星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
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妬きかたも我侭なアスぷの場合。
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デフテロスが兄へ乙女座アスミタの宮に出かけてきた事を伝えたのは、同居家族への一般的な日常報告であること以外に、自分が外の世界に繋がりを持っていることを話したかったからでもあった。
かつてのデフテロスは、聖域の閉鎖的な因習により差別され、兄の影としてしか存在する事を許されなかった。デフテロスはそれを受け入れ、ただひっそりとアスプロスの後ろで息を潜めて生きていた。
今は違う。むかし兄が望んだように、二人ともに光の下で生きている。互いに自立して己自身の世界を持っている。アスプロスが心配して邁進する必要はないのだと伝えたくて、デフテロスは珍しく饒舌になった。
処女宮で聞いたアスミタの説法は難解だがなかなかに面白く、兄ならばどのような解釈をするのか聞いてみたくもあった。
だからデフテロスは、話すうちアスプロスの機嫌が次第に傾いている事に気づかないままだった。

話が終わるまで黙っていたアスプロスは、ふいに立ち上がった。
「それほどアスミタが良いのならば、好きなだけ遊びに行けばいい。俺も杳馬のところへ行く」
兄が何を言っているのか判らなくて、デフテロスの頭は真っ白になった。気づけば向けられているのは冷たい視線。何故アスプロスが嫌っているはずの杳馬の名前が出てくるのかも判らない。
「アスプロス…」
何とか絞りだした呼びかけに振り向きもせず、アスプロスはそのまま外套を羽織り本当に出て行ってしまった。
デフテロスはひとり小屋に残される。
兄と二人でいたときの楽しかった気持ちもすっかり冷えて、デフテロスは固まったまま動けない。
どうして兄が怒ったのか、まったくわからず途方にくれている彼には、アスプロスが杳馬のところへなど行かず、ひとり活火山の噴火口で月を眺めていることなど、知るよしも無かった。

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でもこんな状態のところを杳馬が知ったら、すかさずアスぷにちょっかいだしますよね。杳馬アスでアスデフアスな関係は本当に美味しくて困ります。
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