オレの頬をなぞる。
それから、倒れこむようにオレの胸に顔を埋めて、背中へと手を回してきた。
「カノン…少し、こうしていても良いか」
「ああ」
何をしたいのか、オレは直ぐに気づいた。
サガと同じオレの小宇宙は、サガを安定させる効果があるのだ。
統合による精神の乱れを、オレとの接触で癒しているのだろう。
オレの小宇宙はいわば調律の基調となる指針のようなもの。そして指針であるオレが悪の方に振れれば、サガも悪に流れる。過去の経験でオレはそれを知っていた。
「無防備にオレと同調して、また流されると思わないのか?」
そう言ってやったものの、サガが離れる気配は無い。
「お前を信じている」
胸元で即答されて苦笑する。昔はこの信頼さえ正義の押し付けと思ったものだが。
幼かったあの頃とはまた別の意味で、この優等生な兄を流してみたいと思いながら、オレはそっとサガの頭を抱きしめた。
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カノンにゴロゴロ言ってるサガが書きたかっただけのお話ですが( ><)
忙しいと脳内で腐化が進み、とても公には出来ないサガ妄想が駆け巡ります。
公に出来ないのは成人向けだからではなく、失笑を買いそうな内容だからです。
…それは毎度の事ですが。
例えばリアサガ。
アイオリアは割りと亭主関白タイプなので、その男らしさでアイオロスよりもしっかりとサガを掴まえそうな気がします。年下で未熟な部分のあるところもサガのハートをキャッチ。
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サガが俺の弟であるアイオリアと付きあいだした…という噂を最初に聞いたとき、俺は一笑に伏した。
弟の気性を思うとありえない話だと思ったし、いま考えると信じたくないという気持ちもあったのだろう。
だが、サガ本人からまるで世間話をするときのような気安さで報告を受けたときは、流石に笑うことが出来なかった。
「俺だって君のことが好きだ」
掠れた声を搾り出す。
サガは柔らかく微笑んだが、それだけだった。
「私も君のことが好きだったよ」
過去形で語る語尾が俺の胸を突き刺す。
サガは何か大切なものを語るがごとく、瞳に幸福の色を浮かばせていた。
「アイオリアは私を好きだとは言わない。けれども必要だと言ってくれた。私の償いが必要だと」
サガが求めていたものは、無償の愛よりも、もっと人間的な何かであったのだと、今更知ってもどうにもならない。
「そうか…幸せにな」
ちっとも心の篭らぬ祝福の言葉を口に乗せたとき、背中から黄金の翼が萎びて消えていった。
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というようなありがち妄想が、脳内ではもっとアレな方向で展開されているわけです。
たまには突っ走りたいよー!でもロスも幸せにしたいよー!
さ、昨晩も寝てしまいました。
拍手コメントを溜めておりますが今度こそ夜に…(><)