そんな前フリと90%ほど何の関係もない女神SS。
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「アテナ、お暑くはございませんか」
気遣うように尋ねたアイオロスの視線の先には、聖誕祭の式典のため、女神の聖衣を着用している沙織がいた。9月とはいえ、地球規模の猛暑である今年はまだまだ暑い。ほぼ全身を覆う聖衣の内側は、さぞかし蒸れるだろう。
沙織はにっこり微笑み、はにかむように応えた。
「大丈夫ですよ。確かに少し暑いですけれど、同じように聖衣の被覆面積の多いサガが、暑さを和らげる着用方法を教えてくれたのです…その、少々はしたないかもしれませんが」
いまは祭事の合間の小休憩で、そのとき周囲には教皇候補のアイオロスだけでなく、十二星座を司る黄金聖闘士たちが集まっていた。それぞれ次の行事の準備をこなしたり、久しぶりの顔合わせによる雑談を楽しんだりして時間を過ごしている。
しかし彼らは一様にビクリと動きを止めた。聞くつもりはなくとも黄金聖闘士の聴覚は、近くの音を拾ってしまう。通常は音が意味を成す前に聞き流してしまうのだが、女神の発言は流すに流せないものがあった。
アイオロスとて平静を装おうとしているものの、成功しているとは言いがたい。
デスマスクが何かを期待した目で(怖いもの知らずにも)真っ先に声をあげた。
「サガの秘訣ってことは、まさか、その聖衣のし…いってえ!」
『聖衣の下は』と続けられるべき言葉は、光速で頭に突き立てられたアフロディーテの薔薇により阻止された。更に薔薇を投げ続ける魚座の聖闘士を止めるものは誰もいない。
何事もなかったかのように、アイオロスが咳払いをしながらサガを睨み、アテナへと一応の釘をさした。
「その秘訣は我々には少々刺激が過ぎますゆえ」
沙織はきょとんとアイオロスを見つめ返している。
「戦闘や式典以外の場所では、兜を被らないでおく…というだけなのですけれど…やっぱり駄目だったかしら」
沙織がそういった途端、部屋のなかは『……だよなー』という微妙な空気に包まれた。
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チャンピオン感想はまた次回にでも!
みな/しごハ/ッチが映画化されていてびっくりです。昔は幼かったので、みつば/ちマ/ーヤとのお話の違いが理解できていなかったですよ。主人公のハチの区別はついていましたが…マーヤがみつばちで、ハッチはあの外見から憶測するにスズメバチかな?あれ?今でも区別ついてない?
イ/デオンとガ/ンダムは主人公を含め、完全に区別がついてませんでした。どうして主人公の髪の毛がたまに増量されて顔が怖くなるのか、気になってはいたもののまさか別人だとは。
でも大人になった私はサガとカノンの区別がつくようになりました!えへん!これが更に進むと、サガカノ本とカノサガ本を表紙を見ただけで見分ける事が出来るようになるんですよね!…それはまだたまに間違えます。
でもどっちも好きだから問題ない。どうせ両方買う!(`・ω・´)
拙宅の双子は、カノンがサガのフリをしていると見分けがつかない設定ですが、ムウ様は独自の技で双子を判別させますよ!
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「私ならば、どちらがサガなのか皆にも判るように出来ますよ」
さらりと言うムウを皆は半信半疑の目で見た。
衣服まで揃えて兄のフリをしたカノンは、サガと並ぶと本当に瓜二つで、とても違いが判るようには思えない。
(しかしムウだからなあ)
何か判別手段があるのかもしれない。ムウは根拠のないことを断言したりはしない。
「どうやるんだ?」
誰よりも判別方法に興味のあるだろうアイオロスが、少し期待を込めた顔で尋ねると、ムウはおもむろに皆へ言い放った。
「シオン様を殺して教皇になりかわったサガはどちらだと思いますか」
とたんに片方が暗雲を背負い、ずーんと地の底まで落ち込んだのを見て、皆はその人物…サガへ同情の目を向けた。
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ムウ様は優しいので、普段はサガの事もこの程度いじめてからかうだけで、過去の事は許してますよ!
毎日ぱちぱち有難う御座います!おかげさまで萌えゲージとやる気を満タンにして仕事へ出かけております(>▽<)
今日と明日は花火大会なのですが、この雨だと中止かなあ…花火目的旅行のお客様もいるので、夜には晴れて欲しいココロ。
そして昨日の妄想の続き。こんなですがサガよりしっかり者の弟です。
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「あれっ?」
いつものように、四畳半の自室へ入ろうとした星矢は足を止めた。後ろから歩いてきたサガもまた、ぶつからぬよう立ち止まる。
「どうしたのだ、星矢」
「いや、中にもサガが…あれ?」
サガが星矢の肩越しに部屋を覗き込むと、中にはサガと寸分たがわぬ姿の青年が、胡坐をかいて星矢の漫画を読みふけっている。
「カノン!」
サガが叫ぶのと、来訪者が顔をあげて片手をひらりと振るのは同時だった。
「突然で驚いたぞ。来るのならば前もって知らせを入れなさい」
「そりゃオレとて連絡したかったが、お前はこの時代の連絡ツールしか持ってないだろ。しかも、使いこなせていないという噂だし」
「う…携帯電話の電話機能は使えるようになったのだが…」
「携帯電話で電話機能が使えなかったら、文鎮と変わらん」
カノンと呼ばれた青年は、サガと同じ顔立ちをしているにも関わらず、その印象はまったく異なるものだった。星矢が恐る恐る口を挟む。
「サガ、この人は?」
「ああ、すまない。わたしとした事が家主に身内を紹介もせず。カノンは私の…」
言いかけられた台詞をさえぎり、青年が自ら名乗る。
「オレはサガの妹のカノンだ、よろしくな、小僧」
「…え?弟じゃなく?」
星矢が思わず聞き返す。しかしカノンは馬鹿にしたように言い放った。
「お前は服を着た猫の性別を一瞬で見分ける事が出来るほど、猫の生態に長けているとでも言うのか」
「いや、どうみても…」
「どうみても妹だろう」
押し切られた星矢は黙るしかなかった。心が女性のロボットだとしても、口調その他に全くその気配が感じられない。ついでに猫にも見えない。
遠い目になっている星矢をよそに、サガが苦笑しながら言った。
「カノン、お前は自宅警備員のわたしと違って頭がいいのに、まだそんな事を言っているのか」
「雄同士ではサガと結婚出来ないからな。それならオレは妹でいい。製造記録も書き換え済みだ」
「結婚届の方を偽造すればいいと思うのだが」
「嫌だね、オレは愛の証はきちんと手続きを踏みたいタイプなんだよ」
「なあサガ…未来ロボット的には妹なら兄弟でも結婚できるのか…?」
隣で星矢がさらに遠い目になっている。星矢には22世紀のロボット工学倫理観はちょっと難しかったようだ。
その星矢をじろりとカノンが睨む。
「サガとてアカデミー創立以来の天才と言われていたのに、こんな小僧のお守りなど」
突然お鉢が回ってきて星矢は目を白黒させた。しかし、その言葉にはサガが反論する。
「失礼なことを言うな。こう見えて星矢は凄いのだぞ。射撃などは世界でも三本の指に入る腕前だ」
「そうなのか。だが聖闘士は武器の使用を禁じられているだろう」
「…あやとりの才能も素晴らしい」
「……ほお」
自分から矛先を逸らすため、星矢は慌ててカノンに尋ねた。
「カノンは何でまたここへ?」
「ああ、そうだった」
手に持ったままだった漫画本を戸棚に戻し、カノンは立ち上がる。
「あのねずみ野郎がこの時代に向かった形跡があった。だからサガのことが心配でな」
「ねずみって、もしかして昨日来たアイオロスのこと?」
「なに、1日遅かったか!あの野郎、痕跡を偽装していたな。くそ、何もされなかったろうな」
サガの顔が曇り、星矢は慌ててフォローを入れる。
「だ、大丈夫!いまのところ何も無かったよ」
「あの男は油断ならん。だいたい兄さんの猫耳はオレが落そうと思っていたのに」
この人、返事のしにくいことばかり言うなあと星矢は思った。
カノンは眉間に縦じわを寄せ(そうするとさらにサガに似ていた)暫し考えたあと、星矢の肩をがっしりと掴んだ。
「サガの安全が確保できるまで、しばらくオレもここで暮らすので宜しくな」
「ええええっ!?」
「1日1回はおやつにメロンパンを用意しろよ」
星矢の返事もまたず、カノンは押入れを開けると、早速下の段を居住用に改造し始めたのだった。
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サガのブラコンぶりもカノンに負けず劣らずということを、まだ星矢は知らないという。押入れを開けると上下段両方に双子がいるというのは、少し暑苦しい気がしないでもないです。ちなみに押入れはサガによって双児宮と名づけられました。
すみません、今日もコメント返信を書くまえに出勤時間になってしまい…夜には必ず!ほかパチパチ下さった皆様に心より御礼申し上げます(>ω<)日々の癒しです。
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また来るからねとアイオロスが去っていった後には、へたり込んだサガと、サガを慰める星矢が残された。
「大丈夫か、サガ。あいつは一体何者なんだ」
「…彼はねずみだ」
「ねずみ?」
「正確にはねずみ型スパイロボット…猫の駆除対象の1つ」
未来科学の発展方向が、いまひとつ理解できない星矢であったが、今はそんなことよりもサガのことが心配だった。
「いつも冷静なサガがあんなに怖がるなんて、一体何があったんだよ」
落ち着かせるように、サガの背中を撫でながら尋ねると、サガは自嘲気味に零した。
「みっともないところを見せてしまったな…家を守る立場にありながら、ねずみをあれほど怖がるなど、わたしは猫失格だ」
「みっともなくはないぞ、ちょっと驚きはしたけど」
星矢の知るサガはいつも大人びていて、何事にも動じず、神のようなという形容に相応しい完璧さを誇る青年だった。それでいて奢ることなく、誰にでも優しい。そんなサガの事を、星矢は大好きだった。
そのサガは憂いに満ちた面差しでうち萎れ、睫毛を震わせている。
「昔、わたしもまだ若くて…仲良くしようと言う奴の甘言に乗ってしまったのだ」
「甘言て…騙されたの?」
「仲良くするどころか、奴は散々わたしを噛んだ後に、あんなことを…」
「………」
「猫耳は落ちてしまい、わたしはねずみに懐柔された駄目猫の烙印を押された。ねずみと猫が仲良くなれるわけがなかったのだ」
「…それ、あのひと的には仲良くしたつもりだったんじゃ…」
あまり深く追求するとやぶ蛇になりそうな予感がして、星矢は曖昧に突っ込む。
しかし、サガは何も言わず溜息をついた。
整った指先で床へ転がったままになっている三笠を拾い上げると、ぱく…とそれを口にしている。
(あ、それでもお土産は食べるんだ)
複雑な顔をしている星矢の前で、サガは黙々と三笠を食べ続けている。
覚えた胸の痛みを持て余しながら、星矢はサガが食べ終わるまで、ずっと黙ったまま隣でそれを見つめていた。
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ぱちぱち下さった皆様に御礼申し上げます(>ω<)日々の栄養剤です。
コメントの返信は次回にさせて下さいね!
どらブレスというか何というかこういう妄想だったわけです。ロスサガです。
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「何で逃げるのかなあ」
四畳半の部屋の隅へサガを追い詰め、アイオロスはにっこりと笑った。
「だだだ、黙れ、何故お前がここにいる」
対照的にサガはといえば、いつもの完璧で穏やかな振る舞いはどこへやら、壁を背にしてあぶら汗を流している。
「ほら、サガの好きなどら焼きも買って来たんだよ。京都の高級店で」
「それはどら焼きではなく、三笠だ!」
「同じだろう」
がさがさと薄い和紙の包みをあけ、現れた半円の和菓子を差し出してみるも、サガの反応は変わらない。
「口移しなら食べてくれる?」
「こ、ことわる」
「傷つくなあ。あの時はあんなに可愛かったのに」
「黙れ!わたしが物識らずだったのを良いことに、あのような不埒な真似を…」
防音設備などない一般家屋ゆえ、言い合いは外まで響いている。部屋での騒ぎに気づいた星矢が駆けつけると、サガは光速で星矢の背に隠れた。
「ちょ…っと、どうしたんだサガ、この人は知り合い?」
「ねずみに知り合いなどいない」
星矢が尋ねても、らちがあかない。
仕方なく、星矢は見知らぬ青年の方へ向き直った。青年は星矢にもニコリと笑いかける。人好きのする笑顔だ。だが、星矢はどこかぞくりとした。
「ふうん、君がサガの、いまの家主?」
「星矢だ」
「はじめまして。俺はアイオロスという。サガに随分と懐かれているようだね」
笑っているのに、その瞳には射抜くような力が篭っている。
(サガを守らなきゃ)
星矢は、何故かそう感じた。
「そういうアンタは一体サガに何をしたんだ。第一ここはオレとサガの部屋だ。無断侵入だろ」
あのサガがここまで怯えるなんて、尋常ではない。
サガを背に庇いつつ睨みつけた星矢を、アイオロスは上から見下ろした。
「ねずみは、無断侵入するのが仕事だからね」
「アンタ、何を言って」
「それに、怯えられる方が心外だよ。俺はサガの猫耳を落としただけなのに」
星矢の目が丸くなる。そういえばサガは以前、自分は猫型ロボットなのだと言っていた。どうみても神の造った造形美の人型にしか見えなかったが、本当は猫耳がついていたらしい。
思わず振り返ると、そのサガは真っ赤な顔で涙目になっている。
「…星矢の前で、そんな話をするな」
「ふうん?随分この子を気にするんだね。妬いていい?」
アイオロスはサガの髪に触れようと手をのばす。しかし、その手を星矢はぱしりと払った。
「サガが怖がってる」
星矢は目の前でなされている会話を理解できたわけではない。
だが、今までみたこともないサガの表情が、正義感の強い星矢の庇護欲をかきたてていた。そのことがアイオロスに対しては逆効果であることは気づかない。
アイオロスは肩をすくめ、面白そうに星矢の顔をみた。
「サガは怖がっているんじゃあないよ。いや、やっぱり怖いのかな」
「何を言っているんだアンタは」
「サガはね、俺の事を好きなんだよ。だけど俺のものになることを怖がってる。俺だけを見る事を恐れてる。何でかなあ」
心底不思議そうに呟くアイオロスを、星矢は絶句して見つめ返した。
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妄想が腐っているのも何もかも暑いせいです(>ω<)