昨日の大掃除SSの続き
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兄のファンだからということを差し置いても、雑兵たちは双児宮の掃除を頑張っているようだった。
(そういえば昼食をここで出すと言っていたな)
カノンは先ほどのやり取りを思い出す。出すといっても黒サガが作るわけはないので、従者に用意させるつもりなのだろう。
「…作ってやるか」
倉庫にある食材を計算しながら、カノンは台所へと向かった。雑兵たちが来てくれたお陰で、カノンの掃除分担が減り、そのくらいの時間が取れるのだ。サガへ自分が昼食を用意する旨の伝言を小宇宙通信で送り、下ごしらえの必要なものに手を付ける。
しかし、ジャガイモを剥き終わったあたりで、妙に雑兵たちの数が増えているような気がして、カノンは手を止めて小宇宙のカウントをしてみた。やはり増えている。
首を捻りながら食材の計算のし直しをしていると、サガから連絡が入った。
(人数が増えた)
(ああ、それは判っている。しかしお前も好かれたものだな)
(いや…増えたのはおまえのせいというか…昼食をお前が作ることを話したら、どこで聞きつけたのかお前のファンが集まってきてな)
(……)
何だそれは、とカノンはまた遠い目になったが、掃除の人手が増えるのはいいことだ。
カノンの手料理がずらりと卓上に並ぶ頃には、双児宮は今までにないほど磨き上げられ、塵ひとつなく白亜に輝く状態となったが、黒サガファンとカノンファンの雑兵が入り乱れる昼食会はとても濃い空間だった。
(二人で掃除をしたほうが、これほど疲れんぞ…)
カノンは雑兵たちのパワーに圧倒されながら、こっそり心の中で呟いた。
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食後の皿洗いは雑兵がやらされます。
今日もぱちぱち有難うございます(>ω<)本日も仕事を頑張るぞー!
職場は今日から怒涛のノンストップ8連勤なので、昨日あわあわと頑張ってSSや落書きのまとめをしたりしてました。
掃除もしよう!と思って写真にあるお魚型部屋クリーナーを買ってきたんですが、買ってきただけで満足してしまい、箱も開けていません。
双児宮も年末に向けて大掃除しないかな!
そうじきゅうなだけに。
Σ(゜◇゜)掃除にかこつけて入れてもらえる雑兵いいな!
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海界仕事で帰りが遅くなり、朝はゆっくり布団のなかで過ごそうと思っていたカノンは、宮に侵入するいくつもの気配を感じて仕方なく寝台からおりた。同じ辺りにサガの気配も感じるので、たとえ敵であろうが問題ないと思われるが、幼い頃から潜み暮らしていたカノンは他人の気配に敏感で、とても落ち着いて眠っていられないのだ。
銀盥に汲んである水で顔を洗い、入り口の方へと顔を出すと、そこには髪の黒い兄と幾人かの雑兵たちがいた。彼らは一様に箒や雑巾を持ち、黒サガの指示を仰いでいる。
おそらく宮の掃除をさせるつもりなのだろう。というかそれ以外考えられない。
それにしても、とカノンはその様子を眺めた。
(雑用をさせられるってのに、何でそんなに嬉しそうなんだお前らは)
雑兵たちの顔はいずれもやる気に満ち、明るく輝いている。
作業手順の説明が終わると、雑兵たちはそれぞれの分担場所へと散っていった。掃除をする領域には迷宮の力が働かぬよう、黒サガが調整をしてやっている。
「おはよう…何だあいつらは?」
カノンが声をかけると、黒サガは自身も掃除をするためか、髪をアップにしながら答えた。
「この広い宮内をわたしとお前だけで掃除するのは面倒ゆえ、彼らへ手伝うよう申し付けたのだ」
「ああ、それは判る。しかし随分と協力的な連中だな?」
さきほどの彼らの嬉しそうな顔を思い出し、カノンは首をひねる。
「礼を出すからではないか?昼食は双児宮で用意すると言ってある。雑兵にとって黄金聖闘士用の食事は馳走だろう」
階級社会である聖域において、身分の差は各所に現れる。食事や待遇などもその1つだ。その代わり、いざ戦闘となれば最も危険な場所へ先陣を切って飛び込むのが上位聖闘士の役目となるのだ。
「その程度であの喜びようか…?」
しかし、カノンは何となく納得がいかない。どうもそういう喜びようではなかった気がするのだ。しいていえば熱狂的なファンがアイドルを目の前にして舞い上がっているような。
「ああっ!」
突然叫んだカノンを、黒サガが『なんだ』という目で見る。
「あいつら見たことがあると思ったら、いつものお前のファンだろ」
「ファンかは知らんが、よく見る顔ぶれだな」
「お前、風呂場とか自分の部屋も掃除させるとか言ってないだろうな」
「言っているに決まっているだろう。捨てるもののなかで欲しい物があれば持ち帰って良いとも伝えてある。わたしには必要のない物でも、雑兵にとっては貴重であったりするものもあるからな」
すなわち、2~3回着用したものの趣味にあわなかった高位聖闘士用の稽古服の古着であるとか、皮のナックルであるとか、風呂用小物などだ。
要らぬ品々を下位のものへ譲り渡すこと自体は、リサイクルの面からも推奨されるべきことだろう。
しかし、カノンは遠い目で兄へ注意を促した。
「…お前、連中に拾った髪の毛とか持って帰られないように注意しろよ」
「彼らはそんなことはしない」
「まあ、そこまでしないかもしれないが…お前罪作りなのかサービスがいいのか…」
「何を言っているのかよく判らん」
複雑な顔をしているカノンを置いて、黒サガは布巾を片手にさっそく柱を磨き始めた。
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私が雑兵だったらサガの私室に入れてもらえるだけで感激ですよ。
今日もぱちぱち有難うございます!出勤前のカンフル剤です(>▽<)
毎年クリスマスにはお友達とケーキ交換をしています。
左の写真は今年頂いたケーキ!近所でしたら一緒に食事に行ったりしたいのですが、お互い仕事もあり、この時期忙しいのでなかなか会えない代わりです。
サガとカノンが聖域と海界でそれぞれに仕事があって会えないクリスマスイブなどでも、お互いケーキ贈りあったりしていればいいなと思いました。
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「シードラゴン。聖域から何か届いているぞ」
リュムナデスが包装紙とリボンに包まれた箱を持って、仕事場のカノンを訪れた。
机に積みあがった決裁書類に埋もれていたカノンが、その声を聞いて顔を上げる。海界にいる自分へ物を届けるようなことをする人間は数名しか思い浮かばない。案の定差出人にはサガとある。
「一体なんだ」
わざわざ送り届けなくても、仕事が終われば双児宮へ戻るのだから、そこで渡せば良いような気がするのだが。
ガサガサと音を立てて包装紙を剥ぎ取り、開けてみるとそこには大きめのケーキとメモが入っていた。メモにはこんなことが書かれている。
『仕事お疲れ様。デスマスクがケーキを作ってくれたので仕事の合間にでも食べてくれ』
「……」
海闘士の弟の職場へケーキを送りつける聖闘士の兄。ある意味平和の象徴かもしれないが、もう少しけじめというものを考えた方が良いのではないだろうか。
無言でそのメモに目を通していたカノンは、しかし末尾に書かれている添え書きを読んで、何ともいえない表情になった。
『カノンと海将軍の皆さん用』
「……」
そういえば、今夜はクリスマスイブであることを思い出す。海神の僕である海闘士には関係のないイベントだが、ポセイドンは冬至に恩恵をもたらす神でもあり、その役割はドイツでのHold Nickarをまたぎキリスト教を通じてThe Sailor Nickarという名で聖ニコラスに引き継がれている。
そう考えると、あながち海界がこの日に無縁というわけでもない。サガのことだ、その辺りも踏まえて、差し入れをしたのだろう。
…差し入れやイベントにかこつけて、カノンと他の海将軍たちの交流を図らせようとする意図が、思いっきり見えているプレゼントではあるが。
「ったく、過保護なんだよ」
呆れ混じりに呟いた横で、「ほんとだな」と同意したカーサを小突いておく。
気恥ずかしさを抑えながら配ったケーキは概ね好評で(ソレントですら厭味を言わなかった)、和やかな同僚に囲まれたカノンは、明日のクリスマスだけでも兄のもとへ帰ろうと決意した。
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海将軍とカノンが仲良くやっていて欲しいと願う、おかんなサガ。
罪滅ぼしのためにも海界での仕事を頑張れと思いながらも、翌日カノンが帰ってきてくれたら物凄く大喜びしますよ!
今日もぱちぱち有難うございます(>▽<)毎日癒されております。
朝からLC双子妄想。
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まだ陽の気配もない早朝、デフテロスはぱちりと目を覚ました。
朝食をつくるのはデフテロスの分担だ。そのため、兄よりも早起きしてパン生地をこね、生地をねかせている間に水を汲みにゆく。途中で果物やハーブを採ることもあれば、街で卵を入手することもある(鶏小屋から勝手に貰ってお金を置いてくるというやり方だが)。戻ってきたらパンを焼いて、兄が顔を洗うための乾布と水盆の用意する。もちろん兄の目覚めに合わせてハーブティーを淹れることも忘れない。結構忙しいのだ。
だがその前に、隣に眠るアスプロスの寝顔をじっと見る。デフテロスにとって、この時間が何よりの至福だった。アスプロスも目を覚ませば離れていってしまうので(それが普通だが)、密着した状態で思う存分兄の顔を眺めていられるのは、このときくらいなのだ。
兄は小さく寝息を立てながら枕に頭を預けている。眠っているときは昔のように安らかな表情だった。挑発的で上から目線の瞳も閉ざされている(もっともデフテロスは、そんな風にはちっとも思っていなかった)。
だが、今日は凝視しすぎたのだろうか。アスプロスもぱちりと目を開けた。
「…どうした?デフテロス」
寝起きの、少し甘ったるいような半睡の声。
この声を聞くのは、生涯自分だけでありたい。そんな衝動に駆られたデフテロスは、思わず兄に尋ねた。
「嫁(俺)が欲しくはないか」
突然の問いにアスプロスは目を丸くしたものの、すぐに答が返った。
「いらん(お前がいるから)」
返事を聞いてちょっとがっかりしている弟の反応をみた兄は、デフテロスが家事や自分から解放されたいがための問いだと思い込み、「明日は自分が朝食を作ろう」などと見当違いの思いやりを発揮している。
当然括弧内の思いは相手に届くことはなく、今日も双子は擦れ違い両思いのまま、兄弟としての一線を越えることなく一日を過ごすのだった。
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昨日はカノンの記憶喪失話の続きをもそもそ書いていたのですが、なかなかサガが思いっきりカノンを甘やかす場面まで行き着かない…いや彼らの場合はサガが甘えた方がカノンは喜ぶのかも…(>ω<)
今日もぱちぱち有難うございます!出勤前の心の癒しです。
私「分かった、いつ?」
親「12月25日がいい」
私「今からクリスマスΣ(゜◇゜)!?とれないよ!混んでるし、もう少しずらしなよ!」
親「じゃあ12月18日」
私「明後日!?それも土曜日!」
…という話があったのが16日の夜22時すぎ。
せめて1ヶ月前に言ってくれれば安く取れるのにモー…何とかオフィシャルホテルを押さえ、両親+お目付け役の弟の分も含めた3人分の宿泊料金はクリスマスプレゼントということにしました。
私「ディズニーランド近くにとったよ」
親「よく見たらディズニーシーのだった」
私「ちょーΣ(゜◇゜)!」
もう知らん。
という脱力感を妄想にぶつけたLC無印クロスオーバーネタ
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仕事から帰ったカノンは、リビングでノートパソコンのキーボードを軽やかに打っているアスプロスを見て目をみはった。
アスプロスとデフテロスは、時空のねじれによって過去から現代へ飛ばされてきた前聖戦の双子座聖闘士で、数日前に突如現れて以降、双児宮預かりとなっている。
18世紀のヨーロッパと現代の生活水準にはかなりの差があるものの、聖域内で生活する分には大差ないだろうということで、彼らには基本的な生活規則や諸施設の場所などしか説明をしていない。細かいことは日を置いて、現代に多少慣れてから案内をするつもりだったのだ。
アスプロスが顔を上げ、あっけにとられているカノンを見た。
「何を突っ立っている?」
我に返ったカノンは慌てて帰参の挨拶をして、アスプロスへ問うた。
「そ…その機械はどうしたのだ」
パーソナルコンピュータという名称を使わなかったのは、その単語がアスプロスに理解できぬかもしれぬという気遣いからだが、アスプロスは鼻で笑った。
「便利そうだったので、購入してきた」
「金は?」
「カードだ。支度金代わりに聖域名義のものを渡されている。現代に籍がなくともこの形式ならば現金を持たずに済み、しかも金を自由に動かせるからな。便利なシステムだ」
「し、しかし、その機械の使い方を知っているのか」
「子供でも使える玩具のようなものだ、使用説明書もついている。インターネットとやらの仕組みは、隣宮のキャンサーに聞いたしな」
言われてみると、アスプロスの使っているノートパソコンの画面には、有名検索サイトの頁が開かれている。
「…聖域にはISDNしか通っていないはず…それも十二宮以上で線が引かれているのは教皇宮くらいだ。この双児宮には電話線すら来ていないのだが…」
驚きのあまり、気遣いも忘れて現代用語をそのままに呟いたカノンは、そこでハッと息を呑んだ。
「空間を繋いでいるのか!」
ジェミニの空間把握の能力で、双児宮の一部の空間に手が加えられていることにカノンも気づいたのだ。アスプロスは何でもないことのように肯定する。
「ああ、ようはパケットをプロトコルに則って基地局とやらへ届ければよいのだろう?余っていた海外支局の無線LAN回線を1つ借りて、空間を繋げている」
「……」
テーブルの上には、デスマスク所有と思われるインターネットの専門書がおかれている。カノンは内心舌を巻いた。そういえばこの男は、スターヒルに秘匿されている秘儀や知識の数々を、忍び込んで盗み見た程度で物にしたという。
18世紀において相対性理論をも理解する才を持っていたとシオンも言っていた。頭の巡りがいいという言葉では追いつかない。ほとんど天才だ。
たった数日で、アスプロスは現代に馴染み、知識と文化を吸収している。
黙ってしまったカノンに、アスプロスは肩をすくめた。
「馬鹿にしているのか、お前の兄もこの程度のことはこなすだろう?」
「サガは…それはサガなら出来るかもしれないが」
神のようなと讃えられたサガならば、確かに初見であれ何でもそつなくこなす。1を見て10を知る黄金聖闘士のなかでもサガは飛びぬけている。しかし、そんなレベルの化物はサガくらいだとカノンは思っていたのだ。
「フン、正規の双子座の守護者を侮らないでもらおう」
ちなみに、アスプロスは現代双子座の正規の主をサガとみなしている。「兄だから」というそれだけの理由でだが。弟はあくまで「二番目」らしい。
話しながらもアスプロスの指はキーを打ち続けている。なんとなしに覗いていたカノンは、言葉を詰まらせた。
「ちょ…っと待て。お前、聖域のカードで一体何を申し込んでいる」
「マカオのホテルだが」
「何のために!しかも五つ星ホテルのスイートルームだと!?」
「この特別行政区はカジノが盛んなのだろう?デフテロスと楽しんでこようかと」
「そんな事のために公費を使うな!」
「安心しろ、これは資金獲得も兼ねている。今後の生活費を稼いだうえで、今まで支給された分は倍にして返す。聖域に養われるのは不本意なのでな」
「……聖闘士の能力を、金儲けに使うつもりか」
「何事も臨機応変だ」
カノンをして眩暈を起こしそうになる唯我独尊ぷりである。
突っ込むのも面倒なので、カノンは今の話を聞かなかったことに決め、このあと帰ってくるであろうデフテロスがアスプロスの暴挙を止めることが出来るどうかを、こっそりデスマスクあたりと賭けでもしようと考えた。
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本気だせばカノンやデフテロスも同じレベルです。
とりあえず、こちとらクリスマスも年末年始もボーナスもないわー!