星矢関連二次創作サイト「アクマイザー」のMEMO&御礼用ブログ
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駄目な感じのカノンとお兄さんバージョン。
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「13年ぶりに一緒に過ごす弟に対して、サガはそっけなさすぎるのだ」
愚痴をぶつぶつ職場で零していたら、ポセイドンが話しかけてきた。
『そなたはもう少し兄離れしても良いのではないか?』
「判ってますよ、だから愚痴も独り言として誰にも聞かれぬようこっそり吐いていたではありませんか」
『いや、我が海将軍筆頭が、そんな痛々しい理由で一人書類に向かいながら呟いているのをみると、主である私が居たたまれぬ』
「寝てればよろしいでしょう」
無視してペンを走らせていたが、ポセイドンは唐突なことを言い出した。
『そういうな、お前の願いを叶えてやろうと起きだしてきたというのに』
「は?」
『お前の兄が、お前に依存するようにしてやろう』
「出来るのですか、そんなことが」
『神に不可能はない』
「ではオレ無しには暮らせないくらい重度の依存にして下さい」
『…そこは断るところではないか?』
「神に二言はないですよね」
渋々ながらも海皇が頷いた気配がしたので、さっそくオレは仕事など中断して(もともと急ぎの内容でもない)聖域に戻ることにした。


帰ると待ちかねたようにサガが飛び出してきた。
「カノン、おかえり!今日は早かったのだな」
「ああ、予定よりも仕事が簡単に片付いてな」
嘘だけど。
「良かった、寝室用蝋燭のストックが切れてしまって、どうしたらいいか困っていたのだ」
ん?
「あと、洗濯物を干してあるのだが、丁度良い。しまってくれないか」
んんん?
「夕飯はパエリアが良い。しかし食材がないのだ。でもカノンならわたしのために作ってくれるだろう?」
………。

双児宮に戻ったら、兄が生活無能者になっていた。
これはこれで新鮮なので今日一日は楽しむが、明日には元に戻してもらうぞと、オレは心のなかでポセイドンに毒づいた。

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今日もぱちぱちありがとうございます!仕事前の潤いです。
ご返信は次回にさせてくださいね(>▽<)
あたたかくて良い気持ちであった。
そのまま眠りに沈んで行こうとしたところで、右肩が何かに触れる。
壁を背にして腰掛けていたのだが、うたた寝のせいで身体が傾いだらしい。
薄目をあけると、銀の瞳が見えた。タナトスだ。同じように腰を下ろし、肩を並べている。その肩へ寄りかかる体勢になってしまっていたのだ。
慌てて身体を起こそうとすると「構わぬ」との返事。珍しいことである。常ならば、人間が触れることすら許さぬ気性なのだ。機嫌がよいのだろうか。
「仕事だ」との声が返った。働いているようには見えない。
空にはぼんやりと宵の月がかかり、あたりには一面に花が咲きみだれている。するとここはエリシオンか。
そういえば、昼間に星矢へ勉強を教えているとき、冊子にこんな一句があった。
”願はくは花の下にて春死なむ”
そのときに思い起こしたのが、この場所だ。
釈迦の入滅にも絡む歌ゆえ、本当は処女宮にあるあの菩提樹の園のような景色を思い出すのが正しいのかもしれないが、ギリシア人の自分からすると、こちらのほうが馴染み深い。
心やすらぐ場所で、平安のまま死ぬことが出来るのは、最上の幸福だと思う。
タナトスの肩を枕に、ゆっくりと再び目を閉ざそうとしたとき、耳元で羽虫の飛ぶ音がした。虻でも蚊でもない、もっと小さな、それでいて不快な音だ。
タナトスもそれに気づいたのか、手で払おうとしている。
神でも虫を払うのに神力ではなく手を使うのかと思ったら、眠いのに可笑しくなって笑みが浮かんだ。
迷宮を周囲に張ってしまおうか、そうすれば虫など

しかし声のかわりに出たのは空気の泡で、気づけばわたしは湯の中にいた。
いつのまに倒れこんでいたのか、湯を気管支に吸い込みそうになり、慌てて身体を起こす。
顔を水面へ上げれば、そこはいつもの浴場であった。
疲れていたとはいえ、風呂場で夢を見るほどうたた寝するなど、そして湯に沈んでも気づかぬなど、黄金聖闘士としてあるまじき体たらくではなかろうか。
頭の中でもうひとりのわたしが何やら怒鳴っている。いくら風呂好きとはいえ、湯船で死ぬような恥さらしはごめんだ、とのこと。その通りなので黙って聞いておく。頭の中で羽虫が飛んでいるようだ。しかし、起きていたのならわたしと交代して風呂から上がってくれればよかったのに。
立ち上がって脱衣所へ向かう。
落ち着いてみると、何の夢をみたのかは思い出せなかった。


「タナトスよ、お前の仕事を止めはせぬが、私の領分を使って女神の聖闘士へ手出しをするのは越権だ」
眠りの神であるヒュプノスが主張する。苦言のように聞こえるが、ヒュプノスはいつもこのような言い回しをしており、タナトスへの怒りを示すものではない。
タナトスは鼻で笑ったが、これもまたヒュプノスを軽んじてのものではない。
「仕方があるまい、あの男が夢を通して俺を呼んだのだから」
「久しぶりだな」
「ああ」
自死をしたサガは、13年間死を請い願い続けたが、聖戦後、アテナによって蘇生がなされて後は、その願いも控えられていた。
星矢への教鞭で使われたテキストによって、つい死への憧憬が沸き起こったものの、本人に自覚はないまま、ただタナトスが喚ばれたのであった。
「深淵を覗くならば、深淵もまた等しく見返すものだ。人が俺を望む時、俺はいつでも傍にある」
「…随分と人間に親切ではないか」
「お前も言ったろう。これは仕事だ。親切にしているつもりはない」
タナトスは腰を下ろしたまま、目の前に立っていたヒュプノスの手を掴んで引き寄せた。
もう一人のサガの声を、夢のなかまで届けたのはヒュプノスの力に他ならない。ヒュプノスはため息を零して、タナトスの横へ座る。先ほどまで、サガのいた位置へ。
「聖闘士に手を出すとアテナが煩いぞ」
「ふむ。お前がそう言うのならば考慮しよう、ヒュプノス」
寄りかかってきた兄弟の重みを感じながら、タナトスは軽くあくびをした。

NDと同じチャンピオンで連載をしている「空が灰色だから」を最新刊まで大人買いしてしまいました。こういう時だけ大人でよかったなあと思います。

サガは物欲無さそうですよね。教皇になりたいとか、人より優れた自分でありたいとか、そういう欲求は強そうですけれど、贅沢したいってわけじゃない。あ、アニメの悪サガは別枠で(笑)。
カノンは物欲含めて世界征服したさそうな感じでしたけど、いざ海将軍筆頭になって、やろうと思えば贅沢できるぞという状況になると「女も金も別に…」って感じになっていそうな気が。
大体、ポセイドンを迎えて心の清らかな人間だけのユートピア作るための準備しているのに、その筆頭が酒池肉林してたら人望失いますものね(>ω<)

で、組織の長として二人とも倹約・節約も身についてるんじゃないかと思うわけです。自由に金を使える立場とはいえ、自分の金じゃなくて名目上はアテナとポセイドンの金ですから。

そんな彼らが、アテナから銀河戦争の話を聞いたら、その出費額に「なにいいいいい」ってなるんじゃないかなあ。
収容人数5万5千人の東京ドームの建設費が3年かけて350億円らしいですが、コロッセオは10万人収容で、平成レベルで考えても超ハイテクが使われてて(聖闘士の拳速や衝撃度・圧力・ダメージを全て3D自動計測の上、瞬時にデータ表示とか)、天井にプラネタリウムなどを映したり、実際に沙織さんが登場したときに背景と合成して星の川を渡ってるように見せる舞台装置とか、入場できない人用に外部へ映像を流す設備とか、新国際航空近くの土地購入費も必要ですし(っていうか成田空港をこう呼んでいたことに時代を感じますね)、広告費用+運営費その他も含め、軽く1桁違う見積もりです私のなかで(`・ω・´)
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「あの時は聖域に…いえ、貴方に私の存在を伝えるのが目的でしたから、とにかく目立たせようと思って、金に糸目はつけませんでした。オリンピック開催を参考に、主要交通機関からの距離も考えて一等地にコロッセオを建設いたしましたし、宣伝費もかなりつかいましたし」

懐かしそうに思い出を語る沙織に悪意はないが、話を聞いていたサガの胃はキリキリ痛んでいた。アテナの決めた手段であるとはいえ、元凶は自分である。自分のせいでそんな無駄遣いをさせてしまったとしか思えない。

「具体的にはいかほど…」

それでも数値を尋ねたのは彼らしい。情報に正確さを求めずにはいられないのだ。
しかし、さらりと返ってきた答えが国家予算的な数字であったため、今度こそサガの顔から血の気がひいた。崩れ落ちそうになる膝をなんとか保ちながら訴える。

「畏れながらアテナ…聖闘士の名を出しさえすれば教皇のもとへ情報は届きます。その時点でアレも気づきますので、そこまで金をかけずとも開催は代々木競技場あたりでもよろしかったのでは」

サガの本音からすると、それだって高額である。

「日本をよく知っているのですね、サガ。でも国の施設を聖闘士のパワーで壊すわけにもいきませんし、何よりギリシアの雰囲気が出ませんもの。そんなところで予算を切り詰めても仕方がないでしょう?」

これが財閥育ちの金銭感覚か。

「し、しかし、わたしが申し上げるのも何ですが、偽教皇への挑発ということであれば、わたしが聖闘士を討伐に派遣することは予測できたはず。壊されるであろうと判っているものへ、そのような巨額をつぎこむなど」

聖域予算額の何十年分に相当しそうな金額なのである。教皇として世俗と切り離された生活をしていたサガでも、その金の価値はわかる。今更言っても仕方のないことではあるが、金遣いに思い切りが良すぎではないか。
青くなっているサガを見て、沙織はころころと笑った。

「大丈夫ですよ、保険はしっかりかけておりましたから」
「そ、そうなのですか…?」
「銀河戦争の世界各国TV放映権の収入もありますし、チケット代…これは後半分を払い戻ししなければなりませんでしたけれど、グッズやパンフレット販売も致しました。オフィシャルホテルとした近隣の系列ホテルは連日満室、飲食系の企業でも随分儲けさせてもらいましたので」
「……」

当時、命を狙われていたと言うのに、随分と精神的に余裕があったようだ。
尊敬するアテナの世俗的な辣腕ぶりに、サガとしては微妙な顔をするしかない。沙織はにこりと女神の笑顔をみせる。

「それに、幾らかかろうとも、お金など所詮は人間の流通貨幣ではありませんか」

女神にとって、マネーゲームは言葉どおり、ゲームに近いのかもしれなかった。神の能力と祝福があれば、金など簡単に増えていくだろう。

(アテナに任せれば聖域の収入や経済規模は飛躍的に向上するに違いない。だが、財政面は教皇や神官などの人間に今までどおりお任せいただこう…)

それが聖域を健全に保つすべだとサガは思った。

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でもすぐ黒サガには「利用できるものは利用すべきだ」と反対されるんですけど!
聖域はとくに大規模な経済活動はしていないので、世界への政治的影響力はあっても、予算はそんな巨額じゃないと思うんですよね。つつましく自給自足方向。
あと沙織としては、恩返し代わりに史上最大の格闘技試合を行うという城戸光政の夢を叶えてやりたいという気持ちもあった予感。

今日もぱちぱち有難うございます!毎日の潤いです(^-^)


1/1は母の誕生日なのでケーキを買います。

正月なのでおせち(ぐるーぽん状態じゃなかった良かった!)その他の正月料理も並びます。…太るわけですよね(´・ω・`)
私は仕事で親はあちこちの演奏会に呼ばれるので、家での寝正月は無理なのですが、寝正月だったらさらに大変なことになりそうな予感。

でも眠りの神であるヒュプノス様なら、寝正月は正義と言ってくれるに違いない。
寝正月したい(>ω<)
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年明け早々、カノンは眉をひそめていた。
しかめっ面のまま、ふたり分の朝食の支度をしていると、サガがこれまた眉間にしわを寄せて起き出して来る。
「おはよう、サガ」
「おはよう、カノン」
挨拶をしたあとに微妙な間が生まれる。無言の空間を打ち破り、まずはサガが話しかけた。
「カノン、どうであった?」
「お前と同じ心境だ」
以心伝心が発達しすぎて会話が省略形になっているが、二人の間ではきちんと伝わっている。
カノンが憤然とした様子でサガの前へ珈琲を置き、口を開いた。
「ハーデスが聖域との友好の証に、接待モードの初夢を寄越すなどと言ってきたゆえ、女神が対応に困っていらしたが、ヒュプノスは全くやる気がなかったようだな」
珈琲へ手を伸ばしながら、サガも応える。
「真面目にやってあれなのではなかろうか。いくらヒュプノスでもハーデスの主命を疎かにはすまい」
「どうだか。むしろ聖域への嫌がらせを独断で夢に含める気がするぜ。兄さんのほうは、どんな夢だったのだ」
「108の温泉巡りを24時間以内に制覇する夢だ…。温泉自体はとても嬉しいのだが、廻りきれるわけがないので悔しさの方が先立つ。また、どの温泉にも何故か山の絵が壁に描かれ、湯には茄子が浮かび、空には鷹が飛んでいるという…意味が判らぬ。」
「オレのほうは女と酒池肉林系だった。しかし場所がスニオン牢内という時点で全て台無しだ。やはり壁にはどこかの山が描かれていたぞ。酒の肴が茄子で、牢越しに見える空には鷹が飛んでいたように思う。酌をする女はおまえに…いや、美人で良かったが、意味が判らねえ」
ちなみにカノンが伏せたのは”お前に似た美人”との言葉だ。サガは美形ではあるが女性的とは言いがたい。188㎝美丈夫の兄に似た女性を美人と称するのも、それを兄に告げるのも、カノンのなかで色々な意味で憚られたようだ。
二人は顔を見合わせ、ため息を零しながら互いに零した。
「注文を付けるわけではないのだが…」
「接待なら接待で、手抜き接待せずにきちんとリサーチして欲しいよな」
「わたしは接待など不要だ。普通の初夢がいい。お前と二人でいつもどおりに過ごすような」
「それなら夢に期待せずとも、こうして実現しているだろ」
サガが微笑んだのでカノンも釣られたように笑い、それから用意済みの朝食をとりに台所へ向かった。

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でも聖闘士全員分の初夢を企画するヒュプノスだって大変だったんです。
今日もパチパチ有難うございます(>▽<)仕事の疲れも吹き飛びます!
お返事は次回にさせて下さい♪
そしてあけましておめでとうございます(>ω<)
今年もなにとぞよろしくお願いいたします(ぺこ)

今日は早朝から仕事なので、新年SSを書いてから寝るというぐだぐだっぷり。
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「カノン、オフ日だからというのは判るが、新年くらいもう少しきちんとした格好をしてはどうか」
純白の法衣で新年そうそう母親じみたことを言っているのは、カノンの兄・サガだ。
慰問にも着用していける格式の身支度をしているのは、ちゃんと理由がある。新年ということで、女神へ拝謁をするために十二宮を登る者がいつもより多いのだ。直接女神へ拝謁のかなう者は、それなりの身分の人間に限られる。そうなると、通行許可を出すサガとしても、きちんとした服装で対応すべきという意識になる。
言われたカノンは、ソファーの上であくびをしていた。
「通行許可なんて小宇宙通信だけでいいだろ。いずれにしろ外へ出て対応するのはお前なのだし、オレは別にこのままで…」
彼が着用しているのは、冬用バージョンの長袖スニオン服だった。フードのついているタイプもあるのだが、長髪がフードに納まりきるわけもないので、無いタイプを寝着にしている。まともな服はサガよりも余程持っているというのに、宮内ではとことん無頓着である。ただ、無頓着でも顔が良いのと、研ぎ澄まされた小宇宙のおかげか、だらしなくは見えない。※ただしイケメンに限る、という実例だ。

サガがまた何か言おうとしたそばから、来訪者の気配がした。
「あけましておめでとうございまーす!」
相変わらず元気なペガサスの声だ。
新年の陽が昇ると、十二宮をまっさきに駆け上っていく星矢の姿は、毎年恒例のものだった。女神が新年の式典や拝謁などで時間のとれなくなる前に、沙織個人へ挨拶をするために星矢は登って行く。
その途中で双児宮へ立ち寄るのだ。

来客がきたことで、サガが『そらみたことか』という顔をしたが、カノンからすると『青銅に会うのに着替える必要もねえだろ』である。
その星矢は、勝手知ったる知己の勢いで、居住区に駆け込んできた。迷宮はとうにサガによって解除されている。

飛び込んできた星矢はリビングのなかを見回し、サガとカノンの姿をみとめると、珍しくカノンのほうへ先に駆け寄って行った。ソファーへ寝そべっているカノンの頭側にまわり、カノンを無理矢理起こすと背中側に回り込む。呆気に取られているカノンの身体へ手足をまわし、関節固めを決めようとしたところでカノンに投げ飛ばされた。
「わあ、何するんだよ!」
それでもくるりと宙で廻って、壁に激突することなく着地したのは、戦士としての成長の証であろう。
「それはこちらの台詞だ!いきなり人に攻撃をしかけるとはどういうつもりだ!」
「攻撃じゃなく挨拶だよ。巳年だから蛇にちなんでコブラツイスト」
「ほお…今のが挨拶か小僧…」
カノンの小宇宙が剣呑になってきたため、慌てて星矢はお土産のへび型アイシングクッキー缶をカノンへ押し付けた。『挨拶』をするまえにテーブルへ置いておいたものだ。嘘ではなく恒例の”干支尽くし”のようだ。星矢は妙にまめなところがあり、毎年その年の干支にちなんだ挨拶と土産を置いていく。
そのことを思い出したカノンは渋々怒りを解いたが、完全には納得していない。

「挨拶なら、何故サガではなくオレのほうを狙ったのだ。兄と比べてオレのほうが技にかかる可能性が高いとでも?」
サガと比較されたうえ、格下と侮られたのであれば、先輩としてしごき返してやるつもりのカノンだ。もちろん星矢がサガに好意を持っているためにカノンのほうを…などという理由であった場合でも同様である。

しかし星矢はもじもじしながら、サガの方をみた。
「いや、その、サガにしようとしたんだ。ホントだぜ?だけどサガは何か綺麗な服を着てるから、汚したり皺にしたら悪いと思って…破ったら弁償しなきゃならないし…」
ぼそぼそ言い訳をする星矢は、孤児院育ちの超庶民でもあった。
近づいてきたサガが、ぽんとカノンの肩を叩く。
「だから、新年くらいきちんとした服装をしなさいと言ったろう」
「………」
穏やかながら、勝ち誇った(と見える)顔のサガがカノンには気に食わない。

「オレはお前と違ってきちんとした下着を履いている」
「……ほう…」
星矢の前でそんな風に言い返したため、新年早々千日戦争が勃発しかけた。

その緊迫した空気を破ったのも星矢だった。
「第1案のコブラツイストが駄目なら、第2案の『へびーなキス』とかはどうかな」
言っている内容は大人向けだが、肝心の星矢に邪心がないため、サガも苦笑するしかない。

「お前はわたしにとっての青銅の蛇(罪からの癒しの象徴)だ。それゆえ、おまえ自身からの祝福のキスであれば、それだけで嬉しい」

サガが穏やかに、そして真剣に応える横で、カノンが「頬にまでだぞ」と注文をつけた。

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青銅の蛇は正教会の権杖にも使われるので、権威の象徴でもあるとかなんとかwikiに書いてありました。青銅とブロンズをひっかける強引ぷり。そして推敲する時間もない(>ω<)おやすみなさい!
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