本日、原稿を出すために郵便局へ参りました。大分昔に同人活動から離れて以降、ほとんど郵便局には縁がありませんでしたので、知らないサービスが一杯です。
「すみません、速達でお願いします」
「470円ですが、EXPACKを使えば500円でお安く届けられますよ」
「えと、500円のほうが高いですよね」
「そうですね」
「…速達でお願いします」
EXPACKに詳しくないのですが、速達なら1日で着く地域への封筒1枚に対して、より高額なそのサービスを勧められた意味がわかりません(>M<)
それとも追跡サービスつけないと危険な配送状態ですか。ドキドキ。
とりあえず次の原稿を頑張ります。
そんななか、どうでもいいスターヒルの疑問とぐだぐだSSS。
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「むう…やはり動かざるべき北極星がわずかに傾いている。聖戦の予兆か」
スターヒルの頂で、シオンは星を見上げていた。
教皇たる彼の役目の一つに星見がある。星の動きによって災厄の兆しを読み、それに対して万全の策をとるのは、神の代理人としての義務だ。
聖なるスターヒルの祭壇は、教皇以外立ち入ることの許されぬ禁区である。
しかし、その場所へ突如現われた人影があった。
サガである。
シオンは驚いた。この地は黄金聖闘士といえども立ち入りは困難な、切り立った断崖絶壁の頂点にあるのだ。
「どのようにして…」
思わず洩れた言葉に、サガは笑った。
「別に私には困難なことでは…老いたあなたでさえ登ってこれる場所ですからね…」
じっとシオンはサガを見た。笑いながらもサガは苦しそうだ。隠せぬ荒い呼吸をハァハァと繰り返している。
「そのような事を申して、息切れをしておるではないか」
「…いや…これは息切れではなく…心の葛藤で…」
「虚勢を張らずとも良いぞ?」
「…違うと言っておろうが!」
怒鳴り返したサガの髪は、黒く染まっていた。
「大体、教皇以外は立ち入り困難なはずのこの地に、どうして聖堂が建っているのだ!どうやって建てたか不思議には思わんのか!」
シオンは背後を振り返った。
そういえば祭壇のある立派な聖堂がそびえたっている。
「過去の建築職人は黄金聖闘士より優れていたのであろう」
「そんなわけがあるか」
「それより、どうやってお主が髪色を変えたかの方が不思議なのだが」
「見たな、私の秘密を…」
「いや、お主が勝手に見せたのではないか」
「こうなった以上、お前を生かしておくことは出来ん!」
「フ…そのような短気な性格では、ますます次期教皇に向かぬな」
「この妖怪じじい、言わせておけば」
「外見の変化するお主に妖怪呼ばわりされたくないわ!」
黒サガとシオンはある意味似たもの同士だった。
朝まで全力の口喧嘩をしたために力を使い果たした黒サガは、日の出とともに白サガに主導権を取り戻される羽目になり、起こるべきサガの乱は回避されることとなった。
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描こうと思っていた四コマネタを文章にしてみたら本、当にぐだぐだでした。
今日から観光関連の当職場では、夏休み対応ということで大忙しです。
…いいなあ連休の皆様。
サガはバカンスどころか、まともな旅行もした事がなさそうです。
13年間は教皇として過ごしていましたし、その前は修行や任務をこなす毎日で、カノンの存在もありますから優雅にどこかで骨休みなどというのは難しそうな。
もちろん聖闘士として、身体を休めて万全にするのも職務のうちですから、休暇はちゃんとありそうです。そんなときのサガは図書館で興味のある本を読んだり、近場の美術展にいったり、部屋の掃除をしたり、質素に過ごしていたイメージで。
聖戦後はアイオロスがどこかへ連れ出してレジャーの楽しさを教えてくれるといいな!カノンでもいいよ!
そんな惨状。
そんでもってシュラ黒
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シュラが任務帰りに双児宮へ立ち寄ると、そこには馴染みの気配とともに、青銅の小宇宙があった。星矢がよく遊びに来ることは知っているので、気にせず足を踏み入れる。居住区に入り込み、視認で部屋の中を確認できる位置まできてみると、そこには寝相悪く昼寝をしている星矢と、その星矢へ膝枕をしてやっている黒サガがいた。
「何をやっているのですか」
シュラが思わず問うと、黒サガは人差し指を口元に当て、静かにというジェスチャーをする。動作だけ見れば、もう一人のサガが子供達の面倒をみるときによくする仕草だ。
(アレが…もう一人の私が、星矢に膝をかしたようでな。困った)
小宇宙で返される。
白サガと星矢の交流において、二人でシェスタでもしていたのだろう。
片割れが眠ったことによって出てきた黒サガが、気づいてみれば星矢が膝を占領していたというわけだ。
困ったと言いながらもペガサスへ向ける黒サガの視線はとても穏やかで、シュラはなんとなく複雑な気分になった。白い方のサガであればともかく、黒い方のサガがそのような表情を見せる相手はそういない。
(それでは、当分そこから動けないのですね)
シュラは近づいて行って、ソファーへ座る黒髪のサガを見下ろした。
何事かと見上げているサガの唇へ、軽いながらもしっかりと啄ばむようなキスを落とす。
「……シュラ!」
(大声を上げると、星矢が起きますよ)
不意を衝かれて抗議の声を上げようとした黒サガへ、シュラは顔色も変えずに答え、くるりと背を向けて部屋を後にした。
「何をやっているのだ俺は」
彼の想い人が追ってくる確率はかなり低いだろうなと思いつつ、シュラは自分の意外な大人げなさを自覚して、双児宮の外で大きく溜息をついた。
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ロストキャンバス経由のシオンは、そりゃあもうヒュプノスやハーデスが憎いと思うんですよ。シオンの師のハクレイの悲願が二神の封印であるのならば、シオンの悲願はハーデスの打倒のはず。
でも、その憎いハーデスの走狗として十二宮を駆け抜けねばならない運命。どれだけ悔しさを抑えて童虎たちに拳を向けたかと考えると、まさに血の慟哭ですね。
そんなわけで、蘇生組のなかで一番悔しかったのはシオンだと思うのですが、そこで冷静に対応しているのが流石元教皇の貫禄です。演技男優なデスマスクとアフロもある意味余裕の冷静さですが(笑)。
えーと、そんな打倒!冥界軍なシオンですので、ラダマンティスと付き合うカノンや、タナトスにひっかかってるサガを見たら、小姑のごとくご立腹ですよ!とくに後者!
いきなり腐妄想話への転換すみません。
ラダマンティスに対してはその人柄を判ってくれば、戦士としてそれなりに認めても、タナトスに対してのサガの駄目っぷりは許容範囲外でしょうなと。
以下そんな駄目っぷり大爆発白サガSS
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夜半に双子を呼びつけたシオンは、苦虫を噛み潰したような顔をしていた。
「そなた達、冥界の者と付き合いがあるというのはまことか」
参じた双子が膝をついて、拝謁の姿勢を見せると同時に尋ねる。
双子は顔を見合わせた。
何を言われているのか全く理解していない顔で、サガは涼しく答えた。
「三界会議などで面識も増えましたので、交流もそれなりに御座います」
カノンが続けて婉曲に答えのはワザとだ。
「私は海将軍筆頭でもあり、各界との繋ぎを持つ必要がありますから」
シオンや童虎、そして女神の前では語調を整え『私』と称するカノンであった。
教皇はぎろりと二人を睨む。
「そういう意味ではない。おぬしらが個人的に持つ付き合いについてだ」
言外にラダマンティスとタナトスの事だと示唆する。
プライベートな話題を振られて、カノンはがらりと口調を変えた。
「聖域では個人の私生活にまで口を挟むのか?心配せずとも公私混同はしない」
「お前はそうだろうが、相手はどうなのだ。信用出来る相手なのか」
「さあな」
「さあな、ではない。何かあって痛い目を見るのはお主なのだぞ!」
口やかましいものの、シオンはシオンなりに二人のことを心配しているのだとわかり、カノンは苦笑した。
「いや、そういう事ならなおさら口出しは無用だ。何があろうとそれはオレの責任で、聖域に迷惑はかけない。それに、あいつ…ラダマンティスも公私のけじめはつける男だ」
翼竜の名が出たことで、隣にいたサガがようやく今の話題の方向性に気づく。
サガは首をかしげてシオンに伝えた。
「私は別に誰とも付き合っておりませんが…」
「サガよ。お主がよくタナトスを双児宮に呼び込んだり、冥界のエリシオンを訪れていることを儂が知らぬと思うているか」
はっきりと元敵神の名前を出されても、まだサガは良く判っていない顔をしている。
「確かに仰せの通りですが、それが何か…」
「貴様らが大人の関係を持っているのではないかと言っておるのだ!」
具体的に言わねばならなくなったシオンは、内心情けなさに涙した。
サガはどうも人心掌握や他人の気持ちを推し量ることは長けているのに、己に関しては鈍感なところがある。嫌な予感のとおり、まだサガは良く判っていない顔だ。
「それは、寝たことがあるかという事でしょうか」
「そのとおりじゃが、はっきりと申すな!聞きたくもないわ!よりにもよって、何故タナトスのような悪神と付き合っておるのだ」
「その、ですから付き合っておりませんが…」
「なんじゃと?」
「タナトスは基本的に人間など塵芥扱いです。私に対しても気の向いた時に呼びつけるだけで、付き合うなどという対等の関係ではないのです」
シオンは絶句したあと、つとめて冷静に、声を低めて尋ねた。
「つまり、お主は適当に遊ばれているのが判っていて、それに甘んじていると?」
サガは目をぱちくりさせ、少し考えて答えた。
「そう言われてみると、そうかもしれません」
「なお悪いわ!!!!」
「この愚兄が!!!!」
シオンとカノンが同時に叫んだ。
「な、何故カノンまで一緒になって怒るのだ」
「これが怒らずにいられるか馬鹿サガ!」
「私も公私混同するつもりなどないが…」
もぐもぐ弟へ返すサガの頭に、シオンの鉄拳が落ちた。
「もはやそのような問題ではない!黒い方のお前は何をやっておるのだ!もう少し片割れの私生活を監督せよと伝えろ!」
散々二人に怒られたサガだったが、説教の最後まで良く判っていなさそうな顔をしていたことから、二人の怒りの理由を把握していないことは明白だった。
かつて自ら死を選んだ白サガは死の神タナトスの影響を受けやすい。しかし、現状それだけが原因ではなかろうとシオンは頭を抱えた。
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拍手ありがとうございます!返信は帰社後にさせて下さいね!
そんな朝もダラダラな闘衣会話ネタ
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シードラゴンの鱗衣は、ポセイドンの矛を受け止めた時もカノンから外れなかったという。
その話を聞いて、鱗衣の忠義に感心したり弟を守ってくれた事に感謝したりしていたサガであったが、ふと己の所有する闘衣のことを振り返ってみた。
「カノンよ、考えてみたら私の冥衣もなかなか忠義者だぞ。他の冥闘士を倒したり、パンドラへ拳を向けたときですら全く外れる気配が無かった」
「…冥衣はいい加減な性格ってだけなんじゃね?」
「いや、スペクターは冥衣が主を選び、着用者の肉体を変化させて戦士とするものだ。そしてスペクターのハーデスへの絶対的隷従は、他界の闘士の比ではない」
「確かに連中のは忠義ってより、心まで抑制された隷従って感じか」
「そう思うと、私の冥衣は随分と私を護ってくれた。他の蘇り組の冥衣も」
「でもさ、サガ。そんな冥衣でも流石にハーデスに直接拳を向けようとしたら外れるんじゃないか?」
「どうだろうか。その時は冥衣が外れるよりも先に、私達の命が再び奪われていただけの気がするぞ…あ」
「どうしたサガ」
「そう考えると、女神へ矢を当てたのに外れなかったサジッタの聖衣の、着用者への忠義は凄いな!」
「凄いって…お前が女神殺せって命じたんだろう」
ぼそりと小声でカノンが呟く。
「女神への忠義はどうなのだ。サジッタのトレミーとやらは、沙織のことを女神ではなく女神を名乗る偽者だと思っていたフシがあるが、聖衣のほうは女神を間違えようがないだろう」
「ううむ…では、アイオリアが女神に拳を向けたときと同じで、女神の力を信じていたか、これも試練と見守っていたとか…」
「…聖衣のほうがアバウトな性格っぽい気がしてきたぞ」
それでいいのか聖衣とカノンが額を押さえる。
サガのほうは、所持する双子座の冥衣についての新たな発見で単純に気を良くしていた。
「他界の闘衣ということで蔑ろにしがちであったが、久しぶりに双子座の冥衣を磨いてやろうかな」
そんなことを言い出したので、カノンは双子座の黄金聖衣がいじけないように、そちらは自分が磨いてやろうとこっそり心の中で思っていたのだった。
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