ここ暫くバタバタしておりました(>ω<)コメントの返信が遅くて申し訳ないです。今夜にでもご返信させて下さい。でも1個は誕祝い企画さまに投稿させて頂きました!
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海将軍筆頭の誕生日祝いをしないかと言い出したのはイオである。
「は?あんな男のために何故です?」
ソレントが真っ先に辛らつな返事をした。
聖戦後に蘇生を果たした海将軍の面々は、シードラゴンが実は双子座の聖闘士でもあり、己の野望のために海界を利用しようとしたことを既に知っている。
その後、性根を入れ替えて真摯に働き続ける姿をみて、少しずつ許してはいるものの、微妙な距離はそのままだ。
「それでも海将軍筆頭ではあるし、皆が歩み寄るいい機会なんじゃないかと思って」
イオの言葉にバイアンも頷いた。
「海将軍は1枚板であるべきだ。過去はともかく、軋轢は無くした方が良いのではないだろうか。対外的にも」
「それはそうですが…」
海将軍内に不協和音があるとなれば、他界につけ込まれやすい。その原因が筆頭ともなれば、必ずそれを利用され、海界内での不満の声を大きくするための材料として用いられ、扇動もされるだろう。
「そういった難しい話はともかく、戦後の復興については、何だかんだ言ってあの男の世話になっているのだから、祝いのひとことくらいは良かろう」
「そうですよね。復興することになった原因もシードラゴン様ですけどね…」
クリシュナが言うと、微妙ながら横からテティスも同意する。
そのとき、潮が満ちるように、ポセイドンの意思が響き渡った。
『祝ってやればよい。ただし、あの男は大罪人。公費を割くことはまかりならぬ』
突然のポセイドンの降臨に、皆は驚きながらもその場に膝をつく。
こういった場面に慣れているソレントが、皆を代表して疑問を口にした。
「恐れながら、ポセイドン様は海龍をお認めにはなっておられぬと言うことでしょうか」
『資格と能力のないものを筆頭にすえたりはせぬ』
ソレントは無意識に安堵の息を漏らした。ソレントだけではない、海将軍たちは一様にほっとした顔を見せている。カノンに反発しながらも、ポセイドンが彼を大罪人呼ばわりした事で、もうシードラゴンとは認めていないのではないかと、不安が先立ったのだ。
「では、個人的に祝う分には問題がないということで宜しいでしょうか」
カーサが問うと、ポセイドンは『好きにするが良い』と答えた。
結論が出て皆が解散したあとには、ポセイドンとソレントだけがその場に残った。
「あの人を海龍とお認めになっているのに、公費を許さないと言うのは、どうしてなのでしょうか」
ポセイドンはといえば、話しやすいようにだろう、何時の間にかジュリアンの似姿をとって、面白そうにソレントを見つめ返している。
『関係回復のためならば、個人的に祝われた方が良かろう。それに、公行事として祝うと批判も出る。海将軍の中にはまだまだ複雑な者もあろうからな』
ソレントは顔を赤くして横を向いた。暗に自分のことを言われたと感じたのだ。
「しかし、公の立場で祝う事は、海龍に対してポセイドン様の許しが出ている事を、広く知らしめる格好のパフォーマンスにもなります」
『それについては、私の名で贈り物を出せば、同等の効果を得られよう』
ポセイドンは暖かい声で海魔女を諭した。
『なにより、そのようなことで公費を無駄にすることを、海龍自身が嫌う』
「それは確かに…」
復興作業は今も現在進行中で、忙しい日々が続いている。行事とした場合、式典や格式なども整えねばならず、時間やお金も相当必要だろう。
『ただ、無駄でなければ私もあの男も費用は惜しまぬ。実行した場合にかかる経費を算出し、その金額は水害で被害にあった地域へ寄付としてまわしてやるが良い』
「…そうですね。」
ポセイドンが意外なほどにカノンを理解している事に対して、沸き起こった感情は喜びなのか焼餅なのか、ソレントは複雑な気持ちでその場をあとにした。
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昨日は富士の裾野で芝桜で有名な場所と、ふくろうで有名な某植物園を見に行って参りました…私以外の家族が(>ω<)。くー!
でも、お土産と見せてもらったふくろうの写真が超可愛いかったです。猛禽類め。
アテナとフクロウは縁が深いですが、流石にあの聖域の岩山十二宮には住めなさそうかな?ただ、野良猫は迷い込むのが難しそうな砦ですが、翼を持つものなら普通に迷い込みそうな気もします。あの砦はアニメの天闘士のような翼を持つ敵が天から飛んできたらどう対処するのだろう…
全然関係ない海界ネタ
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「なあ、カーサは双子にはよく化けているよな」
海将軍の集う休憩室で、イオがリュムナデスへ話を振った。
良くある世間話ともつかぬ交流のひとときだ。
「双子で片方は二重人格。化けるのも心を視るのも良い鍛錬になるのだ」
「ああ、それでかー。黄金聖闘士ならアクエリアスもたびたび来るのに、そっち相手にはあまり化けてないなーと思って」
「いや…あちらはあちらで良い鍛錬になりそうなのだが…」
カーサが言いにくそうに口を噤む。
「アクエリアスには遠慮しているのか?」
「アクエリアスにというより、アイザックにだな」
同僚の名を出され、イオは首を捻る。
「そりゃ自分の師相手に何かされたら怒るかもしれないが、許可を貰って化けるだけなら特に問題ないのでは?」
「それが問題なのだ」
「なんで」
不思議そうにイオが尋ねると、カーサは肩をすくめた。
「アクエリアスには弟子が二人居る」
「ああ、知ってるぞ。アイザックの弟弟子が白鳥座の聖闘士なんだろう?」
「そして俺が映すのは最愛の人間の姿だ」
「あー…どっちの姿になっても、アイザックの立場だと微妙なのか」
「実は心だけなら覗かせて貰った事がある。アイザックとキグナス以外の姿をとれば無難なのではないかとな。しかし、その二人と並んで浮かんだ金髪の黄金聖闘士も…こう…これがアクエリアス最愛の姿だとアイザックに見せるのはどうも…」
「確かに最愛の人間が同列で何人も居ると、意外と気を遣うかも」
「だろう?」
戦闘相手に対しては無敵に近いリュムナデスの能力も、同僚に対しては気苦労のほうが大きくなる事が多々あるのであった。
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今日も仕事に行ってきます!
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「記憶が巻き戻っているとは、どういうことだ」
出されている手を振り払い、食って掛かる勢いでポセイドンへ尋ねる。しかし、答えが返る前に部屋の扉が突然開いた。
びくりとそちらを見ると、そこには白の法衣を着たサガが慌てもせずに立っている。敵神の前であるというのに何故そこまで落ち着いているのかが判らない。いや、サガは簡単に動揺するような男ではないが、何か違和感を覚える。
法衣の裾を床に滑らせるようにして、サガはゆっくりと歩いてきた。
「カノン、あれほど世話になっておきながら、ポセイドン様を忘れるとは」
「何の事だ」
「わたしの事も忘れてはいまいな?」
サガは常にきらきらと神のような小宇宙を振りまいているが、それは海神の前でも変わりなかった。不自然なほどにいつもどおりのサガは、真っ直ぐに寝台脇まで進みより、オレの顔を覗き込む。
「サガ、一体全体何なのだ。何故ポセイドンがお前を呼ぶことが出来るのだ。オレがポセイドンの世話になっただと?」
どこか気持ちの悪さを感じながら、矛先をサガへ向けると、横からポセイドンがそのサガの肩を抱いた。サガは特に嫌がる素振りも無く、好きなようにさせている。
そうしてみると、ポセイドンとサガは自分の知らぬ間に知己を結んでいたのだろうか。しかし、くそ真面目で聖域かぶれのサガが、敵神と通じるようにも思えない。神嫌いのサガの中の闇の精神はなおさら。
では何らかの精神支配をポセイドンから受けているのだろうかと観察するも、そのようには見えない。
衝撃を見透かしたかのように、ポセイドンが口を歪めて笑った。
「何もおかしくはない。この者もお前も、共に我が海将軍なのだから」
「ありえない」
オレは断言した。オレはともかくサガがというのはありえない。オレが記憶を失っているというのは確かなようだが、おそらくそれを利用して海神が双子座に何らかの罠をしかけようとしているに違いない。
「サガ、説明しろ!」
だが、そのサガはにこりと微笑んで言い返した。
「本当に忘れてしまったのだな。わたしはリュムナデスだ」
その口調はあくまでいつものサガそのものだった。
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わー時間がなさすぎる。また夜に推敲+書き足しするかもです。
仕事に今日もいってきます。
それはさて置き、昨日のカノン妄想SS。
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カノンが目を開けると、見知らぬ人間が顔を覗き込んでいた。
いや、この強大な小宇宙は人間ではないだろう。カノンをして身をすくませるほどの圧倒的な力。それを惜しげもなく無造作に振りまきながらも、あくまで自然体だ。持っている小宇宙の総量が人間とは桁違いなのだ。
「…誰だ?」
と尋ねると、相手は面白そうな顔をした。
「なるほど、このポセイドンのことまで忘れるとは」
「海王だと…!?」
反射的に小宇宙が高まる。聖域に暮らすものでなくとも、ポセイドンの名を知らぬものはいないだろう。その神が何故、いや、そもそも何故自分がこのような状況にあるのか、まったく覚えが無い。
改めて辺りを見回すと、白を基調とした部屋の中に、自分は寝かされているようであった。
とりあえず、害意はないように見えるが、油断はならない。
ポセイドンと名乗る男は、まだ若く見える。自分よりも幾分年上といったところか。苦労を知らなさそうな顔立ちに不釣合いな、他者を跪かせずにおかぬ王者の気品。
冷静に検分しながら、脳裏で脱出の計算を働かせていたカノンは、突然ポセイドンが噴出すのを見て眉を顰めた。
「この依り代は、今のお前よりも年下だ。それから、逃げ出す算段など考えずとも良い。お前の兄に知らせは出したゆえ、そろそろ迎えに飛んでくるだろう」
「心を読んだのか!」
「お前が判りやすい顔をしているだけの話よ」
機嫌が良さそうに話すポセイドンとは裏腹に、カノンの表情は険しさを増す。状況が全く掴めないのだ。今、兄を呼んだと言っていたが、何故ポセイドンがサガを知っているのだろうか。
(いや、そんな事よりも)
カノンは戦慄した。ポセイドンは兄を呼んだと言っていた。それが双子座のサガと知ってのことならば、双子座が二人居るという聖域の秘事を、他界の主神が知っているということになる。
(オレのせいで、知られたのか?意識の無い間に、脳を探られたということも有りえる)
拳を強く握り締める。どうサガに、聖域に言訳をすればいいのだ。
「そのように毛を逆立てずともよい」
ポセイドンは完全に面白がっている。何が面白いのか判らないが、神からすれば人間の矮小な様子自体が、滑稽に見えるのかもしれないなとカノンは思った。
「サガを呼んでどうするつもりだ。オレを人質に脅すつもりならば無駄なことだ。サガは…兄は私情になど流されん。いつでもオレを切り捨てるだろう」
それでも、臆することなく言い放つと、ポセイドンは目を丸くして…腹を抱え、神にあるまじき様子で爆笑した。
「確かにワイバーンの申していたとおり、記憶が巻き戻っているようだ」
「何!?」
想定外の言葉をかけられたカノンは、その内容の意味するところに絶句した。
「シードラゴンのカノンよ、お前はいま記憶を失っている」
呆然としているカノンの頭を、慰めるようにポセイドンの手が撫でた。
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あわあわ、もう出社時間なので途中まで!今日もぱちぱち有難う御座います。返信は夜にさせて下さいね(>▽<)
今日も暖かくていいお天気です。洗濯をしまくりたい。GWまでずっとこんな天気ならいいのになあ。主に職場の商売繁盛的な意味で。
寒い時期だとデフテロスにくっついて寝ていたアスプロス兄さんが(デフが湯たんぽ代わり)、暖かくなってきたので普通に寝るようになって、寝やすいのだけれどもちょっと物足りないデフテロスとか妄想しているんですが、暖かくなったらなったで外で膝枕シェスタすればいいのだという当たり前の事を、私も妄想内デフテロスも先ほど気づきました。
デフテロスはカノン島で我を磨きましたけど、我とは何かをきちんと知らない弟君が、他人の居ない場所で一人で磨く「我」ってどんなだと思うと、多分「まず一人で立つこと」系の基本部分だと思うのですが、独学なだけに、たまにピント外れだったりしても可愛いな!
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暖かな午後の日差しの中、アスプロスは小さくあくびをした。土地の痩せたカノン島の山肌にすら、あちこちに淡い緑の絨毯が見える。春が来たのだ。
風に乗って流れてくる草の匂いと、ぼんやりとした気だるい陽気が、よりいっそうの眠気を誘う。
小屋へ戻ろうかと考えて、アスプロスはやめた。空には青が広がっているというのに、屋根の下で眠るというのも勿体無い。
「デフテロス」
弟を呼ぶと、すぐ目の前の岩の上へ、褐色の肌をした自分の写し身が転移してきた。
「どうしたのだ、アスプロス」
「眠い」
「良い天気だからな」
「ああ、それでお前を呼んだ」
「?」
「枕になれ」
「……??」
「お前の膝を貸せと言っている。横になりたいのだが、この辺りは火山が近くて土地が固い」
そのまま寝ても心地が今ひとつゆえに、枕代わりをしろということだ。
「………」
デフテロスは多少戸惑っている。己が枕扱いされることは、模造品扱いされるのとどう違うのか一生懸命考えている様子である。
アスプロスはそんな弟の戸惑いなど無視して引き寄せ、その場に座らせるとさっさと膝に頭を乗せた。
「兄さん、俺はまだ良いとは返事を、」
「悩んでいる時間に膝を有効活用させろ。俺が起きた頃までにはお前の中で答えも出るだろう?」
弟の困惑になど全く配慮する気のないアスプロスは、さっさと目を閉じて眠りについた。
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でも弟が一生懸命考えて、シェスタ後の兄に自分の考えを話そうとしても、兄はそんなことはもう忘れてますよ。