4/1のタナサガ結婚シリーズのどうでもいい小話
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『●に当てはまる文字を入れよ』という問いのあとに書かれていた言葉は、『はだか●●●ん』という日本語だった。
カノンにその紙切れを見せられたアイオロスは、何だという顔をしながらも、すぐに「はだかいっかん」と書いてカノンに返す。
カノンは大きなため息をついた。
「…わかった、この話題はお前に振るのやめとくわ」
「どういうことだ。何か間違っていたか」
「いや、お前もサガと一緒で中身はお子様だもんな」
「サガの話なのか」
言い争っていると、巨蟹宮へ向かう通り抜けのためにデスマスクがやってきた。カノンが同じように紙を差し出すと、デスマスクの回答は「はだかえぷろん」であった。
「やっぱりデスマスクの方が話がわかる」
「オイオイ何の話だよ」
怪訝な顔をするデスマスクと納得顔のカノンの横で、アイオロスが「はだかえぷろんとは何だ」と尋ねている。
「いや、こないだタナトスとサガの離宮でさ、ニンフが洗濯物をしまってたんだよ。そうしたらエプロンを下着の引き出しに入れていやがるんだ。おかしいだろ!?」
デスマスクは遠い目で「そんな生々しい話題を振ってくんな」と言い捨てて去り、アイオロスは二たび「はだかえぷろんというのは何だ」と尋ねてカノンに頭をぐりぐりされた。
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今日もすみません朝から
それにしてもジャンプ!トリコとワンピースの作家本人同士によるコラボ漫画とか、なんて贅沢!いいなあ!画面に違和感がないのも凄い!作風も違和感なし!…エピGやLCと星矢のコラボ(作者本人による)を一瞬想像してみたんですけど、画面に統一感を出すのが難しくて脳内でも諦めましたスゴスゴ。
原作者によるこういうお遊び漫画的なのっていいですね。御大の「実録!神話会」も好きでした。
たまには自分アピールする黒サガ→シュラ
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肘枕でソファーへ寝転がった黒サガが、遠い目でシュラを見上げている。
「それでその蒟蒻とやらがどうした」
「蒟蒻と言うのは、コンニャクイモに含まれる多糖を利用して加工されますが、本来は白いのです。それにわざわざ海草を混ぜて黒くしているのです。そのほうが人気だからです」
「……」
「アテナのいらした日本では大人気の食材です」
力説している磨羯宮の同僚へ、黒サガはさらに遠い目で話しかけた。
「…シュラよ、お前がわたしを慰めようとしているのは何となくわかる。しかし、一つにはその話で何が慰められるのか全くわからぬ。二つには、わたしは別に慰められる理由がない」
「えっ、しかし先ほどから何か悩んでいるようだったではないですか」
驚いた顔でシュラが語りを中断する。黒サガはこめかみを押さえながら説明した。
「カノンが置いていった作り置きの夕食を、風呂の前に食うか、風呂の後に食うか考えていただけだ」
「すみません、そんなどうでも良いことであんなに真剣な顔をしていると思いませんでしたので…」
「……」
何気に爆弾発言の多い元部下であった。黒サガが反駁する。
「どうでも良いことで悩むのが贅沢なのだと、あの小娘が言っていたからな」
この場合の『小娘』は、アテナを指す。
シュラは納得したようなそうでないような顔で、手に持っていた箱をサガの前へ置いた。
「ご飯は風呂前に食べてください。そうしたら風呂後に俺の持ってきたデザートを一緒に食べましょう」
「なるほど、良い解決策だ…わたしがデザートになっても良いぞ?」
黒サガはソファーから起き上がり、あっけにとられたシュラをその場にのこして、夕食をとりに台所へ向かった。
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でも多分冗談だと思われてるよ!
しかも(貴方をスイーツ扱いするのは無理があります)とか思われてるよ!
今日もぱちぱち有難うございます!御礼は夜にさせて下さい(^▽^)
沸石(ゼオライト)の一覧を見ていたらポルクス石という名前があり、なになに双子座に由来する名前ですか!?ってことはお兄さん石もあるよね!ってことで検索してみたところ、ペタル石(カストール石)という鉱物と名前がペアでした(>▽<)
そんだけのことで朝からテンションがあがるお手軽体質です。
テンションがあがると下ネタが沸いてくるのも困りものということで、以下4/1タナサガネタなミーノス+ラダマンティス+サガ
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まれに三巨頭もタナトスの離宮を訪れる。こちらは純粋に仕事でだ。
タナトスは冥界軍の立場としては彼らの上位にあたるが、三巨頭は双子神の部下のつもりはなく、冥闘士をゴミのように扱われてきた過去から、あまり良い感情は持っていない。
しかし、結婚してから多少丸くなったタナトスを見て、一体どういう新婚生活を送っているのか、興味津々ではあった。何せ相手は人間かつ聖闘士かつ男である。いろんな意味で突っ込みどころしかない。
離宮でサガに茶を出されたミーノスは、さっそく嫌がらせを兼ねたリサーチを開始した。
「意外なことですねえ。かつては嫌々ハーデス様の走狗をしていたと思っていたのですが、まさかその貴方がタナトス様の軍門に下るとは」
「軍門に下った覚えは無い」
さすがにそこはきっぱりと否定したサガだ。彼は聖闘士であることを放棄したつもりはなかった。
「では本当に個人的な好意で結婚をしたのですか?それほどあの方はうまいんですか」
ほとんどセクハラである。
受け答えるサガの方は赤くなりつつも、先日カノンの薫陶を思い出していた。
『新婚者に下ネタ会話を振ってくる奴がいるのは当たり前と思え。幸せを分けてやるくらいの気持ちで下ネタも明るく流せ。ただでさえ冥界は娯楽が少ないからな。楽しい話題で冥界と聖域の結びつきを示すのも外交ポイントになる』
という、カノンなりのアドバイスだ。
確かに恥ずかしいが、そういうものなのかもしれない。猥談などしたことのないサガは照れを押し隠しながらも馬鹿正直に答えた。
「美味いかと聞かれるとよく判らないが、まずくは無いと思う…」
「誰も味覚の話はしていませんよ技巧の話ですよ」
二人の隣で1番の被害者ラダマンティスが、非常にいたたまれない様子で聞こえないフリをし続けているのだった。
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朝から申し訳なく…
13年前の白黒サガ
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『いくらお前が偽ったところで、真実をくつがえすことは出来ない』
愛おしくも小うるさい我が半身が、性懲りもなく今日もわたしを諌めようとする。
「そうでもないぞ」
窓の外には花々が咲き誇り、暖かな風が春眠を運んでくる。
冬にはアイオロスが死んだばかりだというのに、世界はのどかに季節をうつしてゆく。
「事実など簡単に書き換えることが出来る。アイオロスは女神殺害を試みて脱走したのだと、ただ大量に発信しつづければいい。メディアリテラシーなどというものは、比較する情報があって初めて成せるもの。真実を閉ざし、それでも信じぬ者には擁護の方向性を少しいじってやればいい。『アイオロスの反逆が事実か否か』を論じさせるのではなく『反逆者アイオロスの黄金聖闘士としての功罪』のような、一見バランスの取れた捌け口を提供して論じさせてやるさ。みていろ、弟のアイオリアですら、じきに兄を信じられなくなってゆく。事実などその程度よ」
そう笑うと、半身は心の中で首を振った。
『アイオロスにいっとき罪を負ってもらうことについては、もう止め立てせぬ。こうなった以上、聖域をまとめてゆくには、そうするほかない』
「わかっているではないか」
『それでも、誰が知らずとも、わたしたちが知っている。この身が恥知らずであるということを。わたしたちはもっと畏れるべきなのだ』
「神すら殺そうとしたわたしが、一体何を今さら畏れよと?」
『わたしの未だ知らぬ、矮小なわれらなどを超越した何かを』
「フン」
わたしはまた哂った。
「お前もその何かとやらを知らぬのだろう。お前もわたしなのだからな!」
『…何かは知らない。けれども確かにそれはあるのだということを、わたしは、アイオロスに教えてもらったのだ』
名も知らぬ何かを畏れるなど、ススキに幽霊をみて怖れるようなものではないかと思うのに、半身は譲らない。
アイオロスが死をもって遺した何かが、13年にわたってサガを侵食していくことになるのを、そのときのわたしは知る由もなかった。
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昔の黒サガは畏れという感情自体を知らない予感。でなきゃ自分が神になるとか言いだしませんよね…
寝起きカノン
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「朝ごはんにするか?シャワーにするか?それともわたしか」
たいそうベタな台詞が降ってきたかと思うと、かぶっていた暖かな布団が取り上げられ、カノンは寝ぼけまなこのまましぶしぶ目をあけた。
「…言葉と行動があっていない。もうすこし兄らしく起こせ」
「そうか」
返事とともに彼はシーツを乱暴に引き上げる。上に横たわっていたカノンはなすすべもなく寝台の下へ転がり落ちた。
「おい…もう少し優しく起こせといったのだ!」
「文句を言うな。きちんとお前の記憶のなかから選んだサガの動作だ」
ここは海底神殿の仮眠室。寝坊をした海将軍筆頭をたたき起こしているのは、サガの姿をとったカーサだ。
仕事が忙しく、双児宮へ戻る暇もないときには、ここで簡単な休息をとる。
しかし、先日カノンを起こそうとした従者がゴールデントライアングルで飛ばされて以降、彼を起こすのはサガの姿をとったカーサの役目となっている。カノンはサガには手を上げないからだ。
「本物のサガであれば、寝坊をするほど疲れたお前を労わり、代わりにわたしが…などと言うのかも知れないが、あいにくとわたしは本物ではなく、なおかつ仕事はまだまだ溜まっている。甘やかすわけにはいかないのだ」
声色も表情もサガのままに、カーサはシーツを畳んでいる。
もそもそ起き上がったカノンは、がしがしと頭をかきながらその様子を見た。
「いや、思った以上に、似ているぞ」
ぼそりと呟いたカノンへ、サガの姿のカーサは「日々精進しているからな」と答えて二コリと笑った。
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カーサガ。拍手でつっこみを下さったaki様へ(>x<)